--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

04.04

「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹

赤朽葉家の伝説 赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹 (2006/12/28)
東京創元社

この商品の詳細を見る

祖母、母、わたし。 赤朽葉家に生きる三代の女たちを描いた作品です。

「第一部」
戦後の敗戦の余波が残る時代に、万葉は辺境の人に置いていかれた。
場所は鳥取県西部の中国山脈の奥にある紅緑村。
万葉はときおり未来を視た。それが10歳のころ自分は未来視だと自覚する。

紅緑村には2つの大きな家があった。上の赤と下の黒。
上の赤こと赤朽葉家は、昔からある旧家で製鉄業が盛ん。
下の黒こと黒菱家は、軍事国家の恩恵を受けた造船成金。

その赤朽葉家から、万葉二十歳のときに嫁入り話がくる。
赤朽葉家のぼん・曜司の嫁になる万葉。赤朽葉の千里眼奥様になったのだ。
長男を産み、丙午の年に長女の毛毬を産む。
この毛毬が第二部の主人公。


赤朽葉家の大奥様のタツがいいキャラでした。
ころころ太った恵比寿さまのような容姿だが、一声で職工を黙らす。
そして万葉の子供たちの名づけのセンスが抜群。
特に真砂の戒名には、笑えた!

万葉の子供のころに見た幻の人物の穂積豊寿もよかったな。
「豊さん」「万の字」と呼び合う二人の会話に和むね。
「ひろわれっ子」「いじめっ子」と言い合いながらも、仲良しなみどり。
彼らが、いい雰囲気、いいリズム、を作ってました。


「第二部」
毛毬は中学一年の夏に、「アイアンエンジェル」という暴走族を作る猛女。
友達のチョーコを族のマスコットにし、バイクで疾走する。
敵対する族を蹴散らした青春時代から、華麗な漫画家へ転身。
売れっ子漫画家として仕事に追われる毛毬は、婿をとり瞳子を産む。
若くして亡くなった、毛毬の一生です。


「アイアンエンジェル」には笑えたな。漢字だと「製鉄天使」。ぷぷっ(笑)。
桜庭さんのユーモア、好きです。
しかも「製鉄天使」で中国地方を統一したい。最強になりたいだって。
一昔前の暴走族漫画そのままやんか。

そんな毛毬が弟の部屋に行き、少女漫画を読んではくすんと鼻を鳴らす。
これが漫画家になるきっかけとは、まったく気づかなかった。

妾の真砂が死に、子供の百夜を本家で育てることになる。
毛毬にはこの百夜の姿が見えない。この百夜が毛毬の真逆のキャラ。
毛毬の男を寝取るのが得技ってどうよ。しかも学生時代に寝取り三昧って。

この手の登場人物って、普通は嫌いになるもんですよね。
けど母は裸踊りで、娘は死ぬまで寝取り。滑稽で笑えて、憎めないですね。


「第三部」
九歳で母と死に別れた瞳子は、老いた祖母の万葉に育てられる。
現代に生きる瞳子はいたって普通。夢も無ければ情熱も無い。
瞳子が二十歳を少し越えた頃、祖母の万葉が死んだ。
死ぬ間際に、「昔、人を一人殺した」という一言を残して。
瞳子は祖母が殺人者なのかを調べることに。


最後はミステリです。祖母の一言に瞳子が過去を訪ねる。
それ以外は何も起こらない。云うならすべててが今風。
すぐに仕事を辞めてしまう若者や、地方の現状がリアルでした。

赤朽葉家の3代目は、こんな感じでいいんじゃないでしょうか。


戦後の復興と、欧米文化の流入による発展・公害問題。
高度経済成長やバブル、若者たちの熱さ。そして現代の無気力な若者。
紅緑村も過疎化が進み、赤朽葉家も廃れていく。
このように、時代の流れにそってストーリーが進む。

時代背景にあった人物像、小道具など、読ませどころが満載でした。
上下二段の文章がぎっしりですが、非常に読みやすかったです。

読む前は一代記でもだるいのに三代記かよー、と思ってました。
偏見はいかんですね。そこらの一代記と一緒にしたら大間違い。
もう最初から最後まで、どっぷり作品世界に嵌りました。

