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    2007

10.17

「ビター・ブラッド」雫井脩介

ビター・ブラッドビター・ブラッド
(2007/08)
雫井 脩介

商品詳細を見る

警視庁S署に配属された佐原夏輝は、新任早々に起きた事件で現場へ向うと、そこに捜査一課の面々が現れた。自称捜一オタクの先輩刑事、鷹野が教えてくれるには、捜査一課五係には個性的な刑事が集まっているという。

睡眠時間は三時間で、二十時間は仕事をしていて、その手は死人のように冷たいらしい、ベテラン係長のアイスマン鍵山。口臭と体臭が普通じゃない、鼻つまみもののスカンク富樫。ペーペーだが、尾行がうまいチェイサー稲木。五係の独身貴族のバチュラー古雅。刑事の命はジャケットだと真顔で言い、得意技がジャケットプレイだというジェントル島尾。

実はジェントル島尾こと島尾明村は、夏輝を捨てた実の父親だった。捜査にあたる刑事は二人一組。夏輝は父の明村とコンビを組むことになった。

はたから見れば島尾明村とは、シルバーの目立つ髪をオールバックにまとめ、浅黒い肌に薄いひげを浮かべるナイスミドルで低音ボイス。やたらと服装にこだわり、ジャケットの着方は、ジャケットの襟をつまんで持ち上げ、それを振り回すように動かし、右に左に宙を舞うジャケットに対して、肩をするどく動かして腕を捻じ込んでいく。バッ、バッと。得意技...ジャケットプレイ。うーん、渋い。つうか笑える。

それに対して夏輝が思う明村は、家族を見捨てて家庭を崩壊させ、子供は体よく妻に押しつけ、妻が失踪したら今度は養父母に押しつけた男、と心の中で軽蔑しておくのが一番相応しい相手だと思っている。そんな明村が夏輝に話しかけてくるときに、自分のことを「お父さん」ということに嫌気をさすが、捜一の刑事たちは夏輝のことをジュニアと呼ぶ。

二人の掛け合う会話や微妙な仕草、明村の夏輝に対する思惑、これらを読んでいると、ついニヤケてしまう面白さがあり、無茶苦茶好きだー!と声をだして叫びたくなる。そして夏輝もいつかは派手なジャケットプレイをするのではないか、と期待を多いに込めて読んでしまう魅力がある。

二人が組むことになった捜査は、反発しながらも任務を追行した夏輝の初手柄により、容疑者逮捕で一応解決する。しかし一ヵ月後、事件を担当した捜査一課の鍵山係長が襲われる事件が起き、その捜査線上にあがってきたのは、先の事件でビルから転落死した情報屋、貝塚の名前と、捜査一課五係に内部犯がいるということ。事態は一変して警察組織内部の話に転じていく。

前半部分は、個性派集団の五係、特にジェントルの魅力で読ませる。中盤になってからは、探偵を名乗る情報屋、相星の陽気さでぐいぐい読ませていく。刑事は二人組が基本なのに、夏輝は相星とコンビを組んで、独自の捜査を展開していく。何故そうなるかは、本書を読んでもらえるとわかります。

とにかくこの相星が底抜けに明るくて笑えた。読んだ方にしか伝わらないだろうが、シニアさんには吹き出してしまった。他にも…。むぐう、言いたい病とただいま格闘しています。ううっ…、やっぱり言えない。自分で読んで確かめて下さい。ごめん。

ラストで明らかになる犯人に驚きはありませんでした。なんとなく想定内といった感じかな。事件の結末も落としどころとしては、すっきりと纏っていて、いいんじゃないかと思う。それよりも、本書はエンターテインメントとして完成されていたので、存分に楽しんで読むことが出来ました。それと父と息子の掛け合いは必読の価値あり。

映像化が進行している雫井作品ですが、本書もそちらの匂いがプンプンする作品でした。
すっごく面白かったです。お薦め!

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雫井脩介
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comments

楽しかったですね~♪
ジャケットプレイって何やねん!と突っ込みながら、親子の掛け合いにクスクス笑ったり。
これも映画化できそうな感じですよね。
ジャケットプレイを映像で見てみたい!!

エビノート:2007/10/17(水) 19:25 | URL | [編集]

しんちゃん こんばんは。
親子の掛け合いが絶妙でしたね。
しんちゃんのおっしゃるように、あの人
を○○なくてもよかったのにな...。

『犯人に告ぐ』もオススメですので是非!!

naru:2007/10/17(水) 20:03 | URL | [編集]

エビノートさん、楽しかったですね~♪
バチュラーってなんやねん、と調べたら「独身の男性」だって。
そのままやんか、とツッコミながらも面白く読みました。
映像化はありそうですね。

しんちゃん:2007/10/18(木) 17:48 | URL | [編集]

naruさん、こんばんは。
あの人はもったいないよね。
せっかくキャラ受けしてたのに。

「犯人に告ぐ」読み始めました。

しんちゃん:2007/10/18(木) 17:51 | URL | [編集]

こんばんは。
おぉ、ジャケットプレイの詳しい説明が。
映像化したら、ちゃんと見られそうですね。
シニアさん、笑いました~。

トラバさせていただきました。

藍色:2007/11/09(金) 03:20 | URL | [編集]

藍色さん、こんにちは。
楽しさが伝わるかな、と書いてみました。
シニアさんの面白さは読まないとわからないよね。
こういう笑いのセンスは大好きです。

しんちゃん:2007/11/09(金) 09:18 | URL | [編集]

ジュニアにはさらなる進化を期待しちゃいます。
クルッとターンして郷ひろみばりにジャケットを開き

刑・事・です☆

……………………………
だっ駄目だ。想像しただけで可笑しくてたまらないです。

たまねぎ:2007/11/19(月) 23:08 | URL | [編集]

たまねぎさん
いいよね、ジャケットプレイ♪
次はカラオケのシーンがあれば面白いのに。

派手さで笑えた刑事物は我孫子さん以来でした。

しんちゃん:2007/11/20(火) 09:58 | URL | [編集]

おお~。みなさんが楽しまれたところ、一人辛口でした。(汗)
あの親子の掛け合いも、最近こういうノリ流行り?みたいに、ちょっと白けてしまいました。
雫井さんもそういう書き方なのか~って。
犯人は、想定内でしたね。

じゃじゃまま:2008/01/14(月) 16:50 | URL | [編集]

じゃじゃままさんはダメでしたか。
初めて読んだ作品がこれでした。
だから雫井さんがどんな作家なのか知らなかった。
そこが良かったのかもしれません。
犯人は早くから怪しかったですね。

しんちゃん:2008/01/14(月) 19:13 | URL | [編集]

捜一の裏切り者は、早いうちから臭いましたね。
でもそれも興ざめな感じではなく、ほかの要素で愉しめました。

父と息子の感情のずれが切なくも可笑しくて
島尾のほんとうの想いが判ってからは、ほほえましