--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2007

10.05

「東京・地震・たんぽぽ」豊島ミホ

東京・地震・たんぽぽ東京・地震・たんぽぽ
(2007/08)
豊島 ミホ

商品詳細を見る

関東地方で最大震度6強の地震が発生した。そのとき人々は、その後人々は。14の短編集です。

十六日に東京に地震が来るという噂に、逃げるという選択をした男。その男が故郷で出会ったのは…。「僕が選ばなかった心中、の話」

広い空のある大好きな公園で、恋人に妊娠を告げる女性。そのとき大地震が発生し、女性は公園の持つ真の意味を知る。「空と地面のサンドイッチ」

体育の授業中に地震に遭い、急いで家に帰った少年。その少年が家にたどり着き、助けようと必死になったのは妹ではなく…。「ぼくのすきなもの」

瓦礫の下敷きになった子育てに疲れた主婦は、ひたすら人生を思い返しながら、生きることを諦めていた。「くらやみ」

避難所生活に実感がわかない少女。友達と無邪気にはしゃぐが、ある出来事をきっかけに地震の恐怖を知る。「僕らの遊び場」

特養ホームに残って働く女性と、家族が迎えに来ない老婆。そこへ女性の身内が訪ねてくるが…。「ついのすみか」

耐震構造のしっかりした高層マンションに住む芸能人。一人でいる自分に不安に怯えるが、その頃下界では家が潰れて火事の煙が上がっていた。「宙に逃げる」

人の雪崩に巻き込まれて重症になった少女は、病室のベッドの上で、弟が自分を見つめる顔を見て、必要とされていたあの頃を思い出す。「だっこ」

少女は同級生の悪ぶった態度に憧れた。その同級生と避難所で再会した彼女は、同級生に流されるまま悪事に走る。「どうでもいい子」

妻とすれ違った生活を送っている男は、妻と娘の待つ帰宅を選ばずに、会社の待機組に志願した。そして後輩女性に誘われ…。「夢を見ていた」

震災のドサクサに紛れて放火を命じられた男は、相棒とともに現場のビルへ向かうが、エレベーター内に閉じ込められた人がいることに気づいてしまった。「出口なし」

かつてイジメられ、親友にも裏切られてその地を去った少女が、震災を機に復讐という目的を持って帰ってきた。「復讐の時間」

神戸の震災を経験していたフリーター兼自称DJの男は、人々を元気づけようと、公園でライブ・イベントをしようとする。「パーティにしようぜ」

遠距離恋愛中だった恋人を地震で亡くした女性は、三ヶ月経った今も悲しみが癒えなかった。そして出張を機に彼の死んだ場所を訪れる。「いのりのはじまり」

好きだった作品は、「空と地面のサンドイッチ」「くらやみ」「僕らの遊び場」「宙に逃げる」「復讐の時間」「パーティにしようぜ」でした。それぞれに切ないもの、シニカルなものなど、味があって良かったです。特に「パーティにしようぜ」は、震災という暗い雰囲気の中で、前向きに生きようとする人物が、とても爽やかで好印象でした。

自分は阪神淡路大震災では、なんちゃって被災者でした。怪我もしなかったし、身内に不幸もありませんでした。CDケースが落ちて三枚割れたこと。熱帯魚水槽の水が半分に減ったことぐらいでした。しかし別のところでは被害にあっていました。その頃、住居とは別にマンションの一室を持っていました。その部屋はマンション六階にあったのですが、後日に玄関を開けてみると、リビングにあった家具が玄関に倒れていました。一瞬ぽかんとするが、それぞれの部屋を調べてみると、そこはものの見事に廃墟となっていました。マンションはわざと揺れる構造になっていますが、その家具の荒れようには、唖然とした驚きを覚えました。テレビで観た非現実的な神戸の街並みよりも、玄関まで転がりこんでいた家具が、自分にとっての阪神淡路大震災の、リアルを感じた瞬間でした。

本書は地震の怖さというものをテーマに描いた本ではありません。地震が発生したときに、人がこんな行動をするんじゃないか、こう思うんじゃないだろうか、という「人」を描いたフィクションです。その「人」たちを追って読むだけなら面白かったです。だけど所詮は小説と言って割り切って読めばいいのだが、温度差みたいなものを感じてしまった。大阪市内在住のなんちゃって被災者なのですが。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

豊島ミホ
トラックバック(12)  コメント(16) 

Next |  Back

comments

なるほどねぇ~
リビングの家具が玄関に、ですか。
しんちゃんの「温度差」の意味がわかりました。

なな:2007/10/05(金) 19:39 | URL | [編集]

