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    2007

09.06

「サウダージ」垣根涼介

サウダージ (文春文庫 か 30-3)サウダージ (文春文庫 か 30-3)
(2007/08)
垣根 涼介

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本書を読む前に、「ヒートアイランド」「ギャングスター・レッスン」を読むことをお薦めします。

日系ブラジル人の高木耕一は、かつて柿沢率いる裏金強奪のプロ集団にいたのだが、おまえには大事なものが欠けている、と初仕事の前に三行半を突きつけられて以降、柿沢に仕込まれた知識をフル活用して一人次々と悪事を働いていた。そんな耕一はコロンビア人の出稼ぎ売春婦DDと出会い、金のためなら何でもする女、精神のバランスを欠きおまけにアタマも悪いと知りながらも、DDに惹かれ、引き摺られていく。耕一はふとしたきっかけで、コカインの大口取引があるらしいという情報をつかんだ。DDのために大金を獲ようと、耕一はかつて自分を捨てた仲間、柿沢に接触する。

相変わらず車のドライブ・シーンは渋い。なんといっても垣根さんの車への愛が溢れている。唸るエンジンが作る臨場感。時速三百キロの極限の世界をアキが疾走し、桃井が煽る。男のロマンだ。かっこよすぎる。というわけで、前述した「ヒートアイランド」「ギャングスター・レッスン」のその後の物語です。

高木耕一のストーリーと平行して、アキ・桃井・柿沢たちのストーリーが進行し、やがて交わっていく。まず耕一のストーリーだが、これがなんとも強烈でちょっとひき気味な自分がいた。まず耕一とDDの性描写が露骨で過激すぎて汗が出る。それにDDのラテン系の暴れ馬ぶりがぶっ飛んでいて、少しついていけない感もある。耕一の残虐性もまた受け入れられない。

それに対してアキ側にはニヤリ笑いしっぱなし。桃井のすすめでアキは初めてまともな女性と恋をする。「ヒートアイランド」で渋谷のストリートギャングのヘッドだったアキが、和子、あっくん、なんて呼び合って健全なデートをするのだ。これが笑わずにいられるかいな。アキってこんなに軟弱だったかと疑問に感じもしたが、こんなのも嫌いじゃない。その和子との付き合いを通してアキが成長していくのも読みどころといえるだろう。

「ワイルド・ソウル」に引き続き、本書にも日系ブラジル人が受けた、日本国からの仕打ちが色濃く描かれている。その影を引き摺ったのが高木耕一。なんともすっきりしない秘密主義な男で、悪者なのだが何故かコロンビア人のDDに尻に敷かれている。好きになれないなあと思っていたが、ラストの彼の行動には執念を感じた。

今回の強奪場面はやけにシンプルなものだった。悪くはないんだけど、つい「ヒートアイランド」の過激さを求めてしまう。よって本書も「ヒートアイランド」超えはなしの結論。でもそこらにあるハードボイルド作品よりは高い水準をキープ。読んで損はなしです。

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垣根涼介
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comments

アキの恋愛は、読んでいるほうが照れましたね(^^
私は「ギャングスター・レッスン」を読み飛ばしてしまったので、尚更です。
いつも思うのですが、垣根さんの本はラストが良いですよね~。
また、読みたくなりますね♪

ia.:2007/09/07(金) 02:23 | URL | [編集]

ia.さん、アキの初心さが可愛かったです。

「ギャングスター・レッスン」は期待ハズレだった。
だけど、桃井の過去は読んだ方がいいかも。
アキに何も望まなければ楽しめると思います。

しんちゃん:2007/09/07(金) 08:18 | URL | [編集]

あの渋谷を仕切っていたアキとこのアキ、ギャップありましたね~。(笑)可愛いし。
アキともう一人の若者が主人公かと思っていたら、あのおじさん3人組の方がメインだったんですね、と気付いたのがこの作品でした。

じゃじゃまま:2007/09/09(日) 12:32 | URL | [編集]

ままさん、アキのイメージがどんどん変わっていくね。
前の尖ったアキが好きだけど、もうどうにでもしてくれって感じ。
カオルでしょ。彼のその後がすごく気になります。
いつか登場するのかな?それとも無理かなあ。

しんちゃん:2007/09/09(日) 16:33 | URL | [編集]

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【垣根涼介】サウダージ


 『ヒートアイランド』、『ギャングスター・レッスン』に次ぐ第三弾とあらば当然アキが主役かと思ったのだが、今にして思えばこのタイトル――サウダージ…二度と会えぬ人や土地への思慕――からしてアキが主役ではあり得ないのか。文春文庫 2007/8/10 第 1 刷 し....

2007/09/06(木) 21:58 | higeruの大活字読書録

サウダージ 垣根涼介著。


ほ~、なるほど。 私がこの間読んだ本の続編は存在していたわけね。 アキのその後。桃井と柿沢も健在だった。折田のおっさんもちょこっと出てきてお元気そうでなにより。 ちょっと寂しかったのはカオルがまったく出てこなかった。この先カオルのその後を書いた話が出てくる

2007/09/09(日) 12:29 | じゃじゃままブックレビュー

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