--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

08.31

「烏金」西條奈加

烏金烏金
(2007/07)
西條 奈加

商品詳細を見る

浅吉は金貸し業に興味を持ったと嘯き、因業な金貸し婆のお吟に取り入る。そして斬新な発想で次々と貧乏人たちを助けつつ、利益を上げていく。いつしか猜疑心の強いお吟も気をゆるし始めるが、浅吉とは偽名であり、お吟の溜め込んだ隠し金を狙っていたのであった。

「ゴメス」シリーズのSF設定が苦手だった自分には持って来いな純和風時代小説。こんなのを待っていました。と言っても「ゴメス」も面白かったです。だけど、あの持ち回った特殊な設定の説明がだるかった。それがすこーんと抜けたんだから面白くないわけがない。だけど大絶賛とまではいかなかった。

浅吉は算術家である師匠の丹羽九厘から学んだ知恵を使い、身売りを考えるお照を救ったり、商売敵に苦しむ八百徳に商売繁盛の策を授けたり、莫大な借金を抱えたのん気な御家人・長谷部義正の借金の返済方法を指南していく。現在の言葉でいう企業アドバイザーというやつ。確実な取立てのためと言いながら、親身になって客の相談に乗る浅吉だから、その後、彼らから信頼を得る上に、お照からは熱い視線をおくられる。

やがて浅吉は相棒である烏の勘左を通して、スリやかっ払いを働く子供たち勝平らに出会い、まっとうに生きるよう商売を教えていく。これら商いを始めていく彼らの姿がとても爽やかで、読んでいてワクワクしてくるものだ。彼ら子供たちの商売も軌道に乗るが、ある事件が起こってしまうことで、浅吉がお吟に取り入ったわけが判明する。そこは自分で読んで確かめてもらいたい。

本書は前半部分で様々な人物たちに種を蒔き、後半部分で実になり浅吉の元へ帰ってくるという趣向。後半はちょっと急ぎすぎかなあと思える部分が垣間見えた。浅吉の幼なじみのお妙絡みの騒動や、少年たちのまっとうな商売の成り行きを、もっと丁寧に描いて欲しかった。欲張りな読者なのでねえ。

それとなぜ浅吉がこれほどまで人のために役立とうとしたのかは、最後までわからなかった。江戸人情だといってしまえばそれまでだが、そこらの背景描写がきっちり描かれていると、もっと楽しめたと思う。そこがちょっと残念。しかし江戸人情は読んでいて気持ちが良いのもほんとのこと。浅吉だけでなく、出てくる人物たちがみんな良い人たちばかり。最後まで江戸人情あふれたお話が楽しめました。

ちょっと辛めに書いたが面白かったのは間違いない。ただ西條奈加さんはこんなもんじゃない。もっと面白い作家になると思うから、ついつい辛めの感想になってしまう。今後も要チェックな作家の1人なのである。

そうそう、タイトルの「烏金」ですが、朝にお金を借りて品物を仕入れ、その品物を売った利益から金と利息をその日の夕方に返すこと。これを「烏金」というそうです。


TBさせてもらいました。ナカムラのおばちゃんの読んだん ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

西條奈加
トラックバック(11)  コメント(14) 

Next |  Back

comments

少年たちのまっとうな商売の成り行き、これは確かに気になるかも!
これも続編あったら楽しそうだなぁ~と欲張りな私は思います(^_^;)
そして、ゴメスの続編も楽しみ。
それ以上に面白い作品を書いてくれることも期待したいですね!

エビノート:2007/08/31(金) 20:48 | URL | [編集]

こんばんは。
おばちゃん何度も挑戦したんやけど
TB貼れへん(泣)
ちょっと辛口コメントなんとなく分かります。
『金春屋ゴメス』の壮大な面白さが書ける人なんやから。
これって面白かったけど
けっこうあっさり普通の人情時代小説やもんね。
そうは言っても
おばちゃんも次回作が待ち遠しい作家さんです。

ナカムラのおばちゃん:2007/08/31(金) 23:38 | URL | [編集]

エビノートさん、おはよう。
少年たちのまっとうな商売の成り行きは気になるよね。
勝平らの商売はその後、どうなったのだろう。

今後の西條さんにもっと期待っすね!

