2007年05月20日 (日) | 編集 |
![]() | 月光スイッチ (2007/03) 橋本 紡 商品詳細を見る |
香織には抱きしめあっているだけで幸せを感じる大好きな人がいる。
大好きなセイちゃんには奥さんがいるが、出産を控えて実家に帰ることになる。
奥さんの留守の間に、二人で一緒に住まないか?というセイちゃんからの誘い。
香織とセイちゃんは、一ヶ月半という期間だけの新婚生活(仮)を始めることに。
どうしようも無いおバカな二人ですが、なぜか憎めないのですよねー。
香織が持つ、女の子ちっくな雰囲気と、自分に対する冷静な目線が対照的で面白い。
相手のセイちゃんは、子供が産まれるというのに、愛人を家に引っ張り込むダメ男。
しかも奥さんからの電話を、自宅ですべてキャッチするという愚か者です。
これは橋本さんの得意な、日常の中の非日常を描いた作品ですが、少し風変わりですね。
そんな二人が仮の住まいをするのが、セイちゃんがオーナーの山崎第7ビルの最上階。
そこには香織同様に、なにかが欠けた人たちが住んでいます。集まったと言う方が正しいか。
未婚の母で、ハナちゃんと犬のサハと暮らす吉田さんを代表に、個性派が揃っています。
他には猫を15匹も飼っているおばさんや、たった一人で住む女子高生など。
夜のコンビニで弥生と睦月の気持ちの良い姉弟と出会い、香織は自分の不安を認識する。
二人の姉弟は憎まれ口を叩きあいながらも、相手の事を思って本音で話あっています。
しかし香織は自分がセイちゃんに対して、けっして本音のやり取りが出来ないことを思う。
愛人の立場では、好きという気持ちだけでは理屈では割り切れないことが多々ある。
それに気づいているのに、どうしようも無い苛立ちを、月光の中でスイッチを押されます。
その事に気づいた瞬間から、部屋の中に溢れた奥さんの気配に押し潰されそうになる。
すべてを分かった上でセイちゃんとの関係を結んだのに、今更自己嫌悪に落ちます。
そこにハナちゃんと偶然出会い、自分の苛立ちをハナちゃんの思いに被せてしまう。
あとは一気にラストへ向かうのみです。ここから先は読んで確かめて下さい。
損得を抜いて心に感じたことをそのまま行動し、そのあとにやっと気づく人間の愚かさ。
それらを描く、人間の細やかな気持ちの動きが絶妙でした。 橋本さんは良いなー。
ダメダメ人間たちですが、愛おしく感じました。弥生と睦月の姉弟はもっと良かったけど。
ERIさんのブログおいしい本箱Diary も、ぜひどうぞ。
この記事へのコメント
Comment
そうそう。おバカな二人なんだけど、憎めない。
黒と白の狭間の、ぼんやりした気配が、うまく書いてあったと思います。
こういうところを書くのが、橋本さんは、うまいですよね。
例のごとくTB反映されてないですよね?がっくり・・。
そうそう。おバカな二人なんだけど、憎めない。
黒と白の狭間の、ぼんやりした気配が、うまく書いてあったと思います。
こういうところを書くのが、橋本さんは、うまいですよね。
例のごとくTB反映されてないですよね?がっくり・・。
二人の関係が、どろどろしてなくて、ぼやけた感じが絶妙ですね。
普通なら反感を持つのに、橋本さんはすごい。
こちらもリンクを貼りました。
普通なら反感を持つのに、橋本さんはすごい。
こちらもリンクを貼りました。
2007/05/21(Mon) 09:00 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
Comment
こういうテーマをぼんやり書くのって、かえって難しいですよね。
「月光」というのが、いい。暗くならないとわからない、っていうほどの、ゆらめくような気持ち・・。
こちらも、リンクありがとう♪
こういうテーマをぼんやり書くのって、かえって難しいですよね。
「月光」というのが、いい。暗くならないとわからない、っていうほどの、ゆらめくような気持ち・・。
こちらも、リンクありがとう♪
ぼやっと読んでると、タイトルの意味が分からないところでした。
初読の時にはまったく気づかなかったもん。
思い出しながらページをぱらぱらと見て、やっと理解出来た。
危なかったー(汗)。
初読の時にはまったく気づかなかったもん。
思い出しながらページをぱらぱらと見て、やっと理解出来た。
危なかったー(汗)。
2007/05/22(Tue) 09:45 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
ダメダメ人間なのに、憎めないんですよね。
愚かだってわかってても、どうにもならないっていうのわかりますから・・。
愚かだってわかってても、どうにもならないっていうのわかりますから・・。
juneさん、こんにちは。
ですよねー。わかっていながらなっちゃうんですよ。
まあそこが人間っぽいとも言えるんだけど…。
橋本さんらしい雰囲気が救いでしたね。
ですよねー。わかっていながらなっちゃうんですよ。
まあそこが人間っぽいとも言えるんだけど…。
橋本さんらしい雰囲気が救いでしたね。
2007/06/18(Mon) 10:13 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
こんばんは。
細やかな気持ち、優しく描かれていましたね。
橋本さんの視線のあたたかさを感じました。
「キサトア」TBが反映されてなかったので、
こちらから送らせていただきました。
細やかな気持ち、優しく描かれていましたね。
橋本さんの視線のあたたかさを感じました。
「キサトア」TBが反映されてなかったので、
こちらから送らせていただきました。
藍色さん、こんにちは。
反映してましたよ。後ほどチャレンジしてくれたのかな??
橋本さんはいいよねー。温かい雰囲気が気持ちいいっすね。
反映してましたよ。後ほどチャレンジしてくれたのかな??
橋本さんはいいよねー。温かい雰囲気が気持ちいいっすね。
2007/07/08(Sun) 16:10 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
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月光スイッチ 橋本紡/角川書店例えば月の明かりを灯すように、世界を少しだけ変えるスイッチがあるセイちゃんの奥さんが子供を産むために実家に帰っている一ヶ月半、新婚生活(仮)が始まる。待ち望んでいた、二人だけの穏やかな日々、なのに。例えば月を灯すような、何かを
2007/05/24(Thu) 21:33:03 | ひなたでゆるり
月光スイッチ■やぎっちょ書評この本はリサさんが記事をUPしているのを見て「うおおお。橋本さん新刊出てるぅ」と気がつき、慌てて購入したものでした。橋本さんの空気感がばっちりくりくり出ていましたよ。のっけから不倫で、まぁ気持ちはわからなくもないんだけど....
2007/06/03(Sun) 00:22:00 | "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
月光スイッチ人間だからいつも正しいことができるわけじゃない。愚かだってわかっていても自分でどうにもならないことがある。特に恋をしているときは。恋は盲目という、平たく言えば不倫の話です。でも、これ、一見どろどろした不倫の話ですが、新しい人との出会いが重....
2007/06/17(Sun) 20:37:59 | 本のある生活
カバー写真は百瀬裕子。ブックデザインは鈴木成一デザイン室。初出野性時代2006年10月号。主人公で語り手のわたし、香織は三十歳前で小遣いを貰う愛人。本当に愛しているセイちゃん(山崎誠太郎)が帰ってしまう寂しさ
2007/07/03(Tue) 04:24:35 | 粋な提案
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