--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

08.27

「青年のための読書クラブ」桜庭一樹

青年のための読書クラブ青年のための読書クラブ
(2007/06)
桜庭 一樹

商品詳細を見る

二十世紀始めに修道女聖マリアナによって建てられた、伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。良家の子女が通う学園だが、旧校舎の裏の崩れかけたビルに異端者だけが集う「読書クラブ」が存在し、抹殺された学園の禁忌が、部員によって読書クラブ誌に残されていた。その読書クラブ誌を読むという形式で、物語が綴られています。

「烏丸紅子恋愛事件」
大阪の下町臭のする庶民、烏丸紅子は、乙女の楽園にとつぜん放りこまれた。周りから浮いた存在の紅子が行き着いた先は読書クラブ。そこには学園一の才媛だが、容姿の醜さゆえに、異端者が集う読書クラブで、妹尾アザミがくすぶっていた。アザミを筆頭とした読書クラブで、毎年聖マリアナ祭の折に投票で決められる王子に、知性はないが容姿に恵まれた烏丸紅子を送り込もうとする計画が始まった。

「聖女マリアナ消失事件」
聖マリアナ学園設立者である聖マリアナが、学園から忽然と姿を消した。彼女はパリ郊外の貧しい農村に生まれ、父親は厳しく禁欲的な人間であったが、母親は対照的に明るくのんきな女であった。マリアナは父に似て求道的な性格に生まれたが、六つ年上の兄、ミシェールは父と折り合いが合わず、十八歳になると父親から逃げるようにパリへ出た。そんな兄と久方ぶりにパリで再会したことから、二人の兄妹の人生の歯車が狂ってしまった。

「奇妙な旅人」
外の世界にバブルの風が襲った頃、聖マリアナ学園にも新たな風が吹き荒れた。とつぜん資産を増やした新興成金の娘三人が転入し、色つき扇子を片手に、権力を一手に握る生徒会に対してクーデターを起こしたのだ。しかし旧態の制度を望む生徒会OGの動きで、彼女たちはあっけなく破れ、三人は行き場を失い読書クラブへ亡命してきた。

「一番星」
読書クラブが一番大人数を誇った頃、部長の加藤凛子を慕っていた、赤面症の山口十五夜が突然変貌。クラブを飛び出したのちに、伝説のロックスター、ルビー・ザ・スターとなって学園中を席巻したのだ。人気が翳りだしたルビーこと十五夜は、これまで慕っていた凛子を中傷した歌詞を歌いだし、さらに爆発的な人気を得た。

「ハビトゥス&プラティーク」
来年には男子校と合併し、少女たちの花園であった学園にも最後の年がやってきた。その最後の読書クラブ員は、ビルが老朽化のため閉鎖され、流民の民となった肥満体型でぬいぐるみのような五月雨永遠ただ一人だった。その永遠が愛読書を真似て、スポーツ感覚で教官室に侵入し、生徒の没収された品物を取り返しては、スリルを楽しんでいた。それがいつの間にか、「ブーゲンビリアの君」と、少女たちの英雄として噂が一人歩きをしていた。


西の官邸と呼ばれ、選ばれし者が権力を一手に握る生徒会。東の宮殿と呼ばれるのが、花形の演劇部。北の新校舎の隅でたむろしているのが、インテリヤクザの新聞部。そして廃墟のビルに巣くう読書クラブは、南のへんなやつ等。とまあ、こんな感じの組織図の中で、聖マリアナ学園で起きた正史では語られない暗黒の歴史が語られる。誰かが主人公というのでは無く、聖マリアナ学園が主人公ともいえる作品。「赤朽葉家」が一番近い作品かも。

読み始めは正直にいって取っ付きにくかったです。ここに出てくる少女たちの話し方が、「ぼく」といった男言葉が普通に使われているからだ。それに読書クラブの部員たちを再三、異端者たちと説明されるが、彼女たちの方が普通であって、その他大勢の方がおかしな存在だから。まあ、この設定には慣れてしまえばいっさい問題は無くなり、存分に桜庭ワールドを堪能するだけ。

閉鎖された乙女の園。そこで起こるのは、女子だけが集まったために発生する、特有の華やかさと陰湿さの数々。これが面白く無いわけがない。特に男性には摩訶不思議な世界が新鮮で、そんなアホなと突っ込みながらも楽しめることだろう。