しんちゃん:2007/09/01(土) 10:18 | URL | [編集]

おばちゃん、おはようございます。
TB無理とのことなんで、記事内にリンクを貼りました。
今後も無理だったらいつでも言って下さい。
そのたびにリンクを貼りますから(笑)

もっともっとと期待してしまう作家さんですね。

しんちゃん:2007/09/01(土) 10:23 | URL | [編集]

こういう人情物には弱いので、最後はぐわぁー(T_T)となりながら読んでしまいました^^;
私はSF好きなので、ゴメスも好きですが、こういう「純和風時代小説」も好きなのです。どっちも続編希望。読者は欲張りなものです(笑)
次作に期待できる作家さんですね~!

すずな:2007/09/01(土) 11:43 | URL | [編集]

すずなさん、こんにちは。
純和風時代小説なんて言葉を作りましたが、すずなさんが乗っかった(笑)
でも西條さんに関しては、純和風とつけてもおかしくないっすよね。
新刊が出たばかりですが、読者は次をと欲張りです(笑)

しんちゃん:2007/09/01(土) 16:31 | URL | [編集]

こんばんわ。
少年達の商売の行方…私も気になります。
浅吉のこれからも気になるけど、その後の江戸も見てみたいなぁ。
そんな続編、ぜひ読んでみたいです。

算術家という人々がいることを、この本を読んで初めて知りました。そしたら、その後に読んだ本にも算術家がでてきて…出てくるときって重なるものなんだなぁと、内容とは違うところで感心してしまいました。
この本を読みながら一番気になったことって、浅吉達の解いてた算術かもしれません…。

マメリ:2007/09/03(月) 01:01 | URL | [編集]

マメリさん、こんにちは。
その後は気になるよねえ。気長に続編を待ちましょう。
きっと出るはず。

算術家が出てくる本は何冊か読みました。
だけど、作品名は覚えていません(汗)

しんちゃん:2007/09/03(月) 11:14 | URL | [編集]

辛口ですね~。
西條さんへの期待の高さがよく伝わってきました。

トラバさせていただきました。

藍色:2007/10/04(木) 00:23 | URL | [編集]

藍色さん、読み直すとやっぱ辛いですね。
だけど、これ以上に期待しちゃう作家さんなの。

しんちゃん:2007/10/04(木) 09:38 | URL | [編集]

浅吉のアイディアの豊富さには目を瞠るものがありました。
とても優秀な企業アドバイザーですよね。
そこまでする理由がわたしも初めはわからなかったけれど
お吟婆さんとの関係がわかってからは、憎む気持ちとは裏腹に、やはり助けたい気持ちもあったのかもね・・・と納得していました。

ふらっと:2007/10/25(木) 18:49 | URL | [編集]

ふらっとさん、複雑な○○愛を描いた作品だったのでしょうか。
もうちょっと浅吉の心情が知りたかったです。
企業アドバイザーぶりは面白かったですね。

しんちゃん:2007/10/26(金) 10:17 | URL | [編集]

西條さんは、SF設定なしの、ストレートな純和風時代小説(私も使ってみました)を書いてもうまいんですね。
次はどんな作品を読ませてくれるのか、楽しみです!

june:2008/02/14(木) 20:15 | URL | [編集]

juneさん
ふつうの時代小説なんだけど、自分が作った言葉なので乗ってみよう。
純和風時代小説もいいですよね。というか、こっちの方が好みでした。

しんちゃん:2008/02/14(木) 22:39 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

烏金 〔西條 奈加〕


烏金西條 奈加 光文社 2007-07売り上げランキング : 7738Amazonで詳しく見る by G-Tools≪内容≫婆さんが溜め込んだ金、いただくぜ! 因業な金貸し婆・お吟のもとで押しかけ居候を始めた浅吉。職がないという浅吉は、金貸し業の手伝いを申し出た。浅吉は、新しい発...