ユーモアもありとても充実した内容で大満腹。
桜庭一樹さんの本はこれからも読んでいきたいです。

は~~、ぷくぷく茶が飲みたい。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

桜庭一樹
トラックバック(18)  コメント(18) 

Next |  Back

comments

実は読む前にはあまり期待していませんでした。「少女七竈」が私の好みとちょっとばかり違っていたので。
しかし、そんな不安をいきなり吹き飛ばしてくれました。
特に毛毬の章のインパクトが強烈で、頭の中には未だ「ぱりゃりら、ぱりゃりら」と鳴り響いているほど(笑)。
本当に満腹な内容でしたね。
欲をいえば、もう少し最後に余韻を残して欲しかったなってことでしょうか。ちょっと「肩透かし」を食らったような終わり方だったので。

リベ:2007/04/04(水) 21:55 | URL | [編集]

は~~、ぷくぷく茶が飲みたい
私も飲みたいです!
女の三代記、それぞれに濃密でしたね~。
中でも、万葉の時代が一番好きです。
大奥様のタツのネーミングセンスにはビックリ!
で、笑っちゃいまいた~
人名に使える漢字をまるっきり無視してますもんね(笑)

エビノート:2007/04/04(水) 22:49 | URL | [編集]

りべさん、ちーす。
毛毬の章は笑えましたね。
自分らの世代にはこういう漫画が溢れてたから、尚更楽しめたよね。

最後は桜庭さんも今風を意識したのかな。
第三章は感想が書きづらかった。だって何も起こらんもん(苦笑)。


エビノートさんも、どんなお茶なのか気になったのか。
いまでも売ってるのかな?

ネーミングについていっぱい書きたかったけど、未読の方に悪いと思い抑えました。
笑えましたね。桜庭さんも楽しんでたのかな。

しんちゃん:2007/04/05(木) 08:26 | URL | [編集]

しんちゃん こんばんは。
この作品一気に読んじゃいました。
私もぶくぷく茶 飲んでみたいです。
私は毛毬の時代が好きですね。

naru:2007/04/07(土) 19:48 | URL | [編集]

naruさん、こんにちは。
一気に読めたよねー!ますます桜庭さんが好きになったっす。
毛毬の時代は面白かったね。懐かしくてウキウキしたよ。

しんちゃん:2007/04/08(日) 11:20 | URL | [編集]

こんばんは。
三世代にわたって繰り広げられる、怒涛のようなそれでいてなんとも濃ゆ~~い物語でしたね。
しかし決して重苦しくなく、読後はほわぁと放心してしまいました。
文章の隅々にまで山陰地方の歴史や風土が感じられ、
女性たちの生きたみちを鮮やかに彩っていたのが印象的でした。
何回でも読み返したい…うぅ、買っちゃうか!?

ここのところずっと頭の中で「ぱらりらぱらりら」が響いております。
個人的に流行語大賞です。

Rutile:2007/04/17(火) 23:02 | URL | [編集]

Rutileさん、流行が古すぎ(笑)。「ぱらりらぱらりら」は化石でしょ。
でも、わかるー!ちゃりんこに乗ってるとき頭の中で「ぱらりら」って鳴らしたからね。

しんちゃん:2007/04/18(水) 09:54 | URL | [編集]

毛毬と同世代なんですが、読んであらためて
私ってこんな面白い時代にいたのか・・と気付きました。
ほんと一気に引きこまれて、思い切りひたりました。

june:2007/05/06(日) 12:43 | URL | [編集]

おー。同世代ですね。
面白かった時代には、juneさんは乙女を満喫出来たのだからいいじゃん。
そういえば、こういう毛毬のようなマンガも多かったですね。

しんちゃん:2007/05/06(日) 13:15 | URL | [編集]

しんちゃんのレビュー読んでると、あぁそんな事もあった。
あんな事もあった、と物語をもう一度楽しめる。

桜庭さん、アンソロジーに載っていた短編以外では初めて読んだのですが
気になる作家さんになりました。

なな:2007/05/23(水) 20:48 | URL | [編集]