それに移り行く時代によって、少女たちの考え方や持つ小道具にも当然変化が現れる。そこらも中々リアルであって、読み見応えがある。桜庭一樹は少女を描くのが上手いのである。本書を読むことでまた再確信したのである。それにおもろい。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

桜庭一樹
トラックバック(11)  コメント(16) 

Next |  Back

comments

特定の誰かが主人公というわけではなくって、
学園自身が主人公である。
確かにそうかも!
変わらないようでいて、時代の流れにはやっぱり抗えない。
そんな学園の裏の歴史、楽しかったです♪

エビノート:2007/08/27(月) 19:40 | URL | [編集]

男の人からは、この世界とっつきにくいんでしょうか。
私は昔好きだった少女マンガの世界を思い出して、
いきなりどっぷり浸かってしまいました。
いわれてみると、読書クラブの異端者の方が普通といえば普通の気がします。

june:2007/08/27(月) 22:02 | URL | [編集]

エビノートさん、おはよう♪
時代の流れにそって変わっていく。
こういうの、桜庭さんは上手いっすね。
「赤朽葉」を思い出しました。

しんちゃん:2007/08/28(火) 09:15 | URL | [編集]

しんちゃん、こんにちは!
アニメ系好きな私はとあるアニメに非常に雰囲気が似ていてすごく楽しめたんですが、なんのこっちゃな話しですね。
言われてみれば少女マンガちっくでもあります。
かつて少女だった私。なんとなく懐かしさを感じながら読みました。

リサ:2007/08/28(火) 09:20 | URL | [編集]

juneさん、まいどー。
とっつきにくいとは違って、慣れなんでしょう。
少女マンガを読んだことがないし。
あっ、「パタリロ」は妹のを借りて読んだ(笑)

クラブ員の方が普通っすよね。
ただ本を読んでるだけなのに。

しんちゃん:2007/08/28(火) 09:20 | URL | [編集]

リサさん、こんにちは。
そのアニメ名は、リサさんのブログで見ました。
まったく知らずでした。有名なんかな(汗)
アニメやマンガを知らなくても楽しめましたよ!

しんちゃん:2007/08/28(火) 16:38 | URL | [編集]

摩訶不思議ですよね、やっぱり。特に同性の一人を祭り上げて、陶酔しちゃうのは女性ならではと思います。
でも分からないからこそ、覗くような気持ちで、興味津々に読んでしまいます。……変態?

たまねぎ:2007/08/31(金) 00:22 | URL | [編集]

たまねぎさん、男ならこんなこと有り得ないっすよね。
同じく覗き見感覚で読みました。…変態(笑)

しんちゃん:2007/08/31(金) 09:25 | URL | [編集]

こんにちは。
女子高を舞台に、桜庭さん独特の世界観を満喫できた1冊でした。
女性の私にとっても”女子高”というのは縁がなかったので、とっても興味津々で読んでしまいました(笑)

すずな:2007/09/04(火) 10:07 | URL | [編集]

すずなさん、こんにちは。
独特な女子高の世界でしたね。
なんか宝塚みたいな世界で、面白かったです。
でも宝塚を観たことないけど。。。

しんちゃん:2007/09/04(火) 17:17 | URL | [編集]

その時代の流行り物なんかもさりげなく書かれていて興味深かったです。
こんな女子校あったら怖いです。

なな:2007/09/20(木) 19:22 | URL | [編集]

わたしが書きあぐねた感想をみなさん上手に書いてらっしゃる…尊敬です。そしてこんなに丁寧な内容を書いてらして、そっちもすごいなと思いました。内容忘れたらこのブログを参考に思い出しますね^^

まみみ:2007/09/20(木) 22:03 | URL | [編集]

ななさん、あったら怖いけど覗きたいかも。
桜庭さんが書くなら男子校も見たい。
かなりキツそうだけど。

しんちゃん:2007/09/21(金) 08:03 | URL | [編集]

まみみさん、内容は書きすぎなんすよね。
だけど、自分が忘れてしまうので、つい。

しんちゃん:2007/09/21(金) 08:05 | URL | [編集]

 こんばんは♪

>特に男性には摩訶不思議な世界が新鮮で、
 そんなアホなと突っ込みながらも楽しめることだろう。

 男性でも楽しめたんですね^^

 女子校に行ったことがない私にとっても、
 すこぶる摩訶不思議な世界でした(笑)

