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    2007

08.10

「ぽろぽろドール」豊島ミホ

ぽろぽろドールぽろぽろドール
(2007/06)
豊島 ミホ

商品詳細を見る

痛い!なんて痛いんだ。歪んだ人物ばかりだが、何故かすいすいと読めてしまう。出てくる人たちとは絶対にお友達にはなれない。共感することも出来ない。なのに面白いではないか。人形に惚れた?というか依存した?人物たちが描かれた6つの短編集です。

「ぽろぽろドール」
鎌倉のおばさまからもらった、ほっぺをビンタすると涙をながす等身大の人形。少女はつらいことが起こるたびに、人形をいじめて優越感に浸る。そんな少女が恋をした。

「手のひらの中のやわらかな星」
過疎の村から街の高校に入学した少女は、こんなきれいな子たちがクラスメイトなのかと思うと共に、自分の容姿について初めて真剣に考えた。友達の出来ない少女は、憧れの冬馬さんにそっくりな、大人向けの着せ替え人形に夢中になる。

「めざめる五月」
2ヶ月限定で田舎の学校へ転向した少女は、同じ町内に住む坪内くんと知り合う。彼に見せられたのは自分とそっくりな等身大の人形。彼はいきなり人形にキスをし、人形の心の代弁者になって欲しいという。

「サナギのままで」
少女は坊ちゃんと共に過ごし、坊ちゃんの心に気づかないまま別れ、坊ちゃんは戦死した。大人になった少女はマネキンを作る職に就き、心にずっと残る坊ちゃんのマネキンを作り、マネキンに魂を込める。

「きみのいない夜には」
彼と同棲中の女性は、ネットで大人向けの着せ替え人形を落札する。届いた人形には、前の持ち主から人形宛の手紙が同封されていた。その後も、元の持ち主から人形宛に届く郵便に、女性は心を揺るがせる。

「僕が人形と眠るまで」
自分の整った顔に依存した少年は、交通事故で顔に大やけどをし、これまでの生活が一変してしまう。自分を知る人がいないところで一から始めようと、成長した青年は上京する。そこで彼女は出来るが、彼女は行為の時には必ず目を閉じる。そんなある日、青年は幸せだった頃に付き合っていた女性そっくりの人形と出会う。


ここからネタバレありで、すき放題に語っています。
未読の方はご注意を。

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「ぽろぽろドール」
人形をぼこぼこにして、泣かせて気晴らしをする少女が痛すぎる。友達は居ないし、自分はいつも第三者の位置にいて、周りになんとかしてくれと望んでいる。そんな少女にもやがて彼が出来て、人らしい付き合いが出来るようになるが、その彼の泣く姿を見て、人形と同じ涙か確かめたくなる。まともな人間になれたと思っていたのに、根っこは変わっていないという所がシュールすぎ。共感なんてこれっぽっちも出来ないが、こんなの好きです。

「手のひらの中のやわらかな星」
憧れの同級生そっくりの人形で、服を着せ替えて遊んでいるうちに、自分で人形の服まで作ってしまうようになった少女。学際でクラスが劇をやることになり、憧れの同級生が主役で、少女は衣装を担当することに決まる。そしてラストでは、人形ではなく、本物の人間で着せ替え遊びをし、一人心の中で悦を覚える。なんてブラックな遊びなんでしょう。この黒さは黒好きには堪らない。無茶苦茶好きな作品でした。

「めざめる五月」
人形を愛撫する少年と、その行為を見る人形にそっくりな少女の交流。はっきり言って、オエって感じ。黒好きだけど、性癖まで黒くはありません(苦笑)。少女は少年の行為を見続けるうちに、しまいには人形ではなく本物の自分を犯して欲しくなる。ちょっと可愛いなあと思ったが、少年は拒否をする。そんな少年には天罰をあげようと、おばあが裸の人形を見つけて、キャーの悲鳴。バツの悪そうな少年を想像して笑ってしまいました。

