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    2007

08.18

「この本が、世界に存在することに」角田光代

この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)
(2005/05)
角田 光代

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読み終えたら疲れる作家。自分にとって角田さんの作品はそういう位置づけ。それがこの作品では違いました。どこか温かくて切ない。少し元気をくれる。そんな本に纏わる、本への愛が詰まった短編集です。

「旅する本」
店主は言う。「あんたこれ売っちゃうの?」かつて自分が手放してしまった同じ本に、女性はネパールの古本店で再会する。本の最後のページには自分で書いたイニシャル。そしてまたアイルランドで再会。読むたびに書かれた物語の意味がかわっている。かわっているのは本ではなくて、私自身だと女性は気づく。

「だれか」
タイのちいさな島でマラリアにかかってしまった女性は、宿泊している宿に残された旅行者たちが置いていった本を読むが、物語を読むのではなく、この本を通過していった無数のだれかの物語を読む。

「手紙」
伊豆の旅館の部屋で偶然見つけた詩集。その本の中には、宛名のない女性が書いた手紙が挟まれていた。手紙を書いた女性に、手紙を読んだ女性は、自分のそれを重ねてしまう。

「彼と私の本棚」
同棲していた恋人と別れることになり、天井まである本棚から、私が持ち込んだ本と、彼が持ち込んだ本を分別する女性。そして出会ったきっかけ、付き合うようになった経緯を思い出す。それはよく似た本棚を、お互いに持っていたことが始まりだった。

「不幸の種」
私は十八歳で、大学進学のために実家を出てはじめて東京でひとり暮しをはじめた。やがて恋人ができ、今まで使ってきたものをそのまま運び入れた部屋に彼を招いた。そこで彼は私の知らない本を本棚から見つけて、夢中に読みふけっていた。その後、彼女には不幸が次々に襲い掛かる。友達に彼を取られ怪我まで負う。原因はあの持ち主のわからない本、不幸を呼ぶ本だと思い、彼を取った友達に、元恋人に本を渡してもらうことにする。

「引出しの奥」
裏表紙を開いたところに、いっぱい書き込みがある、伝説の古本。わたしの通う大学周辺の古本屋を、その本はぐるぐる回っているらしい。わたしは名前を知らないクラスメイトと共に、その本を探すことにした。

「ミツザワ書店」
文芸雑誌の新人賞に受賞したぼく。本が出たら一番最初にだれに伝えたいですかと質問され、思い出したのはミツザワ書店のおばあさんだった。ぼくの生まれ育った家の近所にあり、その町の人たちは当然お世話になる、さほど広くはないごくふつうの本屋だった。正月に実家に帰ったぼくは、十年ぶりにミツザワ書店に向った。

「さがしもの」
入院中のもう長くないおばあちゃんに、誰にも内緒で本をさがしてほしいと、私はメモを渡された。しかし、どこの本屋に行ってもその本は見つからない。おばあちゃんは言う。「もしあんたが見つけだすより先にあたしが死んだら、化けて出てやるからね」そしてついに見つけることがないまま、おばあちゃんは亡くなった。おばあちゃんは言葉通りに…。

「初バレンタイン」
二十三年間の人生ではじめて恋人が出来た女性。今年のバレンタインは突き返されることなくチョコレートを贈ることが出来る。チョコレートだけじゃ芸がない、それにはあの本を贈るしかない。しかしあれこれ考えた結果、チョコレートは用意できなかった。そして自分が一番好きな本をプレゼントすることにする。

「あとがきエッセイ 交際履歴」
角田さんの本とのこれまでのおつきあいが紹介されています。これは自分で読んで確かめてみて下さい。

全部書き出したら限がないので、内容紹介はこの辺で止めておきます。他の作品はタイトルだけで勘弁してね。と書こうと思ったが、あまりにも秀作揃いだったので、結局は全部の内容紹介をしてしまう。すっごく良かったです。本好きなら嫌いな人はいないでしょう。

全部が、本、本、本、です。本を通して男女が出会う「彼と私の本棚」「引出しの奥」「初バレンタイン」これら作品たち。本によって運命が変わる「ミツザワ書店」「さがしもの」「初バレンタイン」の作品たち。知らない誰かの人生が見えたり、読む年代によって感想が違ったり、など、本が何かのきっかけになる。何度でも言います。すごく良かったです。この作品たちと出会えてすごく幸せです。あとがきで角田さんが語っている、「本は人を呼ぶのだ」の言葉。自分もこの本に呼ばれたのでしょう。そして、これからも本に呼ばれ続ける毎日を送っていくのだろう。


