--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

04.13

「江利子と絶対―本谷有希子文学大全集」本谷有希子

江利子と絶対―本谷有希子文学大全集 江利子と絶対―本谷有希子文学大全集
本谷 有希子 (2003/10)
講談社

この商品の詳細を見る

「江利子と絶対」「生垣の女」「暗狩」の3つの短編が収録。
3つなのに「本谷有希子文学大全集」だってさ。
本谷さんのことは、勝手に男前作家だという位置づけをしている。
この本のタイトルも男前っすね。 こういうのはすごく好き。


「江利子と絶対」
田舎から無理やり姉の部屋に上京してきた妹の江利子。
江利子は引篭もりで、マンションの部屋から一歩も出ない。
そんな江利子が電車事故のニュースを見て、「前向きに引篭もる」と宣言。
江利子のリハビリはゴミ捨て。 これが江利子の唯一の外出なのだ。
そこで捨て犬を拾ってきたのち、「絶対」と名づけて飼うことに。

短い短編ですが絶品。本谷さんの世界がぎっしり詰まっていた。
江利子の壊れ方なんて好き好きでした。こういうの本谷さん上手いですね。
江利子が真面目になればなるほど笑いを誘う。このユーモアが溜まらん。
現在「ダ・ヴィンチ」に連載中の、「乱暴と待機」の奈々瀬ちゃんもそうですね。
不器用な江利子がすごく可愛いかったです。そして犬の絶対もね。
絶対にエリの味方って意味の「絶対」という名前。切ないっすね。

でも江利子が言っていることは、決して間違ってはないんですよね。
「エリのキレイな気持ち返せよ。」の叫びは、心にズドンときました。


「生垣の女」
アキ子を怖がりながらも、少し気になる中年男で禿げの多田。
生垣のわずか20センチの隙間に隠れて、男の帰りを待つ女・アキ子。
多田の部屋に無理やり転がり込んだアキ子に、多田はただ振り回される。
2人の気持ちが悪くて最低な恋愛を描いた作品です。

とにかくグロい。そしてアキ子のイカレっぷりが気持ちが良かった。
多田が飼っている猫の菊正宗を、電子レンジに入れて加熱するアキ子。
猫好きなのに笑ってしまう自分がいた。こんな場面で笑ってしまっていいのかよ。
とにかくアキ子の行動すべてが大爆笑。それとは逆に多田はひたすら悲惨。
残り少ない髪の毛が減っていくし、暴力も超M級。飼い猫もぼろぼろになっていく。
でもこの切なさに笑ってしまう自分がいて、人間性を疑ってしまう。 

すべてが過剰で暴力的で切ない。そしてグロくてシュールでコミカル。
森見登美彦さんが妄想系で笑えるなら、本谷さんは暴力系で笑えた。
自分の黒さに気づきましたが、すごく稀有な作品でした。
でも、好みは別れる作品だろう。


「暗狩」
広場で野球をして遊ぶ小学生3人だが、打ったボールが隣の屋敷に入ってしまう。
ボールを追って屋敷に忍びこんだ3人だが、そこに住むのは殺人鬼。
小学生3人の、命をかけたかくれんぼが始まる。

前2作が笑えたので、同じ雰囲気かな~と油断してたら、めっちゃ怖かった。
サイコ・ホラーっていうんでしょうか。ホラーは苦手なんですよ。
しか~し、さすがは本谷さんですね。先が気になってしょうがなかった。
最初から最後まで緊張感が続きっぱなし。ちょっと疲れたな。

子供たちに殺人鬼が迫るのですが、たぶんこうなるだろうな~と思った。
ですが見事に裏切らました。そこはさすがに本谷さんですね。
読み手が想像つかない展開にするなんて、捻くれてるというか…。
そこらあたりが男前・本谷有希子らしいですね。


読んでいて気持ちがいいお話ではないですが、この黒さが病みつきになる。
本自体は薄いですが、読み応えがたっぷり。本谷有希子は面白い。
そしてすんごい世界を描く。これらを改めて再認識しました。

文章がどうの構成がどうのと何も考えず、ただただ黒さを楽しむのが一番。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

本谷有希子
トラックバック(3)  コメント(4) 

Next |  Back

comments

こんにちは!
デビュー作にしてこの完成度。素晴らしい!
この黒さがたまりませんね~。もう大好きです。
初めの2作で油断させて3作目でああくると。
やられました、すみません、って感じです。
新刊が待ち遠しいですね。

リサ:2007/04/14(土) 09:45 | URL | [編集]

リサさん、ちーす!
黒いのが気持ち良いっすねー。この毒気に嵌りましたよ。
短い短編ですがパンチが利いててやられたーーって感じ。
本谷さん、これからも楽しみですね。

しんちゃん:2007/04/14(土) 13:00 | URL | [編集]

こんばんは。
デビュー作でこれってかなりすごいですよね!
本谷さんのキャラクターの壊れっぷりからすっかり目が離せなくなってます。
「生垣の女」は猫好きでも笑えちゃったのですね。あれは確かに好き嫌い分かれそうですよね。私も嫌いではないですよ!

アメコ:2007/10/11(木) 21:20 | URL | [編集]

アメコさん、強烈な真っ黒でしたね。
「生垣の女」のブラックはもろ好みでした。
本谷さんは新刊が出れば即買いの作家になりました。

しんちゃん:2007/10/12(金) 09:59 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

「江利子と絶対」 本谷有希子


江利子と絶対posted with 簡単リンクくん at 2006.10.14本谷 有希子著講談社 (2003.9)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

2007/04/13(金) 23:32 | 今日何読んだ?どうだった??

『江利子と絶対』本谷有希子


江利子と絶対―本谷有希子文学大全集本谷有希子講談社2003-10by G-Tools引き篭もりの少女・江利子と、“絶対”と名付けられた犬のコンビが繰り広げるぬるい日常を姉の視線から描く表題作『江利子と絶対』。頭髪に問題を抱えた中年男・多田と、その隣人の帰宅を生垣に潜んで

2007/04/14(土) 09:43 | ひなたでゆるり

「江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉」本谷有希子


江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)本谷 有希子引きこもりの少女・江利子は、拾った犬に「絶対」と名付けた。「絶対に自分の味方」となることを求め、その犬の世話をする江利子。ところが、電車の横転事故の跡を見たとき、事件が起きた(表題作)。人間の深

2007/10/11(木) 21:14 | scribble

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。