「サナギのままで」
いつまでも戦死をした坊ちゃんを思う女性。やがて仕事の中で坊ちゃんそっくりな人形を作り、あっさりと手放してしまう女性。切ないなー。やがてその人形が量産され、街中で坊ちゃんに再会できることを望む女性がまた切ない。で、女性が現在七十八歳になるが、まだ坊ちゃん人形とは再開をしていない。会わせてあげてよ豊島さん、と声をだしてしまった。棺桶に半分足を突っ込んでるやんか。

「きみのいない夜には」
運命が欲しい女性が主人公。人形を落札したが、前の持ち主からたびたび人形宛の手紙が届く。そしてついにはマンション前まで来て、部屋を見上げる元持ち主。めっちゃ怖いんですけど。そんな危ない元持ち主を部屋へ入れる女性。うーん、理解が出来ない。あげくに、人形と私をセットにして連れ出してもいいよ、とほざく女性。さらに運命が欲しい、なんて言ってやがる。そして一緒に人形と出て行く男女。アホかこいつらは。狂いっぷりは気持ちがいいが、まったく理解は出来なかった。

「僕が人形と眠るまで」
読み始めてすぐに、主人公のナルシストぶりが鼻についた。それに付き合っている彼女が、醜いってやあね、なんて平気で口に出す。出だしでこんなだから、嫌悪感が離れないまま、最後まで読んでしまった。事故で顔がめちゃめちゃになった主人公だが、読んでいてすごく居心地が悪い。ナルだったのが、性格まで捻くれて痛々しいだけ。いったい何がいいたいのか判らなかった。この作品を受け入れる大きな感性が自分には無かったです。


言いたい放題って気持ちがいいね!

豊島ミホ
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comments

こんばんは。しんちゃん。
この作品、読みはじめから終わりまで、官能のにおいプンプンなのに、何故に何も始まらない??そればかり頭の中をかけめぐっていました(爆)
正直、少し期待してました(笑)

しかし、豊島さん、幅か広いですよね・・
こんなダークなものも描けるなんて。

ゆう:2007/08/10(金) 19:35 | URL | [編集]

私も「手のひらの中のやわらかな星」が好きだなぁ~と思ったんですけど、好きポイントがしんちゃんと違ってましたね。
私は、憧れの存在に現実世界では近づけない、彼女のようにはなれない哀しみにグッときたんです。
同じ話でも、こんなに感じ方が違うのかということで、とても興味深かったです(^o^)/

エビノート:2007/08/10(金) 21:04 | URL | [編集]

ひっそりと、じっとりとって印象だったのですが
しんちゃんのように、バッサバッサと斬っていくと
物語そのものに爽快感を感じてしまうから不思議。

なな:2007/08/10(金) 23:16 | URL | [編集]

楽しまれたんですね。
好みに嵌る感覚、興味深かったです。

藍色さん:2007/08/11(土) 02:16 | URL | [編集]

ゆうさん、おはよう。
な~んにも考えずに読んだら、めっちゃ楽しめました。
こんな豊島さんは初めてですね。
少数派意見でしょうが、こんなのをもっと描いて欲しいです。

しんちゃん:2007/08/11(土) 09:38 | URL | [編集]

エビノートさん、ちゃーす。
たぶん邪道な読み方をしてます(笑)
文学ではなく、ブラックユーモアとして読みました。
ブラック好きなんで、こういう読み方の方が楽だし面白い。
すごく浮いた感想だと思います。。。

しんちゃん:2007/08/11(土) 09:44 | URL | [編集]

ななさん、無茶苦茶な読み方でしょ。
独自解釈ですが、こんな読み方もある(笑)
たぶん自分だけでしょうが、爽快で痛快に読めてしまった。

しんちゃん:2007/08/11(土) 09:48 | URL | [編集]

