2007
![]() | 正義のミカタ―I’m a loser (2007/05) 本多 孝好 商品詳細を見る |
高校時代にとことんイジメられていた蓮見亮太は、大学生になってデビューしようと思っていた。そこへ現れたのはかつて自分をイジメていた同級生の畠田で、前は千円だったがもう大学生だから二千円だせとボコボコに殴られていた。そこへ桐生友一が現れ、畠田をあっという間にやっつけてしまった。そしてトモイチと呼んでくれという彼に連れられ部室に行くと、いきなり入部テストだと言われて、俺のパンチを避けろとなる。お前ならできるの言葉に単純に頑張った亮太は認められ、部長、優姫先輩、一馬先輩、亘先輩、トモイチらと固めの杯を交わした。その後で知ったのが、ここが正義の味方研究部であるということ。ここでは正義とはどういうものかを研究し、大学内でそれを実践しているということだった。
まずはじめに言っておきたいのだが、序盤の段階で読むのを辞めようと思った。亮太のイジメられっぷりや卑屈な態度がすごく不愉快。それに亮太を見下す自己中な妹にムカついた。図書館本ならこの時点で本を投げ出しただろう。だけど身銭を切った本なので、もうちょっと頑張ってみようと読んでみた。するとトモイチが出るあたりで面白くなってきた。しかし新歓コンパで起こった問題を解決したりと、正義の味方研究部の活動内容はかなりしょぼい。それに先輩や部長の武勇伝もしょぼい。だけど亮太とトモイチの童貞コンビのやり取りや、蒲原さんへの亮太のへっぴり腰な恋が中々楽しくてにやけてしまう。それにボクシングでインター杯三連覇だったトモイチから、戦い方の指導と特訓を受ける亮太の姿は微笑ましかった。だけど亮太の根っこはマイナスな性格なので、時折みせる負の思考は盛り上がりに水を差してしまう。トモイチの性格はわかりやすいのに。いっそトモイチが主役なら痛快なものだったろう。
中盤から企画サークル部に潜入して、裏でなにをしているのか探っていくのだが、怪しい人物はすぐにわかってしまうし、なんか哲学的な内容になってつまらない。上には上の、中には中の、下には下の希望がある、なんて階級格差を考えたり、世界は不公平だとか言われても、はあ、そうですかという感じでピンとこない。それに正義とは何かと亮太が悩んである決断をするのだが、その結末が腑に落ちない。何故大学生にもなった大人が暴力で解決しようとするのだ。それに部長のあの行動はなんだったのか。はっきりしないモヤモヤが残るし、亮太の恋もいつの間にかフェイドアウトしている。あの時計が原因なのかな??
前にも書いたが、本多さんの本はどこか納得がいかない。今回本書を読んでも嫌いじゃないけど、どこが良いのかイマイチわからなかった。相性が悪いわけではないが、良いとも言えない。などと言いつつ、また読んでしまった。ほんと不思議な作家だ。
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