2007年09月08日 (土) | 編集 |
![]() | 夢の守り人 (偕成社ワンダーランド) (2000/05) 上橋 菜穂子二木 真希子 商品詳細を見る |
新ヨゴ皇国の北にひろがる青霧山脈のなか、バルサは奴隷狩人に追われる男を助けた。その男・ユグノのは木霊の想い人と呼ばれる存在で、彼の歌は聴いたものの寿命をのばすという特殊なものだった。追っ手から身を隠すのに丁度良いと、二人はバルサの幼馴染・タンダの家を目指す。一方のタンダは魂の抜けてしまった姪のカヤについて、師の呪術師であるトロガイと話あっていた。かつてトロガイが若い頃に湖の底にある白木の宮で、花番から聞いた「花の夜」の話をトロガイは語る。ここにある庭の芽が、数十年後にはそだって、満開になると「花の夜」がやってくる。そのとき受粉をするために、あなたの世界から「夢」たちがさそわれると。花はこの世をはかなんでいる者へ、望む夢を見せてくれる。かつてトロガイがそうなりかけたように。そして夢からさめたくない者は、心地よい夢をみながら死に向かってゆく。タンダはカヤを助けようと、逆に「花」に魂を奪われ「花守り」となってバルサたちを襲う。バルサはタンダを助けるために、命をかけて助けようとする。
長〜い内容紹介になりましたが、補足をしておきます。「花」に魂をさらわれたのはカヤだけでなく、新ヨゴ皇国の一ノ妃やチャグムも取り込まれてしまう。だが魂は奪われたが夢だけは守り抜いたタンダによって、チャグムは助けられる。そしてタンダによって、「花」が人の恨みに支配されて暴走をしていると、バルサたちに伝えられた。バルサ、トロガイ、チャグム、ユグノ、そして星読博士のシュガ、狩人のジンたち、「精霊の守り人」のオールキャストが揃って活躍します。
今回はトロガイの過去だったり、タンダとトロガイの出会いだったりと、バルサ以外の人物にスポットがあたっています。ファンタジーの説明も今回はわかりやすく、問題なくすーっと読む事が出来た。ただ、夢にさそった張本人であるユグノの無責任さが、なんだかイラついてしまうものがあった。前半部分でもう少し彼に照明をあてた描写があれば、もっと面白いものになっただろう。
本書は派手な戦いよりも人の心の弱さをメインに描いている。つらい出来事に心が折れた人や、待ち受ける未来に希望を望めない人たちが、自分にとって居心地の良い夢の世界へと現実逃避をする。そんな人たちに、時間がたてばつらい気持ちも和らぐし、生きていくのは悪いことばかりでなく良いこともある。そんなことが上橋さんからのメッセージとして、本書に込められている。
このシリーズも三冊目を読了し、楽しみ方がようやくわかってきた気がする。「精霊の守り人」ではファンタジー色に苦労をしたが、だんだん馴れてきて普通に楽しむことができるようになった。というか、続きを読むのが楽しみになった。三冊読んだのでカテゴリ化をしたし。
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