 桜庭さん、やっぱり上手いですよねー。
 なかなかおもしろかったです。

miyukichi:2007/10/10(水) 00:06 | URL | [編集]

miyukichiさん、変な世界でしたね。
だけど、この独特な雰囲気は好きでした。
こういう特種な世界は桜庭さん上手いっすね。

しんちゃん:2007/10/10(水) 18:08 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

青年のための読書クラブ 桜庭一樹


装画は天羽間ソラノ。装幀は新潮社装幀室。初出「小説新潮」第一章2006年10月号、第五章2007年5月号、他は書き下ろし。東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。異端者が集う「読書クラブ」には、学園史

2007/08/27(月) 16:50 | 粋な提案

青年のための読書クラブ 〔桜庭 一樹〕


青年のための読書クラブ桜庭 一樹 新潮社 2007-06売り上げランキング : 1395Amazonで詳しく見る by G-Tools≪内容≫東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の“...

2007/08/27(月) 19:36 | まったり読書日記

「青年のための読書クラブ 」桜庭一樹


青年のための読書クラブすごくおもしろかったです!表紙からして一目ぼれだったんですが、中身も素晴らしい!こういうの大好きです。東京山の手にあるお嬢様学校が舞台というだけで、かつての少女マンガファンとしてはたまらないものがあります。お嬢様学校の話というこ....

2007/08/27(月) 21:55 | 本のある生活

『青年のための読書クラブ』桜庭一樹


青年のための読書クラブ 桜庭一樹/新潮社東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈

2007/08/28(火) 09:17 | ひなたでゆるり

青年のための読書クラブ  桜庭一樹


百年の長きに渡り受け継がれてきた秘密のノートがあった。聖マリアナ学園、その中で異端者の集まりと忌避された読書クラブ。しかしそんな読書クラブだからこそ綴ることができた学園の歴史、葬られた真実がそこにはあった。学生運動、バブル景気。この国を揺らした騒乱の風..

2007/08/29(水) 23:15 | 今更なんですがの本の話

青年のための読書クラブ(桜庭一樹)


すっかり桜庭文体に慣らされた感があるなぁ・・・。実はね、私はこういう文体は苦手としていたはずなんだけどなぁ。それが今では、すんなりと受け入れて、その上、のめり込むように読んでしまっているんだからねぇ。そんな自分に驚きですよ。

2007/09/04(火) 10:03 | Bookworm

「青年のための読書クラブ」桜庭一樹


青年のための読書クラブ桜庭 一樹東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校庭の隅に忘れられたようにたたずむレンガ造りの建物。その3階にある「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の「クラブ誌」があった。そこには学園史上抹消された数々の

2007/09/20(木) 19:21 | ナナメモ

「青年のための読書クラブ」 桜庭一樹


青年のための読書クラブ桜庭 一樹 新潮社 2007-06売り上げランキング : 23440Amazonで詳しく見る by G-Tools内容説明山の手のお嬢様学校、聖マリアナ学園。異端者(アウトロー)が集う「読書クラブ」には、100年間語り継がれる秘密があった-。史上最強にアヴァンギャル

2007/09/20(木) 22:09 | 今日何読んだ?どうだった??

青年のための読書クラブ/桜庭一樹 [Book]


 桜庭一樹:著 『青年のための読書クラブ』 青年のための読書クラブ桜庭 一樹新潮社このアイテムの詳細を見る 名門のお嬢様学校である女子高において 100年にわたってひっそり存続してきた 「読書クラブ」。 この読書クラブ誌の記録という形で、 1~5章とそれぞれ

2007/10/10(水) 00:04 | miyukichin’mu*me*mo*

青年のための読書クラブ/桜庭一樹


JUGEMテーマ:読書 読書期間:2007/12/21~2007/12/23 山の手のお嬢様学校、聖マリアナ学園。異端者(アウトロー)が集う「読書クラブ」には、100年間語り継がれる秘密があった−。史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の物語。『小説新潮』掲載に書下ろ...

2007/12/29(土) 14:20 | hibidoku~日々、読書~

青年のための読書クラブ  桜庭 一樹


青年のための読書クラブ 桜庭 一樹 JUGEMテーマ:読書  08-003 ★★★☆☆  【青年のための読書クラブ】 桜庭 一樹 著  新潮社  《女学校で語り継がれる秘密とは、…》  出版社 / 著者からの内容紹介より 東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖...

2008/01/08(火) 08:47 | モンガの独り言 読書日記通信

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。