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    2007

09.24

「またたび峠」藤谷治

またたび峠またたび峠
(2007/07/26)
藤谷 治

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時は江戸時代。ジスケは裕福な商家に生まれ育ったものの、両親が芝居見物に出かけたまま姿を消してからは、親類にないがしろにされ、仲間には恵まれず、あげく住まいや食べるものはおろか、身にまとうものさえ半纏のほか何もかもとられて、生きていられぬほど追い詰められたが、偶然にも塵点寺の良蹟和尚に助けられた。あれから四年ほど塵点寺で寺男として働いていたジスケは、今は去ること二十年ほど前に姿を消した、唯一の友達であった鮒丸という猫と再会した。その数日後には、目と鼻の先にスーパークライシスが迫っているので、これから旅にでないといけない、と猫の鮒丸が突然ジスケに語りかけてきた。ジスケはなんだか判らないまま、どこだか知らぬまたたび峠とやらへ、鮒丸に連れられて旅立つことになった。

「いなかのせんきょ」と同様に、ストーリーの前後に講談口調の説明があります。だからわかりやすかったです。前半部分は、ジスケがどんどんと没落していく情景が描かれ、中盤からは、ジスケと鮒丸の旅が始まる。

本書は理屈付けて読むと間違いです。ふむふむ、それからどうした、と何も考えずに読んでいけば、きっと楽しい物語が楽しめるだろう。軽妙な鮒丸のおしゃべりに、少し幻想的な世界。そしてただ流されていたジスケが、最後にはキレル。どこか憎めない滑稽な叔父やバカ息子たちに、突然現れるおさきという女性。すべてが行き当たりばったりなんだけど、何故だかすんなりと読めてしまう。それに藤谷さんのセンス光る名詞が、そこらじゅうに散りばめられている。それにラストのあれは…、うーん、あれに触れるのは止めておこう。

ちょっと不思議な世界を通過するジスケたちですが、これはこういう原理だという説明がなかったのが良かった。執拗に尋ねるジスケに対して、人間的な概念は猫にはない、と鮒丸がわからないまま押し通してくれているのがありがたい。これをグダグダと説明されると、もうええわい、と投げ出してしまう。自分にはピッタリなものだった。

この本とセットになった「いつか棺桶はやってくる」を読みましたが、表題になっている「つんつるてんの男」というキーワードは、なんとなく意味がわかりました。まったく絡み合わない二冊だけど、読めば気づくと思うので、あえて明かすのは止めておきます。

さあ、藤谷さんの新作よ、いつでも掛かってきなさい。次回作を待ってまーす。

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藤谷治
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