余談。
本を誰かにプレゼントするのって難しいですよね。喜んでくれなかったらどうしよう、読まずに捨てられたら嫌だなあ、など、すごく不安になります。ある時期から自分はプレゼントをする本を決めました。新潮文庫から出ている銀色夏生さんの「ミタカくんと私」「ひょうたんから空」の2冊をセットにして贈っています。とても可愛らしい内容で、ページに描かれた絵もキュート。

この角田さんの本が文庫化されたら、新たにプレゼント本の仲間に入りそうです。
本好きの方へのプレゼントにピッタリかも、です。

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角田光代
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comments

角田さんの本には、黒と白、グレーがあると思うのですが、これは完全に白角田さんです。黒も好きなんですけど、こういうのもいいんですよね。すごく好きな本です。

しんちゃんが贈るという
>銀色夏生さんの「ミタカくんと私」「ひょうたんから空」の2冊をセット
気になります。見てこようっと♪

june:2007/08/18(土) 22:12 | URL | [編集]

こんばんは!
読んでいると自分と本との関わりを思い起こさせられました。
本に呼ばれる幸せ、これからも感じ続けていきたいですね♪
本のプレゼントのアイディア良いですね~
参考にさせていただきます♪
角田さんの作品で言えば、そのものズバリ『Presents』という作品もありましたね!

エビノート:2007/08/18(土) 22:39 | URL | [編集]

juneさん、おはよう。
黒角田は疲れるんだけど、読みたくなる周期があります。
めったに来ない周期だけど…(汗)

銀色さんの本はいいっすよ!
めっちゃ可愛いの(笑)

しんちゃん:2007/08/19(日) 09:29 | URL | [編集]

エビノートさん、ちゃーす。
「Presents」は、まみみさんにもお薦めもらいました。
すでに図書館予約中です(笑)

お互いに、本に呼ばれまくりましょう!

しんちゃん:2007/08/19(日) 09:32 | URL | [編集]

随分前に読んだので、内容忘れてました。
しんちゃんのレビュー読んで、再読したくなっちゃいました。
私も本好きな人にはこの本をプレゼントしたいと思います。
そして女の人には「Presents」
みんな同じような事考えるんですね。
しんちゃんお薦めの「ミタカくんと私」「ひょうたんから空」
未読です。気になります。

なな:2007/08/19(日) 14:07 | URL | [編集]

またまた、ななさんのお役に立ったようですね(笑)
「Presents」は図書館ですでに借りられるのを待っています。
手元に「銀の鍵」もあるし、角田フェアになりそう。

銀色さんは有名だけど、その本を未読の方が多いので、
プレゼントにピッタリなんですよ。とっても可愛いよ!

しんちゃん:2007/08/19(日) 16:23 | URL | [編集]

 こんにちは♪
 こちらにもTBさせていただきました。


 「本」への愛、あふれてましたね。
 とてもよかったです。

 私もこの本に「呼ばれて」、
 とても幸せだと思います^^

miyukichi:2007/08/19(日) 17:17 | URL | [編集]

miyukichiさん、こんばんは。
本好きでこの作品が嫌いだという方はいないでしょうね。
角田さんを読む気分じゃなかったのですが、呼ばれたんでしょう。
いい出会いをしました!

しんちゃん:2007/08/19(日) 18:39 | URL | [編集]

わー。この本読んでみたくなったよー。
チェック、チェックだ~。

まる:2007/08/20(月) 21:09 | URL | [編集]

まるさん、これはすごく良かった。
絶対に気に入ってもらえると思います。
本好きにはたまらないっすよ!

しんちゃん:2007/08/21(火) 09:39 | URL | [編集]

しみじみいいですよねーこの本。
わたしもしんちゃんの内容紹介見て再読したくなりましたよ!
本棚にはあるんですが…ついつい未読の作品に手がのびる…

そして「ミタカくんと私」のシリーズ、いいですよね。
わたしも大好きです。さらりと読めるし、つい何度も読んでしまう作品です。

まみみ:2007/08/23(木) 00:10 | URL | [編集]

まみみさんお薦めの「Prezents」も手元にあります。
読んだらまたお邪魔しますね。

「ミタカくんと私」は良いよね!
大人にも子どもにも読める良書っす。

しんちゃん:2007/08/23(木) 10:01 | URL | [編集]

こんにちは。
「この本と出会わせてくれてありがとぉーっ!」と、感激にむせび泣きながら、しんちゃんと固い握手を交わしたくなりました(笑)・・・ちょっと大袈裟ですねぇ^^;
でも、本当に本好きには堪らない作品でした!素敵な本をご紹介いただいてありがとうございました。

すずな:2007/09/20(木) 11:02 | URL | [編集]

すずなさん、これはすごくテンション上がるよね。
だけど、チェっ、握手だけかあ。熱い抱擁とかないの(笑)

しんちゃん:2007/09/20(木) 16:48 | URL | [編集]

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