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    2007

07.30

「水の繭」大島真寿美

水の繭 (角川文庫)水の繭 (角川文庫)
(2005/12)
大島 真寿美

商品詳細を見る

随分前に図書館で借りて読んでいましたが、文庫化されたので久しぶりに読み直しました。見事に記憶がなく、初読のように楽しむことが出来ました。忘却するって便利かも。


両親が離婚し、母親が双子の兄を連れて家を出たあと、とうこは父と二人で暮していた。父と二人で当たり前のように暮していたのだが、とうこが二十歳のとき父が死んでしまう。父が死んだことで、心にぽっかりと穴が開いてしまい、抜け殻のような生活を送るとうこ。そこへ死んだと思い込んでいた二つ年下の瑠璃が転がりこんできて、二人の同居が始まる。

この瑠璃が、子供の頃から祖母に家事全般を叩き込まれ、働きまくる元気印な女の子だ。彼女のモットーが、「楽しいことは、自分でさがす。楽しいところへ自力で移動する」両親と気が合わずに家出を繰り返した、彼女のパワーというか行動力がとても心地よい。

そんな二人が子供の頃に隠れ家にしていた廃屋へ行ってみると、そこには新たな住人が。月見遊子と葉紫茂が営む?というかいつまでも営まれない、カフェになっていたのだ。遊子さんには他の誰にも見えない二十歳の息子がいて、不思議な関係で寄り添っている。

中盤からは、瑠璃がきっかけになり、とうこが忘れようとしていた双子の兄と再開をする。この兄の陸もまた、離婚後に情緒不安定になった母との、いびつな暮らしをしていた。陸がとっていた行動はどう捉えたらいいのだろう。簡単にわかるとは言えない痛さがある。だが、とうこ・陸の双子は長い間別の生活をしていたが、すぐに一体感を取り戻していく。これが普通の兄妹とは違う、双子だけが持つ繋がりとでもいうのだろうか。

双子の兄妹が再会してからは、ストーリーの展開は連鎖が連鎖を呼びラストへ一直線。失われた空間は中々簡単には埋まらない。だけど、いい兆しぐらいは見せてあげよう。全てが上手くいくわけでは無いが、何とかなるんじゃないの、という希望が残される。これからも大丈夫だろうけど少し気になる、という余韻の残し方が絶妙でした。

これだけ心に失望を抱えた人物たちが登場するのに、暗いムードが漂わないのはすごい。それに温かで清々しいのも良かった。すごく好きな作品です。

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大島真寿美
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comments

こんばんは☆

大島真寿美さん、大好きな作家さんのひとりです。
"これからも大丈夫だろうけど少し気になる、という余韻の残し方が絶妙でした。"
というの、よくわかります。。
「かなしみの場所」 も好きですi-260

acco:2007/07/30(月) 22:02 | URL | [編集]

accoさん、おはよう。
大島さんはメジャーになる作家だと思っています。
でも、中々羽ばたかないですね。
何かきっかけがあれば、一気に有名になるのになあ。

同じく「かなしみの場所」も好きです。

しんちゃん:2007/07/31(火) 08:58 | URL | [編集]

これも良さそうなお話だね。早速チェックだわ。
大島さん、いいですねー。私も嵌ってきたわ。

まる:2007/07/31(火) 22:08 | URL | [編集]

まるさん、まいどー。
大島さんはいいよね。
彼女の作品に出てくるダメな人物が好きみたい。
いっしょに少しずつ頑張ろうって気持ちになります。

しんちゃん:2007/08/01(水) 08:53 | URL | [編集]

毎回ダメな人や、ぐったりした人が多数登場するのに、お話の雰囲気は暗くならずに読後感はむしろとてもいい、大島作品のとりこです。すっかり。ほんとになんでこんなにいいのにそんなにメジャーじゃないんですかね?謎です。それか知らないだけで、もう多数のファンがいるのかしら……
既刊の作品はもうほとんど読んでしまったので、新刊が待ち遠しいです。

まみみ:2007/08/01(水) 23:40 | URL | [編集]

まみみさん、ほんと不思議ですね!
何故、メジャーにならないんだろう。
読んでいるブロガーさんも少ないし。

何かきっかけがあれば、一気に行きそうなんだけど。

しんちゃん:2007/08/02(木) 08:50 | URL | [編集]

しんちゃん~こんにちは!
大島真寿美さん大好きです♪
この透明感のある感性はたまりません。
もっとゆるゆる浸っていたい心地良さがありますよね。
まだ未読がありますし、また読みたいなぁ。

リサ:2007/08/03(金) 08:48 | URL | [編集]

リサさん、こんにちは。
大島さんはいいよね!
ここ1ヶ月は大島フェアかというぐらい読み漁ってます。
そのおかげで折り返し地点まで来ました。
目指すはコンプです(笑)

しんちゃん:2007/08/03(金) 14:12 | URL | [編集]

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「水の繭」 大島真寿美


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2007/08/01(水) 23:38 | 今日何読んだ?どうだった??

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水の繭 大島真寿美/角川書店そっとその場にたたずんで、優しく包み込んでほしい、繊細で透明な物語心にぽっかり穴を抱えたとうこのもとに、ある日ひょっこり転がりこんできた従妹の瑠璃。個性溢れる人たちとのめぐりあいで、次第にかじかんだ気持ちがほころんでいく、少女と

2007/08/03(金) 08:46 | ひなたでゆるり

『水の繭』大島真寿美


水の繭 大島真寿美/角川書店そっとその場にたたずんで、優しく包み込んでほしい、繊細で透明な物語心にぽっかり穴を抱えたとうこのもとに、ある日ひょっこり転がりこんできた従妹の瑠璃。個性溢れる人たちとのめぐりあいで、次第にかじかんだ気持ちがほころんでいく、少女と

2007/08/08(水) 00:10 | ひなたでゆるり

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2008/12/23(火) 16:18 | GREENFIELDS

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