2007/08/31(金) 20:44 | まったり読書日記

烏金(西條奈加)


江戸を舞台にした人情物・・・かな。くぅーっ!こういうラストには弱いんだよなぁ。。。泣きながら読了しちゃったよ。

2007/09/01(土) 11:45 | Bookworm

『烏金』 西條 奈加


婆さんが溜め込んだ金、いただくぜ! 因業な金貸し婆・お吟のもとで押しかけ居候を始めた浅吉。職がないという浅吉は、金貸し業の手伝いを申し出た。浅吉は、新しい発想で次々と焦げ付いた借金をきれいにし、貧乏人たちを助けつつ利益を上げていく。しかし浅吉には実は秘密の

2007/09/03(月) 00:29 | お菓子を片手に、日向で読書♪

烏金  西條奈加


『金春屋ゴメス』の西條奈加さんの新作『烏金』です。今度はどんな設定でくるのかと思ったら、物凄くしっかりとした時代小説の人情劇なんで少し驚きました。時代ファンタジーから本格時代小説にシフトチェンジしちゃうのかしらん。とはいえ主人公を金貸しにして、しかもただ

2007/09/24(月) 00:26 | 今更なんですがの本の話

烏金 西條奈加


装画はフジモトマサル。装丁は片岡忠彦。書き下ろし。語り手で自称、百姓の倅の浅吉は金貸し婆・お吟を助け取り立て手伝いを開始。新しい発想で次々と回収し利益を上げ客たちに恩恵も。でも大金を狙う秘めた目的が。

2007/10/04(木) 00:25 | 粋な提案

烏金*西條奈加


烏金(2007/07)西條 奈加商品詳細を見る婆さんが溜め込んだ金、いただくぜ! 因業な金貸し婆・お吟のもとで押しかけ居候を始めた浅吉。職がないという浅吉は、金貸し業の手伝いを申...

2007/10/25(木) 18:50 | +++ こんな一冊 +++

烏金/西條奈加


読書期間:2007/10/29~2007/10/31因業な金貸し婆、お吟のもとに現れた謎の若い男、浅吉。お吟のもとで押しかけ居候を始めた浅吉には、実は秘密の目的があった…。相棒の烏、勘左とともに、浅吉が貧乏人を救う!

2007/11/04(日) 00:52 | hibidoku~日々、読書~

「烏金」西條奈加


烏金 「金春屋ゴメス」のシリーズがおもしろかったので、これもすごく楽しみにしてました。楽しみにしてたわりにずっと「とりきん」というタイトルだと思ってましたが・・。 「烏金」というのは金貸しでも、明烏のカァで借り、夕方のカァで返すという日銭貸しのことだ...

2008/02/14(木) 20:12 | 本のある生活

烏金 西條奈加


烏金 ■やぎっちょ読書感想文 お金の話。ちょっと勉強になった 西條さんは金春屋ゴメスシリーズしか読んだことがありませんでしたが、なんとこの本はまたすごいですね。 まず知識量。江戸末期の借金のこと、ルールから法制、そして利息と裏稼業のやり口まで実に細...

2008/06/03(火) 19:53 | \"やぎっちょ\"のベストブックde幸せ読書!!

烏金


烏金/西條 奈加 ¥1,470 Amazon.co.jp 「烏金」 西条奈加・著 光文社・出版 『江戸時代、財テク経済小説』  高利貸しのばあさん、お吟のところに若い浅吉という男が現れます。 お吟のかわりに、返済が滞っている相手の取立てをてやるといいます。 又

2008/06/09(月) 00:10 | 個人的読書

烏金/西條 奈加


金貸しの業突くババァお吟の元へ、給金もいらねぇからとりあえず俺を雇ってくれ! とやってきた浅吉。因業な一人身の老体はまず首の回らなくなった3人から取り立ててこいと云う。浅吉は彼らのもとへ行って、なんとか借金しなくても生活できるようあれこれ思案し、自ら遠

2010/10/21(木) 00:18 | ◆小耳書房◆

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。