2007年08月15日 (水) | 編集 |
![]() | 羽の音 (2001/05) 大島 真寿美 商品詳細を見る |
ある日、女子高校生・菜生はテレビが映らなくなったのを機に、学校へ行く気が失せた。婚約者のいる姉・花保もまた、初恋の人・透樹の噂を聞き、会社を休み続けてテレビゲーム三昧。両親の離婚を機に処分するはずだった家で、二人暮らしをする姉妹。登校拒否と出社拒否をした姉妹を描いた作品です。
姉妹がひきこもっているだけの生活です。姉は透樹がどこで見かけられたのか、情報をひたすら待ちます。姉がひきこもった理由はわかる。だけど妹がひきこもった理由がわからない。菜生はミキオの見舞いへたびたび行きます。それ以外はずっとひきこもり。その菜生と入院中のミキオとの関係がわからない。二人のやり取りから、読者が想像するしか方法がありません。そんな姉妹の1ヶ月間を、1日ずつ丁寧につづっています。
これまで読んだ大島作品の中でも、独特な雰囲気を持った作品でした。
すごく脆くて不安定な少女の心。大人になる前の繊細な揺れみたいなものが、透明感ある文章でつづられています。上手く言えないのがすごくもどかしいです。たぶん読まないとわからないでしょう。
やがて姉は妹を置いて、羽を広げて旅立って行きます。ここでも妹はどうなるかわからない。だけど、きっと同じように羽を広げて前向きになる。そう信じたいようなラストでした。
読者の解釈に委ねられた作品です。だから抽象的な感想になってしまう。興味を持たれた方は、ぜひ自分で読んで、色々と感じて欲しい。不安定な心をきれいな文章で描かれているので、すんなり読めることは間違いないです。
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