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    2007

05.13

「しずく」西加奈子

しずくしずく
(2007/04/20)
西 加奈子

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様々な女同士を描いた初の短編集です。長編も良いがこの短編集はすごく良かった。

「ランドセル」
小学校低学年を仲良く過ごした幼馴染の女の子たち。その後、疎遠になるが30歳を越えたある日、二人は偶然再会する。再開した二人はお酒を飲みに行き、勢いで一緒に旅行する約束をする。大人になり再会した幼馴染の女同士を描いた作品です。
女の子から女性になっても、共通した思い出が幼馴染の二人を強くする。二人の間にしか存在しない記憶が思い出される瞬間は、鳥肌がぶわっと出ました。幼馴染というのは良いものですね。

「灰皿」
連れ合いを亡くしたおばあさんが、思い出の詰まった持ち家を貸し出すことに。その家に入居してきたのは27歳の女性で、仕事は小説家だという。彼女は引越しの挨拶のあとも、頻繁におばあさんの住む家を訪ねる。年老いたおばあさんと若い女性の女同士を描いた作品です。
世代の違う感性に戸惑いながらも、若い女の話を聞くうちに好きだという感情は同じだと気づく。そして亡き夫への愛情をあらためて感じるおばあさんが素敵だ。女の小説のタイトルは、西さんのユーモアだと捉えよう。

「木蓮」
34歳の女性が恋人を失いたくないために、彼と元妻との娘を1日預かることになる。その娘を、かわいくない、ムカツク、と思いながらも告げ口を恐れて頑張って付き合う。30女と恋人の娘の女同士を描いた作品です。
子供の歓心を得ようと頑張る姿に失笑してしまう。しかも下の方にばかり興味が行く子供。あんな言葉を大声で連呼されると、自分もどつきたくなるだろうな。辛抱しきれずに本音を吐く瞬間は気持ちが良かったです。でも結果オーライじゃ無い可能性もあるでしょうね。

「影」
自分という人間を演じる女性が、社内恋愛でトラブルをおこし旅に出る。その女性は旅先の砂浜で、島中の人から嘘つきだと呼ばれる女性に出会う。演じる女性と嘘をつく女性の女同士の交流を描いた作品です。
自分と同じ価値観を持っていると信じていたのを、裏切られた痛さはすごく判る。なんでグーで殴らなかったのかな。それすら出来ないほどのショックだったという事か。嘘をつくのも自分を作るのもすべて自分だと気づくのです。ですが、それまでの彼女を想像するとちょっと怖い。

「しずく」
それぞれの飼い主の元で家猫として飼われていた2匹の雌猫たち。飼い主たちがどこかで出会い勝手に恋をして、猫たちは一緒に住むことになる。飼い主たちの都合に左右される、2匹の雌猫たちを描いた作品です。
猫から見た人間がすごく面白かったです。うちの猫もこんな感じで見てるのかな?でも実際はこんなに簡単に忘れてくれないけどね。怨みを残すから化け猫なんて言葉がある。しかも環境の違いにもっと敏感だと、猫好きだから引っかかるんだな。でもお話自体はとても面白かったですよ。

「シャワーキャップ」
几帳面で神経質な30歳の娘と、雑で自由奔放な母親が、2人だけの時間を過ごす。大人へと成長したことで感じる思いを描いた、母娘の女同士の作品です。
大雑把な母に呆れる反面、少女のような無邪気さに憧れる娘が身近に感じました。このお母さんがすごく可愛いかったです。でも自分の親なら疲れるだろうなー。そんなお母さんの意外な一面を知り、ずしんと母の重みに気づく場面にぐっときた。いつまでたっても自分は母の娘だと気づき、母の無償の愛を感じられて一緒に涙しました。

心がぶつかり合うことで、新たな気持ちに気づいたり、ちょっとした成長をする。それらがすーっと自然に感性に響き、とても心地良く感じられました。これからも、もっともっと短編を読みたいと思わせる作品集でした。


西加奈子さんのサイン。

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西加奈子
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comments

「しずく」では、猫のやり取りにクスクスと笑いながら読みました。
うちの猫もこんなことを考えてるのかなぁ~なんて、想像が膨らみます。
でも、猫ってそんなに忘れっぽくないと思うので、ラストはしんみりしちゃいました。
西さんの短編集、それぞれに味わい深い作品ばかりで
また読みたいですよね~

エビノート:2007/05/28(月) 20:05 | URL | [編集]

長編もいいけど、短編もいいよねー。
そろそろ賞を取って欲しい、なんて思ってます。
関西弁では難しいかな。。。

しんちゃん:2007/05/29(火) 09:18 | URL | [編集]

どれもこれもよかったですね。
一つ読み終わって、次はどんな物語なんだろう?ってワクワクしました。

なな:2007/06/05(火) 22:51 | URL | [編集]

普通の日常なのですが、ちょっぴり温かくてなれて良かったですね。
どれも前向きなとこが気持ちがいい作品だったっす。

しんちゃん:2007/06/06(水) 09:12 | URL | [編集]

こんばんは。しんちゃん。
想像以上にステキな作品ばかりが収められていて、とても温かな気持ちで読み終えることができました。

早く次作が読みたいです。

ゆう:2007/06/14(木) 21:41 | URL | [編集]

ゆうさんへ
こんにちはー。
粒揃いで読み応えがありましたね。
西加奈子さんへの期待度が益々上がりました。

しんちゃん:2007/06/15(金) 08:49 | URL | [編集]

『シャワーキャップ』が特に好きです。
やっぱり母と娘というか
親子物には弱いです。
そういえば、
小説のタイトルはかなりのインパクトでしたね。

す~さん:2007/06/20(水) 20:33 | URL | [編集]

す~さん、こんにちは。
親のありがたみに昔はまったく気づかなかったです。
でも歳を重ねるごとにこういう話に敏感になりますね。

しんちゃん:2007/06/21(木) 09:23 | URL | [編集]

「しずく」のにゃんこに関する考察、興味深く読みました。そうか、実際はそんな簡単に忘れてくれないんですね…確かにそうかも。でもとてもおもしろく読めました^^うちでは猫飼ってませんが、見かけるとつい「どんなこと考えてるんだろう?」とちょっと気になります。

まみみ:2007/07/26(木) 22:56 | URL | [編集]

まみみさん、考察なんて恥ずかしいです(汗)
でも猫は自分のにおいの中で生活をしてます。
だからにおいが変われば、もっと敏感になる。
そこが引っかかってしまいました。
作品自体は面白かったです!

しんちゃん:2007/07/27(金) 10:11 | URL | [編集]

年齢も関係も種までもさまざまな女同士の物語
いろんなテイストで堪能しました。
西さんの短編、いいですね♪

ふらっと:2007/08/31(金) 17:16 | URL | [編集]

ふらっとさん、こんばんは。
西さんは長編もいいけど短編もいいっすね。
今後も目が離せない作家さんで要チェックです♪

しんちゃん:2007/08/31(金) 18:14 | URL | [編集]

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『しずく』西加奈子


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