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    2007

05.16

「雷の季節の終わりに」恒川光太郎

雷の季節の終わりに雷の季節の終わりに
(2006/11)
恒川 光太郎

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地図にも載らず、現世から存在を隠されている”穏”という町で暮らす少年賢也。“穏”という街には、春夏秋冬の他にもう1つ雷の季節があった。彼にはかつて姉がいたが、ある年の雷の季節に姉は行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は”風わいわい”に取り憑かれてしまったのだ。賢也は”風わいわい”の存在を隠して穂高や遼雲らの友と少年時代を過ごす。しかし知り合いが殺された犯人を偶然知ってしまい、穏に居られなくなり外の世界に出る。

ファンタジー系は苦手で、世界設定の説明だけで普段はウンザリしてしまいます。しかし本書にはそいった嫌悪感は全く無く、物語の世界にすんなり入って行けました。これは前作の「夜市」でもそうでした。隣にありそうな異世界が見事に出来上がっている。“穏”という異界の情景がありありと目に浮かぶのです。恒川さんってすごい描写力ですね。

そして少々だらけてきたなという感覚のときに、突如“穏”から現世に場面が変わる。“穏”の外の世界では、理不尽な継母に苦しむ茜という少女が第二の主人公として現れる。茜は友達が感覚に感じた、眼に見えない空に棲む”風霊鳥”の存在に憧れる。茜は訳の解らない母の想像以上の殺意に恐怖を感じ、家を出ることにする。そんな茜は家出した日、見知らぬ男に知らない土地に連れて行かれる。

ここからは怒涛の展開が待っている。2つの物語が見事に交差していくのだ。あとはあれとこれが繋がって、あの部分が複線でと物語りは終焉に近づいていく。恒川さんは異界を創るのも上手いが、長編の構成力もすごく上手いです。

異質な世界ですが、結局、鬼となるのは人である。人より怖いものは無いということかな。最後の終わり方は淡白すぎるきらいがあり、少々物足りなさを感じました。対決にしろ、別れにしろ、もう少し丁寧に描いて欲しかったです。でもこの完成された世界観を楽しめたので、良しとしときますか。

これは映画化するなら実写よりもジブリで見たい作品ですね。読みながら「天空のラピュタ」を思い出していました。

恒川さんの実力は本物でしたね。そして益々、次回作にも期待が膨らみました。次も異界ですかね? このまま異界作家で居続けるのかも楽しみです。

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恒川光太郎
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comments

どこかにありそうな穏の世界が魅力的でしたね。
惹き込まれて読んでしまいました。
次回作が本当に楽しみです!!

エビノート:2007/05/16(水) 20:26 | URL | [編集]

恒川さんの造る異世界はすごいですね。
なんにも違和感を感じませんでした。
次に出る本も要チェックですね。

しんちゃん:2007/05/17(木) 09:06 | URL | [編集]

おはようございます。
あまりに期待して読んだからか、私もラストが物足りませんでした。

しかし、この作家さんは凄いと思います!
これからも読み続けます!!

ゆう:2007/05/17(木) 10:14 | URL | [編集]

こんにちはー。
ラストの駆け込みぐあいと別れは、頂けませんでしたね。
なんかすっごい勿体無いなー、と思いました。

それ以外は良かったです。おしいー。

しんちゃん:2007/05/17(木) 14:31 | URL | [編集]

>隣にありそうな異世界が見事に出来上がっている。
まさに隣にあって接しているという設定だから、馴染みやすいのではないでしょうか。別世界を構築しているのではなく、何らかの「境」を経てこの世界と接している世界、この世界と行き来できる世界だから、よいのだと思います。コミックの『百鬼夜行抄』が人気があるのも、同じような設定がウケているのではないか、と感じます。

ディック:2007/05/17(木) 20:32 | URL | [編集]

恒川さんはまだ2作ですが読むほど期待が募ります
一つの世界がすでに出来上がっているので
それをさらに深めてほしいとも思うし
よい意味での裏切りも見せてほしいとも思うのです

たまねぎ:2007/05/18(金) 01:59 | URL | [編集]

そっかー!そう言われると納得しますね。
「夜市」もそういう設定だから、すんなり読めたのですね。

しんちゃん:2007/05/18(金) 16:20 | URL | [編集]

次はどんな作風だろう?どちらにしても次が楽しみですね。
お互いにわくわくしながら待とうね。

しんちゃん:2007/05/18(金) 16:24 | URL | [編集]

しんちゃん☆こんにちは
恒川さんの世界って、すぅ~と入り込めてしまうところが良いですねぇ。
ジブリで観てみたいというしんちゃんの意見に賛成!です。(#^.^#)

Roko:2007/05/19(土) 12:06 | URL | [編集]

おっ、賛同してくれますか!
やっぱ懐かしさのある異世界はジブリっすよねー。
静かな時間の流れもぴったりですよね。

しんちゃん:2007/05/19(土) 16:06 | URL | [編集]

TBうまくとんでたんですね!コメントしてなくてすみません。(汗)
ラストに早田とかトバムネキとか出てくるなら、もっと早くその話も堪能したかったですね。あれもこれも入れすぎちゃったんですかね??
是非、この二人の物語、別で発表してほしいです。それに茜の友だち(鳥を感じてた)、あの子も中途半端な登場でしたね。てっきり友だちの方がなにか特別な存在になるのかと思ってました。

じゃじゃまま:2008/01/17(木) 11:50 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
かなりぎゅうぎゅうに詰まってましたね。
それゆえにラストの豪腕ぶりが目に余りました。

そういえば、茜の友だちも中途半端でした。
見た友達じゃなく、見てない茜が家をでてますね。

しんちゃん:2008/01/17(木) 19:16 | URL | [編集]

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