--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

09.19

「虹色天気雨」大島真寿美

虹色天気雨虹色天気雨
(2006/10/20)
大島 真寿美

商品詳細を見る

お~い!アマゾンよ。表紙の良さがまったく伝わらんではないか。ったくもうっ。

朝の五時半に幼なじみの奈津の電話で起こされた市子は、一人娘である美月を預かるよう押し付けられた。奈津の夫が二百万を持って失踪したので、これから探すということだった。この小学生の美月が、勝手知ったる他人の家という感じで堂々とし、私は何も知らないことになっているから何も聞かないで、という大人びた少女で手強い。そんなこんなで中々見つからない夫に見切りをつけた奈津は自立をし始め、気の合う仲間である、まりや三宅ちゃんたちと楽しみながらも、市子は忙しくも楽しい日常を過ごしていく。

夫探しがメインではなく、一緒にいて気の置けない仲間たちと、わいわいがやがやとした交流の中で力強く生きていく。大人のお友達とはこうだ、というのを描いた作品です。

お互いに大人なのでべたべたとした付き合いではなく、これ以上は踏み込まないという距離感が絶妙。それでいて昔から知っているので、それぞれに生活の環境が変わっても、本人自身は変わっていないなあ、なんて思うところがすごく共感できた。

特に良かったのが美月の運動会の場面。奈津に誘われて市子が運動会に行けば、まりもいるし、三宅ちゃん一行である三宅ちゃん、土方さん、土方さんの奥さんの洋子さん、究さん、経理のバイトの小糸ちゃんと集まり、仲間の娘の晴れ舞台が、いつのまにか宴会場のような雰囲気になっている。うわー、いいなあ。こういう関係に憧れるなあ、なんて思ったり、美月の出る障害物競争に、声を張りあげ力いっぱい応援する姿が微笑ましくて、泣けてきそうになった。後日に運動会の写真が土方さんから送られてきて、市子はその大量のスナップを見て、あの日の空気がそこには満ち満ちていると感じ、こんなにたくさんの一瞬があの一日を作っていたと気づく。こういう何気ない描写を切り取るのが大島さんは上手い。透明感のある文章が心に浸みてくるのだ。

その運動会で土方さんがビデオを撮りながら語っていたのが印象的だった。「奈っちゃんの旦那は、こんないい時を娘といっしょに過ごさずに何やってんだろうなあ。ったく、おれは腹が立って仕方ないよ、せっかく授かった宝じゃないか。おれ、このビデオを、いつか、奈っちゃんの旦那が戻って来たら観せてやるからな。無理やりにでも観せてやる。観たら、歯ぎしりしたくなるくらい、この場にいなかったことが悔しくてたまんなくなるくらいの超大傑作にしてやる。お前はこの時、この子をほったらかして、逃げ出してたんだぞ、ってな。おれは言ってやりたいのよ」 土方さんめっちゃ男前っす。

市子にしろ奈津にしろ、まりや三宅ちゃんたちが一所懸命生きている。それがすごく素晴らしくて気持ちが良かったです。読後もさわやかで爽快。自信を持ってお薦めできる一冊でした。


大島真寿美さんのサイン。

大島1


他のサイン本はこちらをクリック。→「サイン本」

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

大島真寿美
トラックバック(7)  コメント(10) 

Next |  Back

comments

こんばんは
ほんまに気持ちよく読めた作品でしたね。
運動会、賑やかで優しさあふれた素敵なシーンでした。
大島さんてきっといい人やろなぁと
大島作品読むたびに感じます。

ナカムラのおばちゃん:2007/09/19(水) 23:11 | URL | [編集]

おばちゃん、おはようございまーす。
運動会の場面はすっごく印象に残りました。
土方さんの言葉に、大島さんの人柄が出ますよね。たぶん。
これまで読んだ中でも上位にくる作品でした。

しんちゃん:2007/09/20(木) 08:33 | URL | [編集]

淡々としているようで、確固としたものがある・・そんな感じの作品でしたよね。
シュチュエーションとか、人物とか、大島さんらしいなって思いながら読みました。

ゆう:2007/09/20(木) 09:15 | URL | [編集]

運動会のシーンはよかったですよね!
そのシーンの輝きが、大切な一瞬のかけがえのなさのような気がして、ぐっときました。

june:2007/09/20(木) 09:32 | URL | [編集]

