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    2007

10.06

「ソロモンの犬」道尾秀介

ソロモンの犬ソロモンの犬
(2007/08)
道尾 秀介

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相模大学に入学し、最初の講義に出席したあの日、秋内は隣に座った羽住智佳に一目惚れをした。そこに友江京也が、「智佳と仲の良い巻坂ひろ子と付き合うから、俺と仲良くしてればいい。そうすれば、おたくは羽住智佳に近づける」そういって声をかけてきた。その言葉通りに京也とひろ子がほんとうに付き合ってしまった。こうして四人は同じ時間を共有することになった。

そして事故のあったあの日、秋内は自転車便のバイト中に、椎崎鏡子助教授の十歳の息子、陽介くんが愛犬のオービーと散歩している姿を見つけた。そのときオービーの様子がおかしく、その場を動こうとせずにいた。そこに突然オービーが地面を蹴り、陽介引きずったまま車道に飛び出し、トラックに跳ねられ陽介くんは死んでしまった。

その事故とほぼ同時刻、陽介くんのいた歩道の向いのレストランから、京也たち三人が出てくる姿を秋内は目撃していた。偶然事故現場に居合わせた大学生四人。オビーはなぜ突然走り出したのか。秋内は京也の不審な行動がオービーを走らせたのではないかと疑い、動物生態学の講義を担当している間宮先生を訪ねることにした。

謎というか、秋内が追いかけるものが、前半部分はすごくぼやけている。犬の行動がメインになっているのではなく、秋内の妄想的な恋があったり、京也の怪しい言動や、ひろ子の不審な態度や、椎崎先生のあれっという不思議顔があったりと、すべてが怪しいのだが、何が怪しいのか中々見えてこない。しかし冒頭の場面では、秋内は、この中に、人殺しがいるのかいないのか話し合おうと言っている。京也が怪しい、怪しい、と引っ張って…。これ以上は止めておこう。

中盤以降は早かったです。そしてラストの少し前で、あれっ?と思わせておいて、見事にひっくり返す。道尾さんの上手さにやられちゃいました。だけど悔しさはなく、むしろ清々しさを覚えた。犬がキーポイントで、トリックが犬の習性を生かしたモノになっていたが、道尾さんはめんどくさい事を考えたなあ、と感心してしまった。(これってネタバレ?) それと、大人ならこれくらいの事なら避ける方法を取るのだが、大学生四人が若さゆえに仲間たちとぶつかる、という面白さもありました。こういうのが人間が描けている、ということだろう。そして少年が死んだことが理解出来ないわんこ。切なーい!

すっとぼけた主人公に、クセのある仲間たち。そんな中で間宮先生が好印象でした。先生の住む、通称動物天国のアパートは生き物の宝庫。そこで動物の生態や行動を熱心に語るのだが、話がまったくに噛み合わない。そのズレが面白かったです。そして秋内の恋を、雄と雌に例えてアドバイスしたりする。こういうおとぼけ系の人物が出てくると和みます。それでいて結構するどいから侮れないんだけど。

あとは秋内の羽住さんへの恋がかなうかが読みどころかな。青春小説の匂いがかなり濃くて、ライトなミステリなんだけど、ラストでこれでも喰らえとやられてしまう。様々な要素がギュッと詰まった一冊でした。


サイン本を買っちゃいました。

道尾秀介1

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道尾秀介
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comments

だよね~。間宮先生が出る事によって和むわ~。
陽介くんとオービー、切ないです。
死んで欲しくなかった。でもそれじゃ、物語が先に進まないんだけどね。道尾さん、3冊読んでますけど、結構好きな感じです。

まる:2007/10/06(土) 18:10 | URL | [編集]

道尾さんの作品は新作を出す毎にライトになってきていますね。でももうちょっとスパイスが欲しいなと思うのは贅沢かな。
ともあれ、次はどんなサプライズを出してくれるのか、とても楽しみな作家さんの一人です。

リベ:2007/10/06(土) 19:22 | URL | [編集]

しんちゃん こんばんは。
おーまたもやサイン本だ(笑)
サイン本だと欲しくなっちゃいますよね。
確かに青春小説の匂いがかなり濃かったです。
間宮助教授には是非別の作品でも出てきて欲しいな。

naru:2007/10/06(土) 21:56 | URL | [編集]

悔しさはなく、むしろ清々しさを覚えたとのこと。
好感の持てる内容で、よかったですよね。
これもサイン本。
そちらの本屋さんってサイン本の宝庫ですね。

藍色:2007/10/07(日) 01:26 | URL | [編集]

まるさん、オービーは切なかった!
間宮先生が陽介くんと比べてたのも切なかった。
動物が出てくると、切なさ倍増ですね。

しんちゃん:2007/10/07(日) 09:50 | URL | [編集]

りべさん、「シャドウ」ではあれ?と思ったけど、これは違和感なく読めました。
確かにライトだったけど、浮いた複線が目立たなかったのが、自分には良かったです。
構えて読まなかったのも正解でした。

しんちゃん:2007/10/07(日) 09:54 | URL | [編集]

naruさん、釣られて買ってしまいました。
普段、単行本は買わない人なのに(苦笑)

間宮先生は良かった。こんなキャラは好きです。
同じくシリーズ化には期待したいです。

しんちゃん:2007/10/07(日) 09:58 | URL | [編集]

藍色さん、月一でサイン本をチェックしに行ってます。
数は東京より少ないと思いますが、大阪にも作家さんが来てくれる。
読書好きには、ほんとありがたいです!

