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    2007

07.28

「イトウの恋」中島京子

イトウの恋イトウの恋
(2005/03)
中島 京子

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中学教師の久保耕平が祖父の遺品の中から見つけたのは、伊藤亀吉らしき手記だった。イトウは明治期に日本を訪れた著名な女流探険家I・Bの通訳をし、一緒に旅をしたという。手記には北日本を旅した内容やI・Bへの淡い思いが綴られているが、途中で欠落していた。耕平は顧問を務める郷土部のただ一人の部員・赤堀と共に、欠落した手記を追い求める。

女性劇画家のシゲルは、先祖のことで話を聞きたいという見知らぬ男性から手紙を受ける。相談した親友の七恵に「出会いのチャンス」とそそのかされ、シゲルは耕平と会うことに。手記によって現代の子孫たちが過去に実在した伊藤の淡い恋を追いかけるという作品。


新発見に興奮して熱くなる耕平と会話が空回りをするシゲルだが、やがて打ち解けることになる。そんな二人の間で、シゲルのファンだった赤堀はシゲルに会えることに大興奮をする。この凸凹トリオがなんともいい味を出している。それにその後を想像する楽しみもある。髪の薄さが気になる耕平と、元モデルで奇天烈なシゲルの二人は、この後どうなるのか。

手記の世界に生きるイトウとI・Bは、現代の彼らとは違った世界観で毎日を過ごしている。そこには西洋人による日本人への差別や偏見、日本人を奴隷のように扱う西洋人がいる。そんな中、I・Bはイトウと対等に近い関係で接していく。そしてイトウは彼女に惹かれる。

年齢が一回りも年上女性への若者のひたむきな愛。歳を重ねたがゆえに現実を知る女性。突然心変わりをしたようなI・Bの行動には、おまえもかとは思うがあんな裏があったとは。お互いに思いがあるのに報われない大きな愛が、すごく深くて切なくて心が痺れました。

冒頭での謎の女性と少女のやり取りも、ラストにはすっきりします。中島さん上手いです。

実在の人物がモデルになっているので、本当はどうだったのだろうという想像が膨らんで行く。歴史の謎が持つ、「もし」「かも」という魅力にやられちゃいました。読後の余韻も爽やか。中島京子さんの作った虚構と現実の交錯する世界にどっぷりと浸ることが出来ました。すごく心地良かったです。勝手に顔が自然と微笑んできました。にんまりと。

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中島京子
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comments

>虚構と現実の交錯する世界に、どっぷりと浸ることが出来ました。
私のレビューは温度低めでしたが、本当にそうおもいました。
過去の物語と現在の物語、バランスも良かったですね。
中島京子さんも気になる作家さんなんですけど
なかなか他の本が読めなくて…

なな:2007/07/29(日) 08:00 | URL | [編集]

ななさん、おはようございます。
中島京子さんの世界に嵌ってしまいました。
この作品も良かったですが、「桐畑家の縁談」が良かった。
なので過去に遡って、読み漁ってます。

しんちゃん:2007/07/29(日) 08:44 | URL | [編集]

こんばんは。しんちゃん。
この作品、前から気になってたんですが、なかなか手付かずでした。
やっと、やーーーっと読みました・・・

面白かったけど、難解でした・・・・・

>突然心変わりをしたようなI・Bの行動には、おまえもかとは思うがあんな裏があったとは。

この部分、私は、本から読み取れませんでした(涙)

ゆう:2008/02/29(金) 23:29 | URL | [編集]

ゆうさん、こんにちは。
現在と過去が交差するので少し温度差があって難解でしたね。
突然つき放したI・Bに、日本人をバカにしたのかと思ったの。
本当の気持ちがよめていなかっただけです(汗)

しんちゃん:2008/03/01(土) 12:07 | URL | [編集]

こんにちは。
TB&コメント、ありがとうございます。

「中島京子さんの作った虚構と現実の交錯する世界」がおもしろかったですね。
イトウとI.B、耕平とシゲルと赤堀、落差のあるやり取りが楽しかったです。
最近中島さんは家族系の話が多いので、この作品はちょっと珍しい感じです。

mint:2008/03/25(火) 11:35 | URL | [編集]

mintさん、こんにちは。
中島さんにしては、ちょいと異質な作品でしたよね。
現代と過去の温度差が面白かったと記憶しています。

しんちゃん:2008/03/25(火) 11:56 | URL | [編集]

中盤まで全然興味が湧かなくてどうしようかと思ってしまいました。(爆)
でも気付くと、イトウの手記に、早く早く続き!!って気持ちがはやってしまって、中盤からは一気でした。

シゲルのお母さんは、悪い人みたいに親戚に言われていたけど、イギリスでは普通のよきお母さんだったのかな、とそんなことを想像してしまいました。

じゃじゃまま:2009/11/29(日) 00:08 | URL | [編集]

じゃじゃままさん

覚えている範囲で、コメントを返しました。
それで勘弁して^^;

眠い!

しんちゃん:2009/11/29(日) 23:09 | URL | [編集]

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