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    2007

04.14

「蹴りたい背中」綿矢りさ

蹴りたい背中 蹴りたい背中
綿矢 りさ (2007/04/05)
河出書房新社

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高校一年生のハツは、クラスメートの軽いノリについていくことが出来ず馴染めない。ある日の授業中、同じくクラスに馴染まないにな川くんに声を掛けてみた。彼は女性雑誌を読んでいて、ハツはそこに載っているモデルを生で見たことがあったのだ。実は彼がオリチャンというモデルの熱烈なファンで、オリチャンの事を教えて欲しいと言う。ハツとにな川の、クラスで浮いた者同士の不思議な関係が始まる。


多数の中に埋もれることを嫌い、クラスに馴染もうとしないハツ。ハツと同じく一人でいるのに、何もそぶりも見せないにな川。似た者同士だが、理解出来ないにな川に対するハツの屈折した感情が面白いんだな。初めはオリチャンへのオタクぶりを不思議そうに見るハツが、捻じ曲がった感情を持つのだ。それが本のタイトル。熱心にオリチャンの事に没頭しているヤツの背中を蹴りたいという衝動だ。

そして好きという感情ではないが、にな川の姿を意識するハツ。親友が新しい友達を作り自分から離れていくのを、ぐじぐじと眺めるハツ。オリチャンに足が速そうだと褒められ、実は嬉しさをずっと持つハツ。そういうハツの若さの持つ危うさというか甘さが、愛しく思えたのだ。

人の感情の暗い部分が見事に描かれていると思う。それを重く読ませない文章も見事。多感な時期と言葉にすれば簡単だが、さらっと読ませる描写はさすが綿矢りさ。この本に関しては否定的な意見が多いが、自分の感性には合っていたようだ。しかしいきなり終わってしまったラストに、あれ?っと思ったことを付け加えておく。それ以降の展開を想像出来ない終わり方に、寂しさを感じたのは自分だけだろうか。

この本は文庫化したものを再読してみた。「夢を与える」を読んだ後なので思うことも多々。この本を描いたあとの綿矢さん自身の経験や描くという姿勢が、「夢を与える」になった。そういう綿矢さんの成長が、すごく自然に感じられた。再読もたまには良しなのだ。

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綿矢りさ
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comments

3月に図書館で予約していた「夢を与える」がやっと届いたので、この本を先に読みました。

う~ん…私には、そりが合わなかったようです。
しんちゃんが言ってるような暗い感情の描写とか、それをサラッと描いてしまう文章力は、私も凄いなぁとは思ったんですが。
やっぱり同じ女子としては、自分と違う人種だなぁと感じました(苦笑)。

でも、やっぱり何となく気になる作家さんです。
これから「夢を与える」を読みます。

chiro:2007/09/18(火) 09:54 | URL | [編集]

chiroさんは合わなかったのか。
自分はこういうダメな人物が好きみたい。
当時に堕落した生活をしてたから、妙に共感してしまうのだ(笑)

しんちゃん:2007/09/18(火) 15:54 | URL | [編集]

こんばんは。
再び遊びに来ました^^

「蹴りたい背中」は、私にとってとても大事な一冊です。
私は19歳のときにこの本を読んだのですが、かなりの衝撃を受けました。
きっと中学生や高校生の人が読むと、さらなる衝撃を受けるのではと思います。
理科の実験で、仲の良い友達でグループを組みたいとか、そういう心理が描かれていて、ドキッとしました。
私もそういうことを思ったことがありますし。

この本は何度も読みました。
私が読書好きになったきっかけがこの本なので、大切にしていきたいと思います☆

はまかぜ:2008/10/01(水) 00:28 | URL | [編集]

はまかぜさん、こんにちは。
自分は大人になってから二回読みました。
だから衝撃というよりも懐かしさを感じました。
ぶきっちょな部分やもやっとした感情がそんなのあったなあと。
読書好きになったきっかけの本って、ずっと心にありますよね。
そういう自分のきっかけ本はミステリでした。
うっひゃーという驚きに衝撃を^^;

しんちゃん:2008/10/01(水) 12:21 | URL | [編集]

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