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    2007

10.14

「インシテミル」米澤穂信

インシテミルインシテミル
(2007/08)
米澤 穂信

商品詳細を見る

モニターたちはさまざまな思惑を持って応募した。波乱を期待した者。小遣い稼ぎのつもりの者。記述が真実か確かめるつもりの者。そして…。
結城理久彦はコンビニでアルバイト情報紙を見ていた。そこへ声をかけてきたのは、浮世離れした美人の須和名祥子。彼女もバイトを探したいというので、一緒に調べていると、あるモニター募集に目が留まった。
年齢性別不問。一週間の短期アルバイト。ある人文科学的実験の被験者。一日あたりの拘束時間は二十四時間。期間は七日間。外部からは隔離する。拘束時間には全て時給を払う。時給、十一万二千円。
須和名祥子は、本当に時給十一万二千円のアルバイトが存在すると信じて応募した。
結城理久彦は、誤植だと思いながらも車が欲しくて応募した。
集まったモニターは全部で十二人。彼らは「暗鬼館」と名づけられた地下施設で、七日間にわたって、二十四時間モニタリングされることになった。

ミステリ読みのためのミステリといった作品です。前半部分は、施設の案内やルール設定の説明なんかが多くて、中々ストーリーが進展してくれない。その部分を軽く紹介すると、十二人それぞれにある武器が渡されて、人を殺した者や、人を殺した者を指摘すると、ボーナスが出るから好きにやってくれと言われる。結城の場合は火かき棒で、須和名は毒、といった物を手に入れる。その上、あてがわれた部屋は鍵がなくて、いつ進入されるかわからない、という恐怖感を登場人物たちに与える。
そして実験終了は、七日間が経過した場合、隠し通路を発見した場合、生存者が二人以下になった場合、と教えられる。

後はお決まりのサバイバルが始まり、誰かが殺されることで緊張感が高まっていく。そう、ワクワクどきどきが始まります。誰が自分を狙っているかわからない。次は自分の番かもしれない。そこで見られる人間たちの心理描写が面白い。チームを作ってリーダーになる者、リーダーの腰ぎんちゃくになる者、頭の良さを信じて行動する者。猜疑心のカタマリになる者、ただ脅えるだけの者。そしてある含みがある者。様々な人間模様が繰り広げられる中、また一人、殺されてしまう。

悲鳴が聞こえ次は誰だという緊張感、当然出てくる疑心暗鬼、誰がどんな武器を持っているのか、ルールに乗っ取った納得のいかない多数決、敵対視するグループ。
そんな中で、どこかのん気で緊張感に欠ける主人公の結城。ふわふわとして、何を考えているのか捉えることができない須和名。彼らが丁度良いバランスを保っていて、怖くなりすぎないけど雰囲気がある作品、という世界が作られていました。

この作品はラノベの延長ではなく、本格ミステリというジャンルです。だからこれまでのユルイ作品だと思って読むと、エライ目に遭う可能性があります。しかし、ジャンルを知った上で読むのなら、ある作品群を思い出し、懐かしさを感じさせてくれる作品だろう。だけど今の若い子に、「火かき棒」なんてわかるのかな、などと少し思ったけれど、一時期熱中したミステリ読みとしては、面白く読む事ができました。

これまでの米澤さんとは違う、新たな米澤穂信さんが堪能できた一冊でした。


おまけ。またサイン本をゲットしました。

Image157_r1.jpg

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米澤穂信
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comments

まさに、ミステリ読みのためのミステリでしたね。
十二分に楽しみました。
米澤さん、このジャンルも書けるの!?ってビックリ。
ますます目が離せません。

藍色:2007/10/15(月) 02:01 | URL | [編集]

藍色さん、ミステリが前面に出てましたね。
米澤さんの幅がどんどん広がっていく。
今後も注目したいと思いまーす。

しんちゃん:2007/10/15(月) 11:03 | URL | [編集]

米澤さんは好きな作家さんです。最近2冊も発売されて、ウキウキ読みました。これはいつもの感じとちょっと違いますけどおもしろかったです!
古典部最新作「遠まわりする雛」もよかったですよー^^
あ、でもしんちゃんはまず「クドリャフカの順番」を読んだ方がいいかも…。あと「ボトルネック」って作品も、いつもの米澤さんじゃない雰囲気の作品です。また興味があったらそちらもどうぞ!

まみみ:2007/10/15(月) 16:41 | URL | [編集]

うわー、まみみさんにたくさんお薦めを貰っちゃった。
だけど、手元にはそれらがありません^^;
「春期」「夏期」「妖精」ならあるんだけど。←読めって?

