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    2007

05.01

「わくらば日記」朱川湊人

わくらば日記わくらば日記
(2005/12)
朱川 湊人

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昭和三〇年代。私は母さまと姉さまと、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは抜けるように色が白く病弱で美しい人でしたが、不思議な力があったのです。その力とは、人であれ、物であれ、それらが持つ記憶が見えるというものだったのです。歳を経たワッコこと和歌子が、過去の出来事を回想しながら語る昔語りの手法で綴る連作短編集。

ちょっと年代が開きすぎて、ノスタルジーには浸れなかったが昭和の息吹は感じられた。姉さまの見える力のことを、ワッコは幼い心で恋した秦野さんという警察官に話してしまう。そのことがきっかけで姉さまはいくつかの事件の解決に協力することなる。

一家5人が惨殺された事件、女子高生が殺された事件、家に出入りする茜ちゃんの過去、4週間で終わる姉さまの初恋、仕事付き合いのあるクラさんの逮捕。姉さまの力は事件を解決もしたが、事件の裏の部分も見てしまうのだった。そのたびに心優しい姉さまはショックを受け、傷ついたりもする。 
しかし姉さま自身は自らの受けた辛さや衝撃をけっして語りはしない。いつもと変わらず、美しく穏やかでまるで天使のような憧れの存在で居続ける。

そしてワッコの姉を思う憧れな心、あふれる好奇心が絶妙なバランスなのだ。厳しい母の居ない所でのはすっぱな言葉と、語りの部分での丁寧な言葉使いのギャップ。それに付け加え姉妹の心の綺麗さが関わる事件の悪意や憎しみなどの凄惨さを際立たせる。しかしこの語り口調のせいなのか、ひりひりするような出来事なのに穏やかに読めてしまう。

一言で言えば上手いで終わってしまうが、この時代に生きている感じがずしんと心に響くのだ。人と人とが寄り添って生きていた時代、人の温かさが満ちていた時代。そして豊かではないが生きている人たちが前向きだった昭和という時代が詰まった作品だろう。突然終わった感の残るラストだが、続編があるみたいなのですっごく楽しみに思う。

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朱川湊人
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comments

昭和30年代、過ごしたことのない時代だけれど、何だか懐かしいと思えてくる作品でしたね。
続編がありそうな・・・そんな印象の終わり方だったので、私も続編があることを期待しちゃいます。

エビノート:2007/05/01(火) 23:31 | URL | [編集]

「その話はまたいつかの機会に」のいつかの機会はいつなのか、
続編楽しみですよね。

june:2007/05/01(火) 23:59 | URL | [編集]

何かは忘れましたが、続編が連載されてましたよ。
いつかは本になるんでしょうね。

しんちゃん:2007/05/02(水) 08:35 | URL | [編集]

いつかを気長に待とうね。
それまでに朱川さんの本をいっぱい読むぞ!

しんちゃん:2007/05/02(水) 08:38 | URL | [編集]

TBありがとうございました。
昭和のよき時代がぎゅっと詰まったようなお話でした。
残酷な事件なのに、やさしさが感じられる印象でした。

花:2007/05/04(金) 22:21 | URL | [編集]

こんにちは。
ほんと、その通りでしたね。
昭和という時代の持つ温かさが感じられましたね。

しんちゃん:2007/05/05(土) 08:05 | URL | [編集]

こんにちは♪
TBさせていただきました。

この作品はとくかく姉さまの優しさに涙。。でした。
こんな姉さま欲しいかも(笑)

じゅりん:2007/10/27(土) 13:06 | URL | [編集]

じゅりんさん、こんにちは。
姉さまはすごく印象に残りますよね。
その分、関わる事件にムッときました。

しんちゃん:2007/10/27(土) 16:39 | URL | [編集]

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わくらば日記*朱川湊人


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