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    2007

08.16

「映画篇」金城一紀

映画篇映画篇
(2007/07)
金城 一紀

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映画をモチーフにした5篇が収録。その元になった映画は5作中1作しか観ていませんが、そんなのは関係なかったです。ちなみに観たことあるのは「ドラゴン怒りの鉄拳」だ。それに作中には、「大脱走」「酔拳」など、もっとたくさんの映画が出てくるが、こちらも観て無くてもまったくの問題なし。いやー面白い。そして素晴らしい。この作品を読んだ直後に感じたのは、映画を観たあとのような高揚感と、印象に残った部分の情景が目に浮かぶこと。映画を読む、という言葉がぴったりの作品でした。

それに作品同士がリンクをしているのも憎い演出。ショッピングモール内のレンタルビデオ店や、つまらないという謎のフランス映画に、製薬会社が起こした薬害事件。それに全篇で登場する、市民会館で上映される「ローマの休日」は、最後にとても素敵な物語として登場とほんと憎いのよ。金城一紀はやはりすごかった。


「太陽がいっぱい」
デビュー小説が映画化されることになった僕は、その撮影現場で朝鮮学校時代の同級生、永花と再会する。20数年ぶりに彼女と話したことをきっかけに、子供のころいつも一緒に映画館に通った龍一を思い出す。彼はたった1人の親友と呼べる友達だった。

映画を観ることで繋がっていた少年たちが、ある日を境に縁が切れてしまった。それがあることをきっかけに、復縁をしていく。ちょっと切なくて、じんわりとくる作品です。これは金城さんの自伝なのでしょうか。


「ドラゴン怒りの鉄拳」
夫の自殺で1人自宅にひきこもる日々を送っていたわたしは、夫が延滞したビデオを返却するために久しぶりに外出する。高額の延滞料に気を使ったのか、ビデオ店の店員・鳴海にお薦めビデオをサービスしてもらう。それを観たら感想を彼に伝え、またお薦めをサービス。やがて元気を取り戻した彼女だが、ある決断が迫られる。

夫の死で壊れかけた女性が、鳴海の薦める映画と、彼の笑顔で救われていく。ほんわかとした恋愛小説です。そして作品間でリンクをしている薬害事件が、彼女によって進展します。作中に出てきた「タンロン怒りの鉄槌」は、すごく見たーいのである。


「恋のためらい/フランキーとジョニー もしくは トゥルー・ロマンス」
好きな映画「フランキーとジョニー」の話をしたことから、高校の同級生で、席が隣の石岡さんと僕は会話をするようになった。少しずつ心をかよわせた二人だが、彼女の誕生日の日に、彼女からある計画を打ち明けられる。

心に闇を持った少年少女が、現実から逃れるためにある計画を実行する。ちょっとハードボイルドです。中々良い感じで読めていたが、ラストの締め方にはあれ?と首を傾げてしまった。個人的だが、ちょっと期待と違い残念。


「ペイルライダー」
夏休みの自由研究で、「映画ランキングベスト50」を調べることにした小学生のユウは、ビデオ店からの帰りにいじめっ子に難癖をつけられた。そこに現れたのはハーレーに跨った全身黒ずくめのライダー。逃げたいじめっ子の後、ヘルメットを脱いだライダーは、真ん丸のえびす顔で、パンチパーマの中年のおばちゃんだった。

ヒーローのおばちゃんと少年との交流と、おばちゃんの復讐を描いた作品。映画的というかマンガちっく。元気でいつも笑顔のおばちゃんには、忘れられない過去があった。その結末には、目を塞いでしまいたくなるような残虐な描写が。ギャップがすごいです。


「愛の泉」
おじいちゃんの一周忌に集まった鳥越家の面々。しかし、いつも「だいじょうぶオーラ」が出ているおばあちゃんに元気がない。5人の孫たちは、おばあちゃんがおじいちゃんと初めて観た映画の上映会を開き、おばあちゃんに元気になってもらおうと計画する。

ちょろちょろとこれまでに出てきた「ローマの休日」の上映会。これが開かれるまでの経緯や頑張りが描かれています。他の孫たちに押し付けられた鳥越くんの奮闘ぶりと恋、そしておばあちゃんを思う孫たちの心が、とても心地が良くて、最後にはふるふるときてしまった。すっごく良いお話が最後に読めて大満足です。


久しぶりの金城一紀の新刊は期待を裏切らなかった。買って大正解でした。
これがサイン本だったりもするのだ。

Image156_r1.jpg

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金城一紀
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comments

最後の『愛の泉』で全部繋がった~、って感じでした。
キーになる『ローマの休日』
途中で何かのキーワードなんだろうってことは気付いたんだけど、
最後になって納得。
こういう裏があったのか、って。
個人的には『ペイルライダー』のおばちゃんの怒りと切なさが
痛くて、でも気に入りました。

す~さん:2007/08/18(土) 09:43 | URL | [編集]

す~さん、こんにちは。
金城さんがこういう大きな仕掛けを持ってくるのは、すごくめずらしいですね。というか、初めてかも。
「ペイルライダー」は映画を観てなくても、内容がすぐに想像出来る作品でしたね。

