2007
![]() | 生きてるだけで、愛 本谷 有希子 (2006/07/28) 新潮社 この商品の詳細を見る |
安い恋のトライアングルに勝手に巻き込まれ、叫んで暴れてバイトをクビになった寧子。
寧子は鬱になり、同棲中の津奈木の本部屋に二十日以上も閉じ篭っている。
今の寧子は、仮眠。メルヘン。二十五歳。 生きてるだけで疲れるひとりの女性の物語です。
これまでに本谷さんの本を2冊読んでましたので、黒い本だと思ってました。
それがまあ冒頭からぶっ飛んだ寧子に、あれ?っと思い、こちらもぶっ飛んだ。
無闇に当たり散らす寧子に、「うん」「ごめん」とまったく反応しない津奈木。
言ってはいけないと気づきながらも、口から出る嫌な言葉。
でも二人の仲ではバランスが取れていて、何も問題がない気もしたけど…。
津奈木に毒を吐く寧子は置いといて、世間に対して毒を吐く寧子が好き。
なぜか共感してしまう自分が居る。 心の中で死ね!とは言わないですがね。
もっと毒を吐いてくれと思いながら読むのは、世間を敵視した自分が眠っているのか。
ときにコミカルでいて病んでいる寧子を、可愛いと思ってしまうのは危ない兆候?
う〜む、病んでるかも(汗)。 自分の事は、この際忘れてしまおう。
津奈木の元彼女が現れ、寧子に別れを迫る。 この身勝手さに何故か安心してしまった。
このバカ女が、これまで持っていた本谷さんの本のイメージだったからね。
そしてこのバカ女の強引さで、元ヤンキーがオーナーのレストランでバイトをすることなる。
ここがアットホームな雰囲気で和みの時間。 オーナーも良いしミズキも良い。
チューハイ好きのお父さんもいい味を出している。 トイレのみつをもね。
この和やかさで鬱とも脱却出来るのかと思いきや、ありゃりゃそっちなのとヤラレタ感じ。
本谷さんらしいと言えばそうなのかも。 想像を裏切るのが好きだからね。
痛い話のはずなのに、本谷さんの軽妙な言葉や単語の選択に笑えてしまった。
この言葉の選び方は才能なんでしょうね。 本谷さんは6つも年下ですが尊敬です。
そしてキーワドにもなった、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」の浮世絵の使い方に唸りました。
有名な奇跡を捉えたエピソードを、あんな風に使うなんてやっぱ本谷さんは上手い。
表紙の波がばしゃーんの画です。 お茶漬けを思い出す?
後日談も収録されてますが、感想は一言。
二人とも成長してないな〜。
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