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    2007

10.09

「少女七竈と七人の可愛そうな大人」桜庭一樹

少女七竈と七人の可愛そうな大人少女七竈と七人の可愛そうな大人
(2006/07)
桜庭 一樹

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川村七竈(ななかまど)十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。母がある日とつぜんに、「辻斬りのように男遊びをしたいな」と七人もの男と寝て、七竈が生まれた。異形の面であるところの青白い美貌を持つ七竈だが、男たちに興味はなく、七竈が好きなものは鉄道のみ。そしてその町にはもうひとりの異形がいた。幼なじみである美少年の雪風であり、雪風も鉄道好きだった。

七竈と雪風は鉄道をはさんで二人だけの心地良い世界を過ごしている。そこに割り込んでくるのが緒方みすずという後輩の少女で、彼女をからませることによって、七竈の孤独さを引き立てていたのも良かったです。そして七竈の生まれ育った地方都市という特性も生かされていました。いんらんの母が残した、のろいがしだいに七竈に圧し掛かってきて、この世界のせまさを感じた彼女は、そとの世界へ出ることを決意する。母の呪縛からの卒業とでもいうのでしょうか。それとも少女でいることへの決別でもいいのかな。それには切ない別れもあるが、前向きに生きていこうとする姿が素晴らしかったです。

この作品が面白いのは、目線を七竈だけではなく、老犬のビショップや、雪風、雪風の母の目線という具合に各章で変えていくところにあった。七竈には見えない世界を、横から、あるいは下からという風に読ませて、世界をどんどん広げていくのだ。こういうストーリーの進め方は、単純に上手いなあと思った。そして独特な語り口が、不思議な世界観をよりいっそう盛り上げていく。これも桜庭さんの特徴の一つだ。

七竈の成長と共に、かつて母が関係を持った人物やその妻たちの心理も面白かったです。夫の過ちを知りながら、七竈と接して七竈の母と電話をする女性や、死の迫った夫を看病しながら未だに許せない女性。それらを見ながら匂いを嗅ぎわける老犬のビショップ。ああ、ビッショップから見たむくむくも良かったな。

子供は親を選べない。生涯ゆるせないかもしれない。だけどほんの少しだけなら、ゆるせるかもしれない。このセリフがすごく印象に残りました。少女のやっかいな内面を描きながらも、怪しくて美しき物語を楽しむことが出来ました。

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桜庭一樹
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comments

これ実は、読む前に内容をものすごく淫靡なものだと思い込んでいたので、読んでちょっと拍子抜けしたんです。いや、この話すきなんですけどね!?
すごい美少女なんだけど、ちょっとズレててかわいいいい子でした。最後が前向きに終わったのも高ポイントでした^^

まみみ:2007/10/09(火) 20:55 | URL | [編集]

七竈がビショップに語りかける場面印象的でしたね~。
子どもは親を選べない、けれど許すかどうかは選べる。
許す許さないという選択をしないですむ人生が本当なのでしょうけれど。
そんなことを考えると、胸が締め付けられるように切なかったです。

エビノート:2007/10/09(火) 23:35 | URL | [編集]

いろんな語り口、おもしろかったですよね。
特にビショップの視線はユーモラスでおもしろかったです。
ビショップから見たら、むくむくになっちゃうんですもんね。

june:2007/10/10(水) 00:06 | URL | [編集]

まみみさん、読み始めは同じようなことを想像しました。
男遊びや淫乱という単語が、あれ?そっち系なの
と思わせぶりでしたね。

しんちゃん:2007/10/10(水) 17:48 | URL | [編集]

エビノートさん、ラストの語りはぐっときました。
少女の心理を描くと上手いですね。
桜庭さんならではの、目の付け所だと思いました。

男はこんな回りくどいことを考えないからなあ。

しんちゃん:2007/10/10(水) 17:53 | URL | [編集]

juneさん、ビショップの語りはすごく面白かったね。
むくむくもそうだし、匂いで区別するのも良かった。
だけど、だんだん眠ることが多くなるのは、切なーい!
命の短さがすごくリアルに伝わってきました。

しんちゃん:2007/10/10(水) 17:59 | URL | [編集]

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「少女七竃と七人の可愛そうな大人」 桜庭一樹


少女七竈と七人の可愛そうな大人posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.31桜庭 一樹著角川書店 (2006.6)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

2007/10/09(火) 20:51 | 今日何読んだ?どうだった??

『少女七竈と七人の可愛そうな大人』桜庭一樹


少女七竈と七人の可愛そうな大人 桜庭一樹/角川書店わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。鉄道を愛し、孤高に生きる七竈。淫乱な母は、すぐに新しい恋におちて旅に出る。親友の雪風との静かで完成された世界。だが可愛そうな大人たちの騒ぎ

2007/10/09(火) 21:59 | ひなたでゆるり

少女七竈と七人の可愛そうな大人 桜庭一樹


カバーイラストは、さやか。ブックデザインは鈴木成一デザイン室。野性時代2005年12月号から2006年5月号までの連載を加筆訂正書籍化。母、川村優奈が二十五歳で、ある日“辻斬りのように男遊びがしたい

2007/10/09(火) 22:32 | 粋な提案

少女七竃と七人の可愛そうな大人 〔桜庭一樹〕


少女七竃と七人の可愛そうな大人≪内容≫わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった…鉄道を愛し、孤高に生きる七竈。淫乱な母は、すぐに新しい恋におちて旅に出る。親友の雪風との静かで完成された世界。だが可愛そうな大人たちの....

2007/10/09(火) 23:24 | まったり読書日記

「少女七竈と七人の可愛そうな大人」桜庭一樹


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少女七竈と七人の可愛そうな大人 出版社: 角川書店 (2006/07) ISBN-10: 4048737007 評価:80点 表紙の雰囲気がなんとも素敵だったので、思わずでっかい画像にしてしまいました。 誰もが振り返る美形の少女、七竈(ななかまど)と彼女の幼馴染、雪風の物語。 七

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少女七竈と七人の可愛そうな大人 / 桜庭 一樹 (角川書店)


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