藍色さん、おはようございます。
すっごく楽しめましたよ。豊島さんの本の中で一番好きでした。
これまでとは全く違う雰囲気の作品で、好みが別れるでしょうね。
でも自分にはドンピシャに合いました。

しんちゃん:2007/08/11(土) 09:54 | URL | [編集]

確かに、痛さもここまで容赦がないと、爽快さすら感じます。豊島さんは、わりと危ういものも書いているし、実はこれは本領発揮だったりする?なんて思ってしまいました。

june:2007/08/11(土) 23:59 | URL | [編集]

juneさん、まいどー♪
危うさを極めたらこうなりました、みたいな感じですかね。
この路線は大歓迎なんだけど、多数の方は戻ってくれでしょう。
いいのになあ。。。

しんちゃん:2007/08/12(日) 08:41 | URL | [編集]

しんちゃん~
コメントとTBありがとうでした♪
実はこちらからお伺いするつもりでいたんですよ~。
読了後、しんちゃんの感想読ませてもらったのですが
真逆の感想にかえって清々しさを感じました(笑)
人形愛を多少なりとも理解出来る私は、同じく彼らの痛さも感じ取れて(全部じゃないけど)うっとり恍惚~なのでした。

いやはやこの作品で豊島作品を初めて手に取ったのは良かったのかどうか。これから少しずつ他の作品も紐解いていきたいですー。

リサ:2007/08/24(金) 00:32 | URL | [編集]

リサさん、情緒の欠片もない感想っすよね。
これを読んで、本を手に取る方がいると思うと、…(滝汗)

他の作品はもっと違った作風です。
そちらもお互いに楽しみましょうね。

しんちゃん:2007/08/24(金) 13:24 | URL | [編集]

とても気に入られたようですね。
感想を楽しく読ませていただきました。
豊島さんの今までの作品とは、違った感じの作品。
こういう作品も書くんだと、巾の広さを感じました。

花:2007/09/02(日) 13:09 | URL | [編集]

花さん、こんにちは
いやあ、お恥ずかしい。テンション上がっちゃいました。
これまでも良かったのですが、もろ好みの作風でした。
こういう作品もまた出して欲しいです。

しんちゃん:2007/09/02(日) 16:13 | URL | [編集]

わたしは今までの豊島作品の延長線上かなー?と思ったんですけど、読みかた間違ってましたかね^^;まあいいや、おもしろかったし。
こんなに痛くて歪んでる主人公たちなのに、なんだかついつい次のページを繰りたくなる…不思議な作品でした。

まみみ:2007/09/27(木) 22:23 | URL | [編集]

まみみさんは違和感がなかったんだ。
幻想的らしい?作品だそうですが、こんなのが大好物でした。
にやり笑いしながら読む自分って…危ない。

しんちゃん:2007/09/28(金) 10:00 | URL | [編集]

これはきっと男の子が近寄っちゃいけない世界なんですよ(笑)

すの:2007/11/11(日) 20:58 | URL | [編集]

すのさん
男の子にはガンダムがありますが、人形は別物ですよね。
その無縁の世界が妙に気持ち良かったです。

しんちゃん:2007/11/12(月) 09:19 | URL | [編集]

のってますね。私も人形と一緒には、同じく開いた口が塞がりませんでした。あれは冷静に考えたら、住民票やら大学やらの現実的な問題を処理するために、一度は戻るなりコンタクトを取らなきゃいけないはずなんですよね。その瞬間を考えてしまうと、ちょっと滑稽です。

たまねぎ:2008/03/30(日) 01:30 | URL | [編集]

たまねぎさん
のってますね。のりすぎですよね。読み返すと恥ずかしいです。
幻想的な作品?を、ブラックものとして勘違いしたまま読んだようです。
でも読んだ本人は、最高傑作だと思い込んでいます。痛いですよね。
これも滑稽かと。

しんちゃん:2008/03/30(日) 23:06 | URL | [編集]

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