しんちゃん:2007/10/15(月) 17:13 | URL | [編集]

ルール設定など、細部まで行き届いたミステリでしたね。
次々と人が死んでいく中、平気で読めたのはやっぱり主人公ののん気さによるところが大きかったかも。
でも、一番の曲者は須和名って気がします。
彼女主催のものが実施されたらどうなるのか、気になりますね~。

エビノート:2007/10/15(月) 20:12 | URL | [編集]

エビノートさん、のん気に思えた主人公が実は…
という設定も面白かったです。

須和名の存在は光ってましたね。
彼女の指一本も気になりました。

しんちゃん:2007/10/16(火) 10:11 | URL | [編集]

私は米澤さんのシリーズものが合わないみたい。
でも「ボトルネック」と今回の「インシテミル」は面白かった♪

まる:2007/10/16(火) 21:42 | URL | [編集]

まるさんは、あのシリーズが駄目っすか。
少しキャラ重視ですからねえ。
「ボトルネック」は、まだ読んでませ~ん。いつかね。

しんちゃん:2007/10/17(水) 17:25 | URL | [編集]

作品に似合わずなかなか剛毅なサインですね米澤さん。
武器の出典元がすべて分からないのが心残りで仕方ありません。
氷のナイフってなんかで見たことあるんですけどね。

たまねぎ:2007/10/24(水) 01:58 | URL | [編集]

たまねぎさん、サインはほとんど1ページですね。

あっ、武器の出典リストも作ろうとしてましたね。
そこまで凝りますか(笑)

ここでも宣伝をしておこう。

みなさん、たまねぎさんのレヴューは必見です。
お時間があれば、たまねぎさんのブログにジャンプしてみて。
↓にある、「今更なんですがの本の話」から見にいけます。

すごいよ!

しんちゃん:2007/10/24(水) 17:13 | URL | [編集]

たまねぎさんのレビューにジャンプしてきました。
すごい!最初から私の心鷲掴みです。
どちらかと言うと閉塞恐怖症気味の私。
こんなところに閉じ込められるなんて想像しただけでもダメです。
結城ののほほんとした口調に随分助けられました。

なな:2007/10/24(水) 20:59 | URL | [編集]

ななさん、凝りがすごいよね。

のん気に過ごせそうに感じた自分。
推理力はありませんが、時給だけでも貰いたい。
参加してもいいかなあ、と少し思ってしまった。

しんちゃん:2007/10/25(木) 09:51 | URL | [編集]

こんばんわ。やっと読みました。
すごい緊張感でしたね。ゾクゾクしちゃいました。
小市民シリーズなどとは一味違う楽しさで、
こういう米澤作品もありなんだ、と驚きでした。

ia.:2007/12/14(金) 20:04 | URL | [編集]

ia.さん、こんにちは。
こういう殺人ゲームもありでしたね。
米澤さんらしいキャラが良かったと思いました。

しんちゃん:2007/12/15(土) 12:28 | URL | [編集]

ハラハラドキドキでしたね。
須和名の指一本は、「被験者あとひとり」のことかしら?
なんて思ったのだけれど
違うでしょうか・・・。

ふらっと:2008/02/15(金) 06:36 | URL | [編集]

ふらっとさん
えーーっ、そんな可能性は考えなしでした。
単純に金額かな。1億それとも10億って感じ。

しんちゃん:2008/02/15(金) 23:38 | URL | [編集]

私もたまねぎさんのレビュー見てきました!すごいよね!
私はミステリ好きだけど、詳しいというわけでもなくて・・・この本はミステリ好きもミステリ初心者も楽しめる本だな~と思いました。
これから米澤作品をどんどん開拓していこうと思ったよ~(^^ゞ

板栗香:2008/03/28(金) 11:38 | URL | [編集]

板栗香さん
たまねぎさんとこはちょいと嬉しくなる凝りようですよね。
あまりミステリが苦手な方でも、キャラの魅力で読ませる本だと思いました。
コンプを目指している作家ですが、他の本に手を出しすぎて読めてない。
今年中には、と思っております

しんちゃん:2008/03/28(金) 12:54 | URL | [編集]

ひさしぶりにミステリーを堪能した気分です。
それにしても、サイン本、いいなあ。

花:2008/03/30(日) 22:12 | URL | [編集]

花さん
懐かしさのあるミステリでしたね。
サイン本に釣られて買っちゃいました。
毎月の予測本代に、サイン本はイレギュラーです。

しんちゃん:2008/03/30(日) 23:22 | URL | [編集]

こんにちは。
表紙だけ見ると、軽めのミステリ?と思ったら本格作品で楽しめました。
殺人が起きてみんなが疑心暗鬼になっていくあたりから、どうなる?という感じでした。
結城と須和名のキャラが重くなりがちな雰囲気を和らげていたのがよかったです。
米澤さんのサイン、豪快ですね(笑)。

mint:2008/08/29(金) 12:55 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
おもいっきり本格ミステリでしたね。こう来たかって感じです。
疑心暗鬼でギスギスしそうなところも、二人の明るさが救ってくれました。
サインは豪快で達筆ですな。^^

しんちゃん:2008/08/29(金) 19:32 | URL | [編集]

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