野々村結花は亡き姉の死の真相を探るため、姉と同じ学校に入学し同じ写真部に入部する。姉の涼子は、同級生の菅井清彦にバイク事故に見せかけて殺されたと考えたのだ。姉の死の謎を結花は追いかけるが、そこには姉のおぞましい姿が待っている。
音楽教師をしている羽田はある日の放課後に、隠れてピアノを弾く涼子の音楽に聞き惚れる。涼子は誰にも言わなかった心の内を羽田に吐露し、二人は禁断の関係になっていく。菅井は休み時間の教室内で、誤ってカッターナイフで自分の手を傷つけてしまう。同じクラスの涼子が適切な応急処置をしてくれる姿を見て、菅井は惚れてしまうのだ。現在の結花の目線と、過去を含めた羽田と菅井の目線で、ストーリーは展開していく。
読み始めは、現在・過去・3人の目線で描かれていたので混乱してしまった。おまけに野々村姉妹を、結花や涼子と呼ばずに野々村と登場人物たちが呼ぶのだ。とにかく場面が変わるたびに、誰の目線か把握するのがややこしい。
涼子は羽田と出会って、体を重ねあうことでお互いの心の隙間を埋めあう。そんな二人の姿を菅井が見てしまい、嫉妬から歪んだ方向へ暴走していく。しかも瞬という気違いの猿が一緒に目撃したことが、その後の悲劇を増していくのだ。
読了後の感想を先に書いてしまうが、どよ~んと、どん底な気分。うーん、重い。えげつなく重い。 勢いでだーーっと書けないぐらい落ちてます。とにかく超がつくぐらいヘビーでした。しかし不思議と読みやすかったんだよな。
何もかも自分一人で引き受けようとする涼子の姿は痛々しいが、おまえも悪いと言いたい。菅井と猿の鬼畜コンビの暴行する姿に反吐がでそう。特に猿の狂いざまは恐怖を感じた。涼子にはやさしい大人かもしれないが、羽田の行動は問題ありすぎて情状の余地なし。唯一の救いは、姉の本当の姿を知らない結花の猪突猛進ぶりぐらいかな。知らなくても良い事実に近づいていっても、あまりの無反応ぶりには首を傾げるけどね。
あまりにも気持ちが落ちすぎて、これ以上書くのが辛い。ラストに少しは救いがあったが、あんなもんじゃあ黒い霧は晴れないほど疲れた。く、苦しーーい!
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。
comments