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    2007

05.20

「水上のパッサカリア」海野碧

水上のパッサカリア水上のパッサカリア
(2007/03/20)
海野 碧

商品詳細を見る

過去を隠した大道寺勉は、Q県穂刈高原の翡翠湖の湖畔の家に菜津と暮らしていた。半年前、暴走族の無理な追い越しによる交通事故に巻き込まれ、菜津が死んでしまった。菜津が育てた飼い犬と静かな暮らしを続けていた大道寺だが、最近妙な視線を感じだす。ある日、帰宅してみると、昔の始末屋をしていた時の仲間が待っていた。

大道寺が菜津との出会いや彼女と過ごした日々を思い出す所から物語が始まる。それはたった3年間ですが、二人と一匹の犬にとってはとても濃いものです。この時点では、大道寺には何か過去があるらしいと隠されたまま、物語は進んでいく。それらがすごく文学的で、その情景が目に浮かぶような描写で読者を読ませます。審査員が絶賛していたのも納得出来ますね。とにかく凄い力を感じました。ただ、菜津の自己卑下や、大道寺への盲従ぶりには、少し居心地が悪かったです。

そのあとに、かつての始末屋時代の仲間が現れ、物語は場面展開をしていきます。始末屋の内容については、あえて触れずにおいておきます。 読めば分かるからね。ここからはハードボイルド色が強くなりますが、想像するハードボイルドとは違います。興奮するようなアクションは無く、静かな雰囲気で淡々とした描写なのです。しかし、優れた文章力でぐいぐい読ませるのです。この文章力には惚れました。

湖畔での生活や菜津と犬についての回想などが、実に丁寧に描かれていました。ミステリー文学賞新人賞ですが、大人の男と女の物語ともいえる作品だとも思いました。

登場する犬のケイトちゃんの描写が可愛らしく、海野さんは犬が好きなんだろうな。犬好きだと思える表現が随所に垣間見れました。うちは現在は猫たちだけですが、犬とも生活をしていた経験があるだから犬好きな部分を、こちょこちょやられました。

極め細やかな筆致で描かれた重厚な物語と、可愛い犬が楽しめて大満足です。大好きな高橋克彦さんのお薦めは正解。今後も楽しみな作家に出会えました。

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comments

 何度かTBしてますが、初コメントです。

 ひと月ほど前に巡回ブログの一つでこの本の書評を見つけましたが、その時は知らない作家だったのであまりまじめに読まず。三日ほど前に別のブログの記事を読むと、新人ながら期待できそうな感じ。

 で、ここで三人目、となれば読まずばなるまい!ということで早速図書館に予約したのですが…68番目。半年先かなぁ…。(^^;

 話は変わりますが、私も高橋克彦好きです。『竜の柩』も大好きです(一番好きなのは『火怨』ですが)。

higeru:2007/05/20(日) 17:47 | URL | [編集]

高橋さんとは作風が違いますが、ずしりと重みがあって読み応えがありました。
68番目ですか、随分先になりそうですね。。。 でもお薦め出来る本ですよ。

おー、「火怨」も好きですよ!蝦夷の魂が熱くて興奮しますよねー。
総門谷の将門編が中々出ないですね。ずーっと待ってるのに。

しんちゃん:2007/05/20(日) 18:09 | URL | [編集]

むむむむ。
この本、ずっと迷っていたのです。最初これと確か「ドラマデイズ」(だったかな?)のどちらか買うか迷い、結局後者を買いました。この本について私も気になっていましたので他の方のブログで(この本の記事を)よく見ていました。
しんちゃんは良かったでしたか。
むむむむ…

リベ:2007/05/20(日) 23:18 | URL | [編集]

ははっ(笑)。買う?待って借りる?さあ、どうする?

しんちゃん:2007/05/21(月) 09:02 | URL | [編集]

TBさせていただきました。
文章力のある作家さんのようですね。情景が手に取るようにわかりました。
犬のケイト、愛嬌があって憎めないですね。

花:2007/06/15(金) 20:32 | URL | [編集]

花さんへ
文章力も表現力も凄かったですね。
それに独特な雰囲気もとても良かったな。
ちょっと新人とは思えない作家さんですね。

しんちゃん:2007/06/16(土) 08:51 | URL | [編集]

ハードボイルドは基本的に苦手なのだけれど
こんな静かなハードボイルドもあるんだなぁ・・と
再認識させられました。
勉と菜津とケイトの暮らしが本当に丁寧に描かれていて
いつもそこはかとなく漂う不安とあいまって
物語に深みを出していました。

ふらっと:2007/07/07(土) 17:11 | URL | [編集]

ふらっとさん、こんにちは。
ほんと静かで淡々とした描写でしたね。
なのに深みがあって情景が目に浮かぶようでした。
すごい作家さんが現れましたよね。

しんちゃん:2007/07/08(日) 15:56 | URL | [編集]

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「水上のパッサカリア」海野碧


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