--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

06.23

「カラスのジョンソン」明川哲也

カラスのジョンソンカラスのジョンソン
(2007/02/07)
明川 哲也

商品詳細を見る

ジョンソンが初めての記憶を持つところから物語は始まる。すごく詩的です。自分の隣に居る同じ姿の物体を意識する。兄弟。大きな影がごはんを運ぶ。親。未熟な兄弟が動かない物体になる。死。そして遠くで唸る物体。人間。そんなジョンソンに母よりも大きな影が襲ってくる。弱肉強食。

里津子は勤める会社の敷地内で、傷ついたカラスの幼鳥が倒れているのを発見する。そのカラスの子供を拾った里津子は、小学五年生の陽一が待つ市営住宅へ連れ帰る。動物禁止の住居で内緒で飼うが、ある日に見つかり何とかベランダから逃す。カラスのジョンソンと陽一少年の2つの視点で描かれた物語です。

陽一に起こる出来事も面白く読めましたが、カラスに起こる出来事が印象に残った。だからジョンソン中心で感想を書いていきたいと思います。カラスの生態がすごく詳しく描かれています。生きるためにごはんを探す。繁殖期には卵を産みヒナを孵らせる。すべて動物には当たり前な自然な行いです。

一方で街のゴミを散らかす害鳥と人間に決められ、世間でも話題になっている。実際に動物の死骸にたかるカラスを見たことがある。人を襲うカラスも見た。人に飼われて言葉を話すカラスを見たこともある。

物語では、ジョンソンに野生のカラスの仲間が出き、やがてつがいになる。その結果三羽のヒナが誕生し、ごはんを運ぶうちに親の感情が芽生えていく。感情移入していると突然人間側の視点になり、カラスは害鳥の姿に戻る。そして駆除の場面になり、なんとも言えないえげつないシーンが淡々と描かれている。

わが子やつがいが殺されるカラスの目線。人間に育てられ守られたジョンソンの記憶。人間側には害を及ばすカラスの存在。どちらが正しいと断言出来ないもどかしさだ。

カラスは食べるものが豊富にあるから集まってくる。当然だ。そこには天敵が居ない。だから繁殖力が増えるのも当然。その食料をゴミとして出すのは人間の日々の行い。すべての現況は人間から始まっているが、それを無視して害鳥だと決めつける。

走る車を利用してクルミの殻を割っていたカラス。あの微笑ましい映像が懐かしい。いつからこんな嫌な世界になったのだろう?純粋にカラスと少年の物語を楽しめれば、泣ける要素があったと思います。しかし人間とカラスの現在の関係をたくさん考えてしまい、泣けませんでした。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

その他の作家
トラックバック(1)  コメント(2) 

Next |  Back

comments

むむむ。感情移入できなかったのかぁ。残念。
日頃カラスに対しいい感情を持ち合わせていないと読むのは辛いかもしれませんね。

今まで特に害鳥としか思えなかったカラスを自分はこの本を読んで、考えることが多くなってきました。
最後のジョンソンの叫びを読んだとき、落ち着くまでその先をすぐ読めないぐらい感情が高ぶってしまいました。

リベ:2007/06/23(土) 19:29 | URL | [編集]

りべさん、だって実際のカラスが怖いんだもん。
ヤツらとは目を合わすことも出来ないほど怖い。
ゴキと同じぐらいちょー嫌いっす。だからねぇ。。。

しんちゃん:2007/06/24(日) 16:30 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

『カラスのジョンソン』明川哲也


カラスのジョンソン明川 哲也 2007/2/6発行 講談社 P.222★★★★★ 団地の屋上。家々の屋根。街の灯り。 初めての本当の空だった。風に乗る。逆らう。巻かれる。……人間は自分を守ろうとした。人間は食べるものを与えてくれた。人間は自分を捕まえようと

2007/06/24(日) 23:13 | ほんだらけ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。