わたしも大阪のなんちゃって被災者です。
地震の日、前日夜遅くまで遊んでいたので、たまたま実家に帰っていました。けっこう揺れましたよね。地震が落ち着き、1人暮らしのマンションに帰ったら、いろいろ物が落ちてて、テレビデオが床に落ちる寸前でした。しんちゃんの記事を読んでいると、余震がくるのが怖くて、実家に飛んで帰ったのを思いだしました。(作品に関係ないことでスミマセン)
この作品、私も面白く読みました。

naru:2007/10/05(金) 19:43 | URL | [編集]

こんばんは。しんちゃん。
なるほどなるほどです。
ななさんも書いてられるように、『温度差』の意味がわかりました。
所詮、小説、いやでもわりきけない部分があるの、よくわかります(苦笑)

ゆう:2007/10/05(金) 21:46 | URL | [編集]

私も被災者ってわけではないけれど、地震の怖さを思い返すきっかけになった一冊でした。
どこにいても地震に見舞われる可能性はあるんだということを、頭においておくことが大事なんでしょうね。

エビノート:2007/10/06(土) 00:44 | URL | [編集]

体験談、興味深く読みました。
小説と体験で起きた温度差…
通常とは違う読書になってしまったんですね。

藍色:2007/10/06(土) 01:34 | URL | [編集]

ななさん、ビックリしたよ~。
2メートルの大きさのものが、デンと横たわってるんだから。
もし玄関扉が内開きだったら、中に入れないところでした。

しんちゃん:2007/10/06(土) 09:32 | URL | [編集]

naruさん、かなり揺れましたよね。
その後の余震の中、仕事場に向かいました。
あちこちのマンションの壁にもヒビがいってました。
今考えると、耐震構造に問題があったのかな。
マンションの揺れは怖いよね。

しんちゃん:2007/10/06(土) 09:42 | URL | [編集]

ゆうさん、当時の地震とリンクしてしまうんです。
でも人間模様とかは楽しめましたよ。
何で妹を助けへんんねん、って怒ったり。

しんちゃん:2007/10/06(土) 09:45 | URL | [編集]

エビノートさん、緊急リュックは用意しました。
地震はまさかでは遅いですもんね。
出来る自衛はやっておかなくちゃ。

しんちゃん:2007/10/06(土) 10:43 | URL | [編集]

藍色さん、通常とは違う読書になりました。
黒いの好きなんだけど、乗れなかったです。
まあ、被災者を笑えないのは、当たり前なんだけど。

しんちゃん:2007/10/06(土) 10:47 | URL | [編集]

温度差があったっていうの、なんとなくわかりますー。
わたしも自分自身が体験したんじゃないんですけど、友達とか同僚の話を聞くそれと読んだ作品とが乖離してる感じしました。「人」に絞って読むとおもしろく読めたんでしょうね。

まみみ:2007/10/09(火) 18:49 | URL | [編集]

まみみさんは兵庫だから、もっと近いよね。周りにいる方たちの話も、もっとリアルだったと思います。
ほんとの被災者じゃないけど、小説ってわかっていながらも、こんなのでいいのか、という疑問を感じながら全篇を読みました。
テーマが近すぎたのがねっ。

しんちゃん:2007/10/10(水) 17:36 | URL | [編集]

こんにちは。
私もこの作品は「地震」ではなく「人」を描いた作品だな~と思いながら読みました。
たしかに「地震」に関しては、リアリティをあまり感じられなかったような気がします。「大地震」と呼ばれるものには遭遇してない私がいうのもなんですが・・・。

すずな:2007/10/23(火) 16:41 | URL | [編集]

すずなさん、こんばんは。
地震を経験していない豊島さんには、荷が重いテーマでしたね。
迫ってくるものが感じられませんでした。迫りすぎも嫌だけど。
人を読む分には面白かったです。

しんちゃん:2007/10/23(火) 16:58 | URL | [編集]

私は東海大地震が本気で怖いので、そういう意味で冷静に読めませんでした。
でも、実際の地震を知っているだけに温度差を感じたというの、なんだかわかる気がしました。テーマがテーマだけに小説だからと割り切れない部分がどうしてもあるでしょうね・・。

june:2008/01/17(木) 21:18 | URL | [編集]

juneさん
地震は怖いよね。和歌山沖地震にビビってます。
うちの近くに断層があるんですよ。
すんなり世界に入っていけないテーマでした。

しんちゃん:2008/01/18(金) 19:20 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

豊島ミホ『東京・地震・たんぽぽ』


14人の人生を描いた書き下ろし短編集。

2007/10/05(金) 19:24 | 待ち合わせは本屋さんで

「東京・地震・たんぽぽ」豊島ミホ


東京・地震・たんぽぽ豊島 ミホ5月のよく晴れた日、東京を大地震が襲う。震度は6強。古い建物は倒壊し、街のあちこで火の手があがっているようだ。地震の時、東京に居合わせた人、居合わせなかった人、14人のショートストーリー。夢中で読みました。東京で大地震が起きる前