わーっ、ありがとね!
でもあれこれと細かいことを書きすぎたかも。

自分も桜庭さんはこの本が2冊目でした。
ラノベまでは手を出さないけど、読んで行きたいです。

しんちゃん:2007/05/24(木) 08:57 | URL | [編集]

こんにちは。
最初は分厚さに慄きましたが、読み始めると一気に物語りに引き込まれて夢中で読みました。
タツのネーミングは凄かったですよねぇ(笑)
私もぷくぷく茶が飲みたいです~。

すずな:2007/07/30(月) 14:10 | URL | [編集]

すずなさん、こんにちは。
すごく重厚な作品でしたね!
なのにすいすい読めてしまう。
桜庭さんは要チェックですね。

ぷくぷく茶は気になる(笑)

しんちゃん:2007/07/30(月) 16:22 | URL | [編集]

読み応えのある作品、濃厚な3代記を読ませてもらいました。
時代背景と共に描かれていたので、その時を思い出しながら、読めたのもよかったです。

花:2007/08/14(火) 21:49 | URL | [編集]

花さん、こんにちは。
すっごく読み応えがありましたね。
濃厚すぎて感想がまとまらずに、だらだらと書いてしまいました。
アホほど時間が掛かった駄文へようこそ!

しんちゃん:2007/08/15(水) 15:32 | URL | [編集]

ぶくぷく茶、紅緑村ではずいぶんと生活に密着しているようでしたね。
わたしも飲んでみたいです。

昭和の風物があれこれと思い出されてノスタルジックでもありました。
幻想的でもあり現実的でもある物語だと思いました。

ふらっと:2007/08/23(木) 18:37 | URL | [編集]

こんばんは。
私は瞳子が辿りついた万葉の最後の言葉の意味、空飛ぶ男の真実が衝撃でした。
3世代にわたる壮大なストーリーでしたよね。ぷくぷく茶、私も是非飲んでみたいです!!

masako:2008/05/02(金) 23:35 | URL | [編集]

masakoさん、こんにちは。
最後のミステリは記憶がかなり抜けてます^^;
確かそんなに驚かなかったような…。幻視だっけ。
でもすごい本だと思ったことは覚えています。

しんちゃん:2008/05/03(土) 12:15 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

赤朽葉家の伝説 〔桜庭 一樹〕


赤朽葉家の伝説桜庭 一樹 東京創元社 2006-12-28売り上げランキング : 9247おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools≪内容≫「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽....

2007/04/04(水) 22:45 | まったり読書日記

赤朽葉家の伝説 桜庭一樹


Book Designは岩郷重力+WONDER WARKZ。書き下ろし。物語の舞台は鳥取県紅緑村。千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもない私。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、旧家に生きる三代の女たち、

2007/04/05(木) 01:06 | 粋な提案

赤朽葉家の伝説 [桜庭一樹]


赤朽葉家の伝説桜庭 一樹 東京創元社 2006-12-28「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。

2007/04/05(木) 11:51 | + ChiekoaLibrary +

桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」


「ようこそ ビューティフルワールドへ。」

2007/04/05(木) 23:13 | 待ち合わせは本屋さんで

赤朽葉家の伝説  桜庭一樹


山陰地方の旧家、赤朽葉家へと輿入れした万葉。彼女には不思議な力があった。山の人においてかれた娘は常人には見えないものが「視えた」のだった。この書は製鉄で盛えた鳥取県西部の紅緑村(べにみどりむら)とそこに君臨する赤朽葉家を舞台に、千里眼奥様と呼ばれた赤朽葉..

2007/04/06(金) 22:45 | 今更なんですがの本の話

『赤朽葉家の伝説』桜庭一樹


シェアブログ1152に投稿こ、これは…欲しいかも!!ハードカバー、しかも二段組と言うボリュームなのに、全然飽きさせないんですね。じっくり時間をかけて、ゆっくり読ませていただきました。今読み終えて、ほぅ。と軽く放

2007/04/17(火) 23:01 | 道草読書のススメ

「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹


赤朽葉家の伝説こういう大河小説というか、女の一代記は(これは三代記ですけど)もともと好きなんですが、これもおもしろかったです。有吉佐和子さんの「紀ノ川」をもっと現代に引き寄せて、神秘的でオカルティックなものを加えて、ミステリも加えて、・・と、盛りだく....

