--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

03.28

「夜市」恒川光太郎

夜市 夜市
恒川 光太郎 (2005/10/26)
角川書店

この商品の詳細を見る

「夜市」と「風の古道」の2編を収録。

「夜市」
大学生のいずみは、高校時代の同級生の裕司から夜市に誘われる。そこは岬の公園からさらに奥にあり、妖怪たちが品物を売る異世界だった。夜市では望んだ物が何でも手に入る。小学生のころに夜市に遭遇した裕司は、弟と引き換えに野球の才能を手に入れた。弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた裕司は、再び訪れたこの夜市で、弟を買い戻しに来たのだった。

この夜市のもつ雰囲気がすごい。静かで時が止まった不思議な世界。妖怪たちが跋扈する世界だが、違和感をまったく感じない。無駄な文章がなく、情景が浮かんでくるような綺麗な文章。この異質な世界を、短いページ数で創りあげる恒川さんの文章力に脱帽。夜市では何か買い物をするまで、現実の世界へ帰ることが出来ない。そこで裕司が出した品物への対価が意外だった。お金では買えない物がある。それは異世界でも現実の世界でも同じ。幻想と現実が交わった世界。本当に隣にあるかもしれない、少しずれてしまった世界。これらが身近に感じられる作品だった。

「風の古道」
少年が古道に足を踏み入れたのは、7歳の春だった。12歳の夏に、初めて古道の存在を友人のカズキに打ち明けた。古道を辿る二人の少年は、途中で見つけた小屋に泊めてもらい、レンに出会う。この道は特殊な道で、普通の人間は入ってはいけない道だという。話を聞いている間も、異形のものたちが通り過ぎて行く古道。翌朝古道の出口を案内してくれるレンとともに出口へ向かう二人。しかしコモリという男が現れ、いきなり銃を発砲。カズキに弾があたり、カズキは死んでしまう。そこで死者を蘇らせすことが出来るという、雨の寺を目指すことに。

「夜市」と同じ異世界を描いた作品だが、こちらは冒険の要素が多くあった。静かな時間の旅をするのだが、時には心が動き、少しばかりのユーモアがある。そしてレンの背負ってきたものがたんたんと語られ、それを受け止めているレンに痺れた。「夜市」の対極のようなラストも良かった。こちらは、こう来たかという感じ。似た世界観だけど、全く違う完成された作品だった。恐るべし、恒川光太郎。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

恒川光太郎
トラックバック(8)  コメント(6) 

Next |  Back

comments

私のサイトの方で訪問ありがとうございましたw
本の感想…というジャンルは同じなのに、文章能力の差を感じます…!!
尊敬ですね…。
リンクしてもよろしいでしょうか?

ではでは、失礼します。

流飴:2007/03/28(水) 12:52 | URL | [編集]

流飴さん、こんにちは。
もちろんOKです。
またお邪魔しますね!

しんちゃん:2007/03/29(木) 09:19 | URL | [編集]

よかったですね~。「夜市」も「風の古道」も、なんか懐かしく感じてしまいました。
「夜市」は行きたくないですけど、「風の古道」は・・・一瞬行きたくなりましたけど、やっぱ怖いかも。
レンは、切ないですね。お母さん(元彼女)、戻っちゃったんですね。(涙)

じゃじゃまま:2007/10/08(月) 18:21 | URL | [編集]

ままさん、すっごくわかる!
「夜市」は怖いけど、「古道」は冒険の匂いがするね。
たけど…、やっぱ怖そう(笑)

レンの試練にはぐっときました。

しんちゃん:2007/10/09(火) 09:07 | URL | [編集]

夜市へ行って何を買いたいのだろうと考えていたら、こわくなってきました。
簡単に手に入るものでは、成功はありえないのでしょうね。

花:2008/04/16(水) 20:44 | URL | [編集]

花さん
本当に隣にありそうな世界だから、ぞくぞくした怖さが伝わってきました。
すごく雰囲気のある作品でしたね。

しんちゃん:2008/04/17(木) 11:46 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

恒川光太郎『夜市』


恒川光太郎『夜市』角川書店 2005年10月30日発行大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出掛けた森の岬では妖怪たちが様々な品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた・・・。小学生のころに夜市に迷い

2007/03/28(水) 21:27 | 多趣味が趣味♪

「夜市」(恒川光太郎著)


 今回は 「夜市」 恒川 光太郎著 です。この本は平成17年度の第12回日本ホラー小説大賞大賞受賞作ですね。

2007/03/29(木) 21:59 | たりぃの読書三昧な日々

夜市


************************************************************ 何でも売っている不思議な市場「夜市」。 幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに 「野球選手の才能」を手に入れた。 野球部のエースとして成長した祐司だったが 常に罪悪感にさいなまれていた。

2007/04/25(水) 21:18 | 気楽に♪気ままに♪のんびりと♪

「夜市/恒川光太郎」読了


夜市恒川 光太郎これ、傑作ですね。素晴らしいです。あたし、こういう話、滅茶苦茶好きです。夜市風の古道の2篇からなる。どちらの話もこの世のものではない不思議で妖しい世界とつながっていてそれがとっても奇妙で怖いんだけど、なんかとっても魅力的なんですねー。「夜

2007/07/25(水) 09:46 | 本を読んだり…

夜市 恒川光太郎著。


どなたかのブログでこれは面白そうだ!と思い、借りてきた。 うん、面白かったよ~。どこか懐かしくて、こういうのをノスタルジックというのか?読んでると、自分の幼かった頃の夕方の町並みを思い出してしまった。 町並みだけじゃなく、両親に甘えてた子どもの頃の自分、そ

2007/10/08(月) 18:19 | じゃじゃままブックレビュー

「夜市」 恒川光太郎著


―内容(「BOOK」データベースより)― 大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入...

2007/12/18(火) 23:38 | とにかく読書。

本「夜市」


夜市 恒川光太郎 角川書店 2005年10月 大学生のいずみは高校生時代の同級生裕二から誘いを受け、岬の公園の奥の森で行われる、なんでも売っているという夜市へ行く。裕二は、昔、野球がうまくなりたいと、弟と引き換えに、野球ができる能力を得たこ...

2008/04/16(水) 20:38 | <花>の本と映画の感想

夜市


著者:恒川 光太郎 出版社:角川ホラー文庫 紹介文: 物悲しい雰囲気が、秋のホラーといった感じ。 表題作『夜市』は、子供の頃、夜市で弟と引き換えに野球の才能を手に入れた兄が、弟を買い戻しに行くという話。 以前この作品だけ読んだのですが、図書館の返却期

2008/10/30(木) 00:19 | どくしょ。るーむ。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。