「疾風ガール」誉田哲也
2007年04月26日 (木) | 編集 |
疾風ガール疾風ガール
(2005/09/29)
誉田 哲也

商品詳細を見る

ペルソナ・パラノイアというバンドで19歳の夏美はギタリストをしている。同じく人気を二分するバンドメンバーで、ボーカルをしていた薫が自殺した。納得のいかない夏美は、自分をスカウトしたいという芸能マネの祐司をお供に走りだす。

読む前はミステリだと思っていたが、全く違っていた。青春ロードムービーかな。前半部分はほとんどバンド一色。それも経験者をわくわくさせるほど細かい描写なのだ。演奏を離れたバンドメンバーの他愛のない会話や、貸しスタジオの風景がとても懐かしい。これだけで経験者はノスタルジーに浸れるのだ。

夏美の愛器は真っ赤なギブソン・レスポール・ジュニア。この楽器を選んだ作者のセンスがすばらしい。レスポールはロックの王道。それを女の子らしく真っ赤にして、小ぶりサイズのジュニアにしたあたりが小粋なんだな。ちょっとマニアックすぎた書きようかな。楽器の説明はこれぐらいにしておこう。 

夏美は容姿も美人でギターの演奏も超絶に上手く、大きなオーラを持つ存在。これらのことを念頭に置いて、実在の人物を探すが誰も見当たらず。プリプリやショーヤまで遡ったが無駄だった。古いか。性格は無鉄砲で、思ったことをぽんぽん飛ばすが実は怖がり。かなりな毒舌家でタメ語だが、可愛い口調もするので愛おしくなる。

一方の宮原祐司は元ベースマンで、芸能プロダクションで働くタレ目な男。夏美を見る目が結構エロすぎるが、男なら健全な証拠だろう。そんな祐司を夏美の勢いとはったりで引っ張り込み、自殺した薫の本当の姿を探すのだ。この凸凹コンビの会話がむちゃくちゃ面白いのだ。「くすり」と「ぷっ」の連続攻撃。中卒の夏美の天然ボケや、漢字の弱いところに萌えるんだな。

薫の自殺の謎や本当の薫を追いかけるのだが、謎自体はいたって普通。薫の死を、夏美がどう受け止めて成長をしていくかが本筋だからこれでOK。それにしてもバンドものは良い。 音楽は流れてこないが、頭の中でロックが弾けるのだ。この作品はぜひとも続編が読みたくなったんだな。もろ好みだったのだ。天辺っを目指す夏美とタレ目の宮原サンに、また逢える日を楽しみに待つぞーい!


余談。
オマィ、ダ〜リン、ダリン〜♪ ダ〜リン、ダリン〜♪ 
この歌の「中ノ森バンド」の「中ノ森文子」が表紙。いいねー。
この本の雰囲気にぴったりで、高感度UP!

コメント
この記事へのコメント
こんにちはー
誉田さんの本でこの本だけ読んだことあります(当然、ジャケ買いでした(笑))。
確かにミステリーとしては、今一歩でしたが、バンド小説としては良かったですね。二人の掛け合いがとても面白かったです。
2007/04/26(Thu) 16:09 | URL  | リベ #-[ 編集]
りべさんへ
ちーす。
はははっ(笑)。同じく表紙に惹かれ、バンドものだったので手に取りました。
読み始めてすぐにミステリというのを頭から外し、バンド&ロードムービーとして読みました。それが正解でした。バンドマンの自分にはドンピシャでした。


2007/04/26(Thu) 16:20 | URL  | しんちゃん #-[ 編集]
表紙もタイトルもまさにぴったりでしたね。
夏美の無鉄砲な一直線さがまぶしかったです。
2007/07/08(Sun) 20:06 | URL  | ふらっと #2OrBXSes[ 編集]
ふらっとさん、こんにちは。
すごくポップで読みやすくて面白かったよね。
またこんな作風の誉田さんが読みたいよー。
2007/07/09(Mon) 10:29 | URL  | しんちゃん #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
☆☆☆☆・ 疾風ガール誉田 哲也 (2005/09/29)新潮社 この商品の詳細を見るあたしが連れてってあげるよ、ビートと熱狂の果てまで―― あたし、夏美。19歳、んでギタリスト。愛器の真っ赤なギブソンで、大好きなメンバーと
2007/07/08(Sun) 20:03:55 |  +++ こんな一冊 +++