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    2007

08.03

「ランナー」あさのあつこ

ランナーランナー
(2007/06)
あさの あつこ

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爽やかな陸上モノを期待してはダメ。そう情報が事前に入っていたので、読み方を間違えずに済みました。教えてくれた方々に感謝。おかげで楽しむことが出来ました。


加納碧季は長距離ランナーの才能を認められながらも、突然、陸上部に退部届けを出す。碧季は陸上大会で惨敗する前に、5歳の妹・杏樹に対し、母の千賀子が理不尽な虐待を繰り返していることを知ったからだった。杏樹は父の亡き弟夫婦の忘れ形見であり、千賀子は自分を捨てた夫の面影を見出してしまいうのだった。その千賀子もまた、自分の意思に反して暴力を止められずに苦しんでいた。碧季はだれにも退部の理由を話そうとはしないが、母の暴力から杏樹を守るためだった。

陸上部のマネージャーをする前藤杏子は、顧問の箕月先生に密かに思いを寄せている。その箕月が、碧季のランナーとしての素質に執着している姿を見て、杏子は碧季に嫉妬しながらも、碧季をもう一度走らせようと努力をする。そんな杏子の家庭にもまた、無理が生じようとしていた。先天性の疾患を持って生まれた兄が、これまでの蜜月な関係を拒み、家を出て疎遠になってしまった。その反動によって、杏子に向けられる母のべったりな愛を、杏子も持て余し無理をしていたのだ。

碧季・杏子の母たちが異常です。特に碧季の母がしてしまう行動心理というものが分からない。それを何とか自分がしなければと思う碧季がすごく健気。しかし碧季もまた、妹を守るという事を理由に、走ることから逃げていたのだ。

もうめちゃくちゃ重いです。読むのがしんどくなるぐらい重い。そんな重さを和らげてくれるのが、幼い杏樹の存在。「お兄ちゃん、走って」のセリフには泣きそうになりました。その言葉によって碧季も再び走り出すことになります。それに杏子の淡い恋心にもキュンときました。箕月先生も気づいてあげてよ。それとも気づかない振りかな。先生は走ることには敏感だけど、こちらに関しては鈍感そうですもんね。それと腰を痛めた久遠の、碧季への友達ぶりはすごく爽やか。彼らが居なければとても読み進めることは出来なかったでしょう。

作品自体は、すべて解決をして終わりを向えるわけではありません。だけどほんの少しの希望を残して終わっています。それが読者の想像力を膨らませるほのかな余韻となって、良い後味になっています。

大人になると、簡単にごまかしたり、切り捨てることが出来ます。しかし少年はそんな方法をまだ知らない。知らないがゆえに真直ぐ進もうとして苦しみます。この作品を読んで大人のずるさを痛感しながらも、気持ちの良い少年に出合うことが出来ました。だけどやっぱりあの母親だけは好きになれなかった。自分だけ楽になろうとする。ずるい象徴とも言えるけどね。

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あさのあつこ
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comments

どうやらこの話の続きの話があるみたいです。それが出たとき「もやもや」がスキッと解決してくれること、そしてタイトル通りの展開になることを期待しています。

リベ:2007/08/04(土) 00:00 | URL | [編集]

リベさん、マジっすか!そりゃ楽しみですね。
前もって知っていたので、「もやもや」は無かったです。
でもスッキリは歓迎ですな。

しんちゃん:2007/08/04(土) 11:01 | URL | [編集]

バッテリーシリーズを読んだら読んでもます。
黒いのはダメだけど、重いのはちゃんと読めるから。どんなシーンで杏樹の言葉が出てくるか楽しみです。

あさと:2007/08/06(月) 13:01 | URL | [編集]

あさとさん、まいどー♪
重いと言ってもあさのあつこさんだから、そんなに重くないよ。
バッテリーとは違った雰囲気も楽しんで下さい!

しんちゃん:2007/08/06(月) 16:11 | URL | [編集]

あさのさんは、1冊しか読んでなくてそれも重い内容だったから(でも面白かった)この本もチェックだー。

まる:2007/08/06(月) 21:10 | URL | [編集]

まるさん、ちゃーす。
どんどん読んじゃって下さい(笑)
あさのさんは児童書でも読み応えがありますよ。
子供だけに読ませるなんてもったいないです!

しんちゃん:2007/08/07(火) 08:14 | URL | [編集]

こんばんは。
この続きがあるんですか??
母親の心理状態を考えると、あんな急展開はちょっと無理がありますよね。
最後のほうは、このページ数でちゃんと終わるのか?と心配しながら読んでしまいました。

続きが出たら、教えてください。
今度は、心して読みます(笑)

ゆう:2007/08/25(土) 22:27 | URL | [編集]

ゆうさん、りべさん情報だとあるみたいっすね。
あの母親は酷かった。どうしても好きになれませんでした。
まあ、別に好きにならなくてもいいんだけど(苦笑)
続きが楽しみですね。

しんちゃん:2007/08/26(日) 09:50 | URL | [編集]

「バッテリー」はまだなのですが、これ読みました。
読みづらいかなと思ってたんですけど、全然。まずあさのさんが初めてだったので、なにも考えず読んで、あら、虐待!?だったので、あさのカラーを知らずに読んだことが幸いだったのでしょうか。

でも、親子の関係って不思議ですからね~、ぶたれながらも子どもって親を頼ってしまうんですよね。ちょっとそこには号泣でした。続き、すっごい楽しみです。

じゃじゃまま:2007/08/26(日) 23:42 | URL | [編集]

じゃじゃままさん、お初がこれっすか!
こりゃまためずらしい本を手に取りましたね。
あさのさんの本の中では異色の分類だと思います。
他にもいっぱい良い作品があるので、それらもお薦め!

しんちゃん:2007/08/27(月) 10:21 | URL | [編集]

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