2007/05/06(日) 12:33 | 本のある生活

第60回日本推理作家協会賞受賞作品


第60回日本推理作家協会賞は以下の通り決まりました。<長編および連作短編集部門> 桜庭一樹さんの「赤朽葉家の伝説」 <評論その他の部門> 小鷹信光さんの「私のハードボイルド」と  巽昌章さんの「論理の蜘蛛の巣の中で」 <短編部門>...

2007/05/16(水) 21:14 | 及川的大人のブログ

「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹


赤朽葉家の伝説桜庭 一樹鳥取で製鉄業で財を成した旧家、赤朽葉家。千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。赤朽葉家に生きる三代の女達の戦後から現代まで。実は桜庭さんはアンソロジーに入った短編を一つ読んだ事があるだけの作家さんだったんです。今まで

2007/05/23(水) 20:48 | ナナメモ

『赤朽葉家の伝説』  桜庭一樹  東京創元社


この方の作品は初めてだったのですが、私にとってはなんとも衝撃的な出会いになりました。面白かったです!本当に!日本推理作家協会賞を受賞されたんですね。おめでとうございます。いいタイミングで読むことができました。10歳のとき、「山の人」に置き去りにさ....

2007/06/14(木) 00:13 | アン・バランス・ダイアリー

赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)


なんとも感想が書き難い。どう書いていいのかわからなくて、昨日UPするはずだったのに途中で挫折してしまいました。上手く言葉に出来るのか心許ないんだけど・・・。

2007/07/30(月) 14:10 | Bookworm

桜庭一樹【赤朽葉家の伝説】


製鉄所を営む「赤朽葉(あかくちば)家」に嫁入りした万葉(まんよう)。学はなく、文字も読めないが、千里眼を持つ不思議な娘。万葉は4人の子供の母となり、やがて長女の毛毬(けまり)は瞳子(とうこ)という娘を産む。鳥取県紅

2007/08/08(水) 09:23 | ぱんどら日記

桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」


赤朽葉家の伝説 おもしろすぎです。こんなにすごい作品だけれど、惜しくも「吉原手引草」に直木賞を奪われてしまう。 それでも、本当にこの作品は面白い。 桜庭一樹の本を読むのは、昨年の夏、「少女七竈と七人の可愛そうな大人」を読んで以来二冊目。....

2007/08/09(木) 00:25 | 日々のんぼり

本「赤朽葉家の伝説」


赤朽葉家の伝説桜庭一樹  東京創元社 2006年12月 辺境の人に置き去りにされた万葉は、村の若夫婦に育てられるが、製鉄業で財を得た赤朽葉家の嫁となる。万葉には、未来のことが見える千里眼の能力があった・・・・・・・現代史と共に、赤朽葉家の3代を描い

2007/08/14(火) 21:45 | <花>の本と映画の感想

赤朽葉家の伝説*桜庭一樹


☆☆☆☆・ 赤朽葉家の伝説桜庭 一樹 (2006/12/28)東京創元社 この商品の詳細を見る「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧...

2007/08/23(木) 18:38 | +++ こんな一冊 +++

赤朽葉家の伝説/桜庭一樹


読書期間:2007/10/13~10/16【日本推理作家協会賞(第60回)】千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもない私。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を比類ない筆

2007/10/21(日) 10:08 | hibidoku~日々、読書~

(書評)赤朽葉家の伝説


著者:桜庭一樹 赤朽葉家の伝説(2006/12/28)桜庭 一樹商品詳細を見る 山陰の紅緑村。たたら製鉄によって財を成した赤朽葉家を頂点としたこの...

2008/04/22(火) 17:20 | 新・たこの感想文

桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』


赤朽葉家の伝説/桜庭 一樹 ¥1,785 Amazon.co.jp 「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である...

2008/05/02(金) 23:31 | 映画な日々。読書な日々。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。