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    2007

05.08

「通天閣」西加奈子

通天閣通天閣
(2006/11)
西 加奈子

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中年男はなぜかホモに好かれ、電池を抜いた時計に囲まれた暖房の無い部屋に住む。家庭を持つことをあきらめ、他人との接触を極力避けて深く関わり合う人も居ない。工場での単調な仕事をひたすらこなす、代わり映えのしない毎日を送っている

女は同棲していた恋人が留学したことで、夜の寂しさを紛らわすためスナックで働き始める。たまに連絡がくる恋人に、スナックで働いていると言えば気が惹けると期待しているのだ。しかも彼からの連絡はだんだん間隔が開いていくのに、無理にしがみつこうとする。2人共、心の中で悪態を吐くばかりのダメダメ人間。 そんな2人の日常を描いた作品です。


ただ毎日をこなすという生活をしている人物たちだが、嫌味がなくむしろ滑稽なのだ。男の方はめっちゃレベルの低いプライドに、これでもかというぐらいしがみ付いている。女は未練たらしく男のことを思い、ぐずぐずと過去ばかり振り返っている。そんな二人の独り言や心の中の毒舌に、わははっ、分かるなーと笑えてしまうのだ。この人間の負の感情に、妙に理解出来るというか、共感してしまう自分が居たのです。

そんな二人の周りには、自分の事しか考えないで生きてるような人物がたくさん居る。そんな代表が、女の勤め先のスナックのママを含めたホステスたち。それとオーナー。しゃべりが聞き取れないママに、下ネタ好きや空気を読まずにハンカチ遊びをする女。オーナーは金儲けのためなら、伝票にゲロを吐き酔いつぶれたフリをして金を巻き上げる。なんだか分からないが、すごく個性的なパワーを持った人たちが笑わせてくれるのだ。

それに本書にも、西さんの細かくてツボに嵌るセンスが、いたるところに散りばめられている。コンビニのざるソバは、持ち上げると全部四角くなってついてくる。に、ぷっと噴く。仕事を休むために、親兄弟一族郎党を足してもかんじょうが合わないほど殺す女。「おいおい、何人殺すねん」というやつが、身近には必ず居たよね。これはローカルっぽいですが、「ゆきやこんこ、あられやこんこ」と音楽を流す灯油販売のトラック。こういうの、むちゃくちゃ好きです。 ぷっ、ニマー、の連続攻撃に撃沈しました。

物語は進みラストの場面でも、何でこんな言葉を叫ぶねんと、おもわず突っ込んだ。けどその後は、なぜかじーんとくる。 ほんのちょっぴり明日が見えた感じでお話は終わります。やっぱ西加奈子さんは良い。 大阪弁なんでよけいに良い。 これは贔屓なんかな。すでに買っている「しずく」を読むのも楽しみだ。

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西加奈子
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-:2007/05/08(火) 23:21 | | [編集]

おー、お早いですね。
表紙が猫は知ってますが、猫好きにはたまらないんですね!
それは読むのが楽しみっす。

しんちゃん:2007/05/09(水) 09:28 | URL | [編集]

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