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    2007

04.26

「ファミリーレストラン」前川麻子

ファミリーレストランファミリーレストラン
(2004/04)
前川 麻子

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公子と母の和美の二人の視線で描かれた、血の繋がりがない家族のお話です。

「あたらしい・あたし」
お母さんとお父さんが離婚した7歳の公子は、決めないとならない事がある。お父さんの三枝さんと二人で暮らすか、お母さんと一緒に桃井さんと三人で暮らすかだ。大人の身勝手な行動に、何の躊躇いもなく従う公子は健気なのだ。不憫だが下向きな気持ちにならず、明るい公子がとても可愛い。

「空にはためく」
新しい学校に転向し、母の妊娠と死産を経験する公子。子供にはヘビーだ。最初は桃井さんと呼ぶ公子だが、モモちゃんを経てお父さんと呼ぶようになる。子供ながらもしっかりした考えを持つ公子がいじらしいのだ。 この時点で感情移入有り。

「望む力」
公子が中学生のころ、桃井の妹が死に息子の一郎が一人残された。一郎を引き取り、公子に血の繋がらないお兄さんが出きて新しい生活が始まる。公子のどこまでも前向きな姿がさわやかで、なんだか楽しくなるのだ。それに引きかえ、和美の家族に対するモノの考え方が居心地が悪く違和感を感じる。家族を本質的な部分で否定し、役割などと考えるからだ。すごくイラついたよ。そんな考えも桃井の一言で解消され、救ってくれたけどね。

「男の子・女の子」
高校生になった公子にも彼氏が出来、他人の集まりである家族も落ち着いた。一郎がかつて飼っていた犬のバズが出戻りで、新しく家族の仲間入り。ここでは大きな変化は無いが、日常の呑気さが楽しめ幸せな時間。和美の家族に対する考えも落ち着いたしね。


ここまでが序章と言ってもいいかもしれない。まるで児童書のようなお話なのだ。しかしこの先がどろどろとして行くのだよ。一言でいえば昼ドラの世界だな。これまで子供だった公子や一郎が大人になり、和美や桃井と同じ位置にくる。血の繋がらない他人が同居する家族という設定が生きてくるのだ。

章のタイトルだけでも載せとこう。 可愛いらしいタイトルだが中身は深く濃厚。「そういう時もある」「だれかの孤独」「たとえ、あなたが」「あたしらしい・あたし」本の帯に書いてあるからここに書くが、一郎のことを思う公子や和美の死までが描かれている。

届かない思いや、相手の思いの方向に気づく複雑な心情にぐっとくるのだ。切ない描写なのに本の世界にすっぽりと引き込まれ、ページを捲る手が止まらない。一番の読みどころなので詳しく書かないが、血の繋がりに対して公子が悟ったことが全てでしょ。ラストの和美の死の場面では、和美らしくてちょっぴり滑稽だが、鼻の奥にツンときたのだ。

「鞄屋の娘」「夏のしっぽ」と読んできたが、この本が一番好きだな。和美の性に対する薀蓄にふむふむと関心し、たくさんの名言にペンを持ちメモをする。1つ紹介しよう。 「人に好かれたかったら、自分が人を好きになりなさい。人は誰でも、自分を好きになってくれる人にしか好きになってくれない。」 ね、いいっしょ!

「ファミリーレストラン」というタイトルの意味もついでに書いとくか。中華もイタリアンも和食もあるけど決して満足出来ない。だけど落ち着く場所ということ。

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comments

読んだのが、だいぶ以前のうえに、当時はメモ程度の感想だったので、
細かいところが思い出せなかったのですが、
しんちゃんのレビューを読んで再び思い出すことができました。
いろいろ忘れてはいますが、和美の息苦しいまでの家族に対する思いがすごく印象に残っています。
そういえば、しんちゃんの抜き出したセリフありましたね。
うん、そのとおりと、うなづいてしまいました。

june:2007/04/26(木) 22:06 | URL | [編集]

juneさんの古い記憶を、少しでも思い出させたのなら嬉しいです。
この本は名言の宝庫で、どれを感想に入れるかすごく迷いました。
↑の言葉は良いですよねー。心に染みますね。

しんちゃん:2007/04/27(金) 09:18 | URL | [編集]

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ファミリーレストラン


ファミリーレストラン血のつながらない家族を家族にしていく意志。思えば血のつながりというのは恐ろしく強くて、ふりはらおうとしてもふりはらえるものではない。もう呪縛とも呼べるものだと思う。だとしたら、血のつながらない家族が家族であるためには、和美のように....

2007/04/26(木) 21:56 | 本のある生活

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