しんちゃん:2007/10/07(日) 10:02 | URL | [編集]

しんちゃん、遅くなってごめんなさい~。
あからさまな伏線がなくって、すんなり読んでたら、
後からあれは伏線だったのか~!と驚かされました。
さりげない感じが、良かったです。

エビノート:2007/10/09(火) 19:46 | URL | [編集]

エビノートさん、滅相もないっす。
複線は目立たなかったですよね。
その複線で遊んでいたエビノートさんには
笑ってしまったけど。

しんちゃん:2007/10/10(水) 17:41 | URL | [編集]

なんだか読んでいるとあの人もこの人も怪しいかも…って思えてきちゃう、探偵には絶対になれない私ですが
道尾さんの作品は思いっきり騙されることに決めてます
「おぉ!そうだったの!!!」の驚きがいいんですよね。

なな:2007/10/19(金) 20:35 | URL | [編集]

ななさん、みんな怪しく思えてしまいますね。
そして今回の犯人は…。
そっから来るのかい、というツッコミを入れちゃった。

道尾さんにやられて快感です。

しんちゃん:2007/10/20(土) 08:58 | URL | [編集]

道尾さんはイメージ通りなサインですね
あの助教授は味があってよかったです
彼からしたら人も動物も同じなんでしょう
もちろんそのとおりなんですが

たまねぎ:2007/10/24(水) 02:45 | URL | [編集]

たまねぎさん、男前で字がキレイくてミステリの鬼…。
才能だけでなく、ちょっと卑怯っすよね。
なんて僻んでしまう自分って小さい。とほほ。

最近、ああいうキャラが増えましたね。
好きだからいいんだけど。

しんちゃん:2007/10/24(水) 17:17 | URL | [編集]

読みました~♪
前半はぼんやり(ちょっと怪しげ)、後半は急降下でしたね。
ラストは私も「これでも喰らえとやられてしま」いました。
すべての伏線にちゃんと説明が付いているのが、なんか悔しい。
あんなに疑ったのに~。

ia.:2007/11/03(土) 01:15 | URL | [編集]

ia.さん、うりゃー、とひっくり返されましたよね。
すげえ、としか言えません。ほんと、すげえ。
この作家さんは疑っても無理かも。

しんちゃん:2007/11/03(土) 10:46 | URL | [編集]

いつものミスター伏線からすればおとなしい伏線の張り方でしたね。
でもこういう騙され方なら爽やかでいいですね。
犬ってそうなんですか、その習性初めて知りました。鼻も思ってたほどはよくないんですね~、警察犬はどうなのよ?とも思いましたけど。
犬は聴覚がずば抜けてるんでしたっけ?昔そんなドラマありましたよね。

じゃじゃまま:2007/11/11(日) 00:31 | URL | [編集]

ままさん、「シャドウ」では複線の荒さが気になりましたが
本書は自分にとってしっくり来ました。
犬の習性を取り入れたトリックなんて
こんなめんどくさい事をよく考えたよねえ。

しんちゃん:2007/11/11(日) 17:40 | URL | [編集]

オービー切なかったですね!
オービーの行動の一つ一つにキュンキュンですよ(笑

予想外のどんでん返しで、愉快になっちゃいました。
他の道尾さんのお話も楽しみですv

花梨:2008/02/01(金) 10:00 | URL | [編集]

花梨さん
飼い主に残されたわんこって切なすぎる。
動物がでると無条件に好きってなっちゃいます。

どんでん返しは面白かったですね。
すっかりやられてしまいました。

しんちゃん:2008/02/01(金) 12:14 | URL | [編集]

たぶん道尾さんの計算どおりに疑ったり、
驚いたりだまされたりしたと思います。
でも、ここまで徹底的にやられてしまうと
いっそすがすがしいものがあります。
でも犬と子供は切なかったです・・。

june:2008/07/05(土) 00:36 | URL | [編集]

juneさん
わんこも子供も切なかったですよね。
道尾さんって子供を殺すのが好きなんでしょうか。
死ぬ率がすごく高いような気がします。
そして、ミステリでは毎回やられています。

しんちゃん:2008/07/05(土) 19:44 | URL | [編集]

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