しんちゃん:2007/08/18(土) 16:57 | URL | [編集]

まさに、映画を読む、という言葉がぴったりな、
素晴らしい作品でしたね。
サイン本、うらやましいです。

藍色さん:2007/08/19(日) 01:13 | URL | [編集]

藍色さん、ですよね!
すごくはっきりと情景が浮かんできました。
サインに釣られて買いましたが、買って正解でした(笑)

しんちゃん:2007/08/19(日) 09:43 | URL | [編集]

そういえば、しんちゃんがサイン本にしろ単行本を買うのって珍しい気もしますね。
さて、自分も「ペイルライダー」、そして「愛の泉」が好きでした。
ところで質問ですが、「ペイルライダー」で唐突に出てくる工藤は「対話篇」に関係がある人物なんでしょうか?(未だ対話篇の借りる順番が回ってきません)

リベ:2007/08/24(金) 20:53 | URL | [編集]

リベさん、めずらしいっしょ。ついサインに釣られて(笑)

質問の答えですが、「対話篇」を読めばわかる。
公式サイトでも伏せられていたので、伏せておきました。
はやく読めるといいっすね。リンクはしてまーす。

しんちゃん:2007/08/25(土) 10:34 | URL | [編集]

「タンロン怒りの鉄槌」私も観たい!!
映画が現実を後押ししてくれるって感じがしました。
図書館で借りて読んだんだけど、
買っちゃった♪
この作品は買って正解ですよね~。
サイン本ってところがうらやましい!

エビノート:2007/08/25(土) 22:17 | URL | [編集]

エビノートさん、「タンロン」は観たいよね!
いっぱい映画が出てきたけど、これが一番映画っぽかった。
実際はないんだけど(笑)

しんちゃん:2007/08/26(日) 09:42 | URL | [編集]

はじめまして。
エピノートさんと藍色さんのブログからこちらにお邪魔させて頂きました。
私もサイン本を買ったのですが、釣られてよかったです。
「ローマの休日」が最後にあんなふうに繋がるとは思わず、
金城さんすごい!と素直に感心しました。

雪芽:2007/09/09(日) 22:02 | URL | [編集]

「対話篇」との繋がり…うーん、気になります。
「映画篇」は図書館に返却しちゃったし
「対話篇」ははるか昔に読んだので、記憶が…
こんな時、やっぱり本が手元にあるのは羨ましいです。

なな:2007/09/09(日) 23:42 | URL | [編集]

雪芽さん、はじめまして。
最後の収束の仕方は見事でしたね。
それにすべてが上手くいくのではなく、オチがあったのも良かった。
さすが金城さんっすよね。

しんちゃん:2007/09/10(月) 09:49 | URL | [編集]

ななさん、残念っすね!
上でりべさんがあげている人物と、「対話篇」で入院している人物から殺人を依頼された人物。これらが同一人物でした。
ああ、バラしていいのかな。

しんちゃん:2007/09/10(月) 09:53 | URL | [編集]

しんちゃん こんばんは。
あーーっ。サイン本や~。いいな~。
この作品、家族の描き方が素敵でした。
「愛の泉」は最初わくわくして、最後にはホロリと
させられました。

naru:2007/10/05(金) 20:08 | URL | [編集]

しんちゃん☆こんばんは
「ローマの休日」の上映会、良かったですねぇ!
この映画を好きな人達、みんなの心が集まったんですね。
この本を参考にして映画を見るっていうのもいいかもね。(^^)v

Roko:2007/10/09(火) 21:22 | URL | [編集]

naruさん、ごめーん!コメントを貰ったのに気づきませんでした。

そう、サイン本を嫌味に自慢してます(苦笑)
ゾンビくんたちのわくわくも良いけど
こちらの様な雰囲気もすごく好きです。

ほんと、ごめんね!

しんちゃん:2007/10/10(水) 18:03 | URL | [編集]

Rokoさん、上映会はすごく良かったです。
これだけでも満足できる内容でした。
盛り上げたあとのオチも面白かったですね。

しんちゃん:2007/10/10(水) 18:05 | URL | [編集]

あああ!気になっていた突然フルネームの工藤君。
「対話篇」のあの人物だったのですね。
すっきりしました。

june:2007/12/19(水) 21:59 | URL | [編集]

juneさん
あははっ、謎が解けちゃいましたか。
黙ってるつもりだったけど、誰も触れてなかったのでつい。

しんちゃん:2007/12/20(木) 12:46 | URL | [編集]

これいいお話ですよね~~。すっごくうまくドラマ化などしてほしいです。5夜連続放送とかで。無理かなー。
好きな作品ほど映像化されたのをみてがっかりするので、このままのほうがいいのかもしれません……
宝くじで2億当たったら、自分スポンサーで作るか!?(←どり~夢)

まみみ:2007/12/30(日) 00:06 | URL | [編集]

まみみさん
期待以上の作品でしたね。
そう、映像化はがっかりばかりですよね。
なんであんなのばかりなんだろう。

しんちゃん:2007/12/30(日) 12:19 | URL | [編集]

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