2007/10/05(金) 19:38 | ナナメモ

東京・地震・たんぽぽ 豊島ミホ


東京で起こった大地震をモチーフに、被災者の人間模様を繊細に描く連作短編十四編。大地震発生前後の被災した人々の日常と、“大地震”という予想しえなかった現実とが巧く絡ませて描かれ、思わず自分と置き換えながら読んでしまった。地震そのものの描写は心なし希薄...

2007/10/05(金) 21:45 | かみさまの贈りもの~読書日記~

東京・地震・たんぽぽ 〔豊島 ミホ〕


東京・地震・たんぽぽ豊島 ミホ 集英社 2007-08売り上げランキング : 27147おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools≪内容≫東京で大地震発生―。「その時」露わになる、心の奥底とこれまでの人生すべて。瓦礫の街で芽生えるのは、悲しい孤独?それとも明日を....

2007/10/06(土) 00:38 | まったり読書日記

『東京・地震・たんぽぽ』豊島ミホ


東京・地震・たんぽぽ豊島 ミホ 2007/8/30発行  集英社 P.203 ¥1.365★★★★★僕はマシなほうの選択をしたはずだ。それなのに、よかった、とは思えない。もしかしたら、ずいぶん長いこと後悔することになるのかもしれないとさえ思う。身体に傷ひ

2007/10/06(土) 00:53 | ほんだらけ

東京・地震・たんぽぽ 豊島ミホ


装画は中川貴雄。装幀は大久保伸子。書き下ろし短編集。五月のある日、東京で大地震が発生―。多様な境遇の男女14人が織り成す、悲しみと希望の群像劇。震災で現れる、これまでの人生と心の奥底。潜んでいて隠したり目を背けて

2007/10/06(土) 01:34 | 粋な提案

東京・地震・たんぽぽ/豊島ミホ


読書期間:2007/10/5~2007/10/6東京で大地震発生―。その後に来るのは悲しい孤独? それとも明日を生きるための勇気と希望? 「その時」露わになる、14人の心の奥底とこれまでの人生すべて。25歳の作家が恐れと祈りをこめて描いた書き下ろし短編集。東京で震度6強の地

2007/10/07(日) 22:17 | hibidoku~日々、読書~

「東京・地震・たんぽぽ」 豊島ミホ


東京・地震・たんぽぽ豊島 ミホ 集英社 2007-08売り上げランキング : 88462Amazonで詳しく見る by G-Tools内容説明東京で大地震発生−。その後に来るのは悲しい孤独? それとも明日を生きるための勇気と希望? 「その時」露わになる、14人の心の奥底とこれまでの人

2007/10/09(火) 18:51 | 今日何読んだ?どうだった??

東京・地震・たんぽぽ(豊島ミホ)


東京で起こった大地震を題材にした14編の連作短編集。 このタイトルを見た時は、エッセイ集だと勘違いしてしまいましたよ~。だって、このタイトルってエッセイっぽくないですか?

2007/10/23(火) 16:37 | Bookworm

「東京・地震・たんぽぽ」豊島ミホ


東京・地震・たんぽぽ これは読んでて辛かったです。豊島さん、うまいなぁ・・。まだ若いのに、なんでこんないろんな年齢や性別、立場の人をうまく書けるんだろう・・なんてことを感じながらも、地震の設定が怖くて怖くて・・・。だって、私の住んでるところは、東海大...

2008/01/17(木) 21:21 | 本のある生活

東京・地震・たんぽぽ


東京・地震・たんぽぽ(2007/08)豊島 ミホ商品詳細を見る もしも今住んでいる所で地震が起こったなら… 東京で大地震が起こり、様々な人々が被...

2008/01/26(土) 00:23 | 本読み日記

東京・地震・たんぽぽ<豊島ミホ>-(本:2008年153冊目)-


東京・地震・たんぽぽ # 出版社: 集英社 (2007/08) # ISBN-10: 4087753832 評価:83点 東京で大地震が発生した。そのとき人々はどう感じ、どんな行動をしたのか。14編の短編が様々な人たちが露にした心のなかを描いていく。 まずは設定がうまい。東京直下型

2008/11/24(月) 08:24 | デコ親父はいつも減量中

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。