ゆうさん、まいどー。
大島さんの、ほのぼの系な日常が大好きです。
重いのも悪くないけど、こんなのばっか読みたいな。

しんちゃん:2007/09/20(木) 16:41 | URL | [編集]

juneさん、でしょ、でしょ!すっごく良かったよね。
あまりに良かったので、そのことばかりを書いてしまいました。

しんちゃん:2007/09/20(木) 16:43 | URL | [編集]

夫探しははじっこでしたね。普通は夫が失踪!なんて大事件なのに、そんなこともはじっこで、仲間とはなんぞや、と素敵な話でしたね。仲間っていいな~~、こんな仲間がいたらな~って思いましたよ、つくづく。

じゃじゃまま:2007/09/20(木) 21:15 | URL | [編集]

ままさん、普通なら大事なのにいつの間にか自立してたね。
しかも仲間とどんちゃん騒ぎ。ありえんけど、いい。
それにこんな楽しい仲間は欲しーい!

しんちゃん:2007/09/21(金) 08:25 | URL | [編集]

こんにちは、、。
大島さんの作品はぽわーんとしている感じが好きです。

indi-book:2009/06/12(金) 02:38 | URL | [編集]

indi-bookさん、こんばんは。
大島さんのこの柔らかい雰囲気に癒されますよね。

しんちゃん:2009/06/12(金) 17:17 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

虹色天気雨  大島真寿美


虹色天気雨  大島真寿美小学館 中学校からの幼なじみである奈津の夫 憲吾が姿を消した。 市子は、早朝に電話でたたき起こされ、奈津のひとり娘・美月を預かることになる。 奈津は憲吾を探しに出かける。 思い当たる場所をすべて回るが憲吾は見つから...

2007/09/19(水) 23:01 | ナカムラのおばちゃんの読んだん

虹色天気雨 大島真寿美


幼馴染の奈津の夫が失踪、その一人娘である美月を預かることになってしまった市子。そして、しっかりと支えてくれている友人達・・・。気の置けない昔からの友人との交流の中で、過ぎていく日々をかみ締め、別れや出会いに翻弄されつつも、力強く生きていく人々の人間模...

2007/09/20(木) 09:13 | かみさまの贈りもの~読書日記~

「虹色天気雨」大島真寿美


虹色天気雨大島さんの本は、表紙がかわいらしくて、すごく気になっていたんです。でもなんだかガーリーすぎて手に取るのが恥ずかしかったりして、読まずにきました。それがほんぶろの特集ページで、まみみさんが大島真寿美さんが好きとおっしゃってるじゃありませんか。....

2007/09/20(木) 09:33 | 本のある生活

虹色天気雨 大島真寿美著。


なんか不思議。大島ワールドが生み出す空間って、江國さんと似てると思ったんだけど、江國さんの空間って、たとえば内巻カールでふわりとした膝丈のスカートが似合う日常なのに対し、大島氏の空間は、お洒落というより、どちらかというと見てくれなんか気にしない!って女の

2007/09/20(木) 21:14 | じゃじゃままブックレビュー

『虹色天気雨』大島真寿美


虹色天気雨 大島真寿美/小学館ある日突然、幼なじみ奈津の夫・憲吾が姿を消した。市子は、夫捜しに奔走する奈津から一人娘の美月を預かる。女性の影もちらつく憲吾の失踪だったが、市子も、まりも、三宅ちゃんも、究さんも、土方さんも、いつもと変わらず、美月の運動会に集

2007/09/24(月) 00:08 | ひなたでゆるり

虹色天気雨


虹色天気雨 (小学館文庫)/大島 真寿美 ¥520 Amazon.co.jp 「虹色天気雨」 大島真寿美・著 小学館・出版 『集まるだけでなんか楽しい、女友達でワイワイ。』  前作の「ほどけるとける」が、面白かったので、読んでみました。    市子は、ある日早朝...

2009/06/12(金) 02:36 | 個人的読書

虹色天気雨 / 大島真寿美


「友達に会いたくなる大人の女性友情小説」らしい。 中学時代からずっと付き合いが続いている女3人。仕事や結婚、出産でそれぞれの立場は違っているけれど、お互いに文句をいいつつもフォローしあっているような感じ。 他の本を読んでいる時だっただろうか、「友人...

2010/09/26(日) 19:15 | たかこの記憶領域

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。