2007
![]() | アルゼンチンババア (2002/12) よしもと ばなな奈良 美智 商品詳細を見る |
「TUGUMI」でつまずいき、疎遠だったばななさんに、再び挑戦してみました。良かったです。空気感というか雰囲気というか、そこに漂っているものが気持ち良かった。本の作りも凝っていて面白かったです。ページ右が日本語、ページ左が英語、という構成。もちろん読んだのは右側だけですが、英語を勉強するには便利な本だと思いました。中高生のときに出会いたかったな。わりと英語は好きだったから。ほんとマジで。装画も可愛くてキュンとくるものでした。ただ赤いページだけは読みにくかったです。
母を亡くした女性の目線で描かれています。突然の死に動揺してしまい父が失踪する。その父を友達が目撃したのは、廃墟同然のアルゼンチンババアの住むビルだった。勇気を出してアルゼンチンババアを訪問すると、そこで父はババアと同棲をしていた。ババアの本当の名前はユリさん。昔はアルゼンチンタンゴとスペイン語を教えていた。魔女のようなわし鼻に、においつきなボロボロの衣装をまとい、家庭菜園で自給自足。とまあ、不思議系なババアと父がまったりと生活を共にしているというお話です。
ババアは何もしない。ただ一緒にいるだけで、優しさや温かさを与えるという存在。タイトルはアルゼンチンババアですが、主人公は傷心を負った父なのかも知れません。墓石造りの仕事を辞め、彫刻を造り始めて何かを残そうとしようとする前向きな姿。アルゼンチンババアの死を乗り越えて、新たな命と共に生きていこうとする父の意思。母を失った女性も同時にババアに癒されていくが、あくまで彼女は第三者の目線。
じわっとした温かさが心地良く、心にしんみりと浸みてくる。そして読者も癒してくれる。ちょっと苦手意識が薄れて、ばななさんを見る目が変わりました。挿画がたくさんありましたが、どうせなら父が造った曼荼羅が見てみたかったです。それは要求しすぎでしょうか。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。





comments