2007
![]() | トモ、ぼくは元気です 香坂 直 (2006/08/24) 講談社 この商品の詳細を見る |
ぼくは松本和樹。 中学受験を控えた小学六年生。
この夏休みはバーバー松本に追放された。 ここは商店街の東のはしにある理容室。
おじいちゃんとおばあちゃんが住む家で、お父さんが生まれ育ったところ。
家を追放された罪状は、自分の家をめちゃくちゃにした。
それは障害を持つ兄の友樹に絡む、ストレスが爆発したからだ。
2階の和室で過ごすことになった和樹の前に、大富夏美と名乗る少女が現れる。
一方的にしゃべるしゃべる夏美は、お向かいの和菓子さんちの女の子。
その勢いのまま、夏美に商店街を案内される和樹だった。
案内された商店街と道路を挟んで、もう一つの商店街がある。
八月の最後の日曜日にある夏まつり。
そこで行われる金魚すくいの、ライバル商店街だった。
関西の商店街の雰囲気が良かったな〜。
こう言えばこう返す、みたいな会話がぽんぽん飛び交ってるねん。
それに立ってるノボリの文句が溜まらん。
「がんばってますねん!いまいち商店街」 これはツボに嵌った。
金魚すくいのメンバーになった和樹の待遇が最高。
商店街を歩いていると、様々な店に連れ込まれる。
そこで「これ食べ!」やって。 いいよね。 く〜ってくるね。
それにアニマルって呼ばれるおばはんの存在。
理由は簡単。 アニマル柄の服しか着いひんから。
こんなおばはん、大阪には普通におるもん。
初めの内容紹介で触れなかったですが、夏美は双子やねん。
姉の夏美が竜巻なら、妹の千夏はかみそり、だって。
この表現はすごく好き。
ここから少し真面目モード。
母が言う、和樹らしくないという言葉。
夏美が言う、カズちゃんらしくないという言葉。
「らしくない」という言葉にイライラする姿が、すんごい解る。
勝手に決め付けられるのは、しんどいもんね。
障害を持った兄に、他人が見せる視線が嫌なこと。 兄の存在を重く感じること。
これらの毒を夏美に流し、夏美は妹の桃花に流す。
この結果、ケンカもするが結束も固まる和樹と夏美。
これらの事件をきっかけに、和樹はトモにケイタイで写真を毎日送ることに。
それが、この本のタイトル。 「トモ、ぼくは元気です」
とても良いタイトルですね!
金魚すくいの場面でこっそり見守る和樹の成長に、イェイ!
恋に鈍感で気づかない和樹のアホさに、ニンマリ。
夏が終わって自分の家に帰る別れのシーンに、うるっ。
と〜っても、温かな気持ちになれる良い本でした。
次回作が待ち遠しいっす! これからも香坂さんを追いかけるぞー。
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