2007年06月05日 (火) | 編集 |
![]() | 講談社・文学の扉 ぼくってヒーロー? (2007/02/14) 立石 彰 商品詳細を見る |
講談社児童文学新人賞「勇太と死神」の立石彰さんの第2作です。
真一は弱虫でいくじなしで泣き虫で、ヒーローやガンダムに憧れる小学五年生。いつもぐじぐじしている真一の前に、へんてこな格好をしたおっさんが現れる。おっさんは未来のヒーロー科学研究所というところから来たと言う。そして、適当に真一をスーパー・キッズ・ヒーローの日本代表に選んでしまう。真一は渡された変身ベルトを着け、言われるままに変身するとおっさんと同じ格好だ。はたして真一は、ヒーローとして立派に活躍することができるのか?
変身すると腕力・脚力などのすべての能力が一万倍になり空だって飛べる。しかし、自分のために使ってはいけない。正義のためだけに使えるのだ。だけど、変身衣装がダサイというおまけ付き。
真一にいつも暴力をふるう同級生が、火事にまきこまれてこのままでは死にそうになる。真一をいつも便利に使う同級生が、強盗に人質にとられて車で連れ去られてしまう。そんな事件に真一は変身ベルトで変身し、能力は上がるが心は弱虫のまま。なんとか解決しても、自分がヒーローになった気分がまったくしないのだ。
真一は気になる転校生がいじめられるのを見ても、足がすくんで傍観してしまう。そんな姿を、その女の子に見られて、さいてー、と言われてしまう始末。真一の弱虫でおくびょうな心がある事件によって大きく変化します。そこが一番の読みどころでしょう。ラストはとってもさわやかでした。軽い文章で面白く読めました。やっぱ児童書はいいですね。心が晴れる。
でも気になる部分が一箇所だけありました。たぶん立石さんの計算だと思う。これはすべて、ママが言う言葉です、「宿題やったの?」「パパみたいになっちゃうよ」「パパはぜんぜんえらくなっていないでしょ」「パパに似ないでね」。日常的にママさんが使いそうな言葉の連続です。これって一番言ってはいけない言葉だと自分は思っている。ママのなに気ない一言で、パパのいないところで、パパの地位がどんどん下がっていく。そして子供はそうなのか、とパパを見下げていくものなのだ。
ドキっとしたママさんはたぶんいるだろう。うちの母も言っていました。だから、自分も将来に言われたら嫌だなー、と恐れを持っています。たぶんママも悪気はないと思うけど。いや、ほんとは悪気があるのかな。なんだかストーリーと関係のないところで、敏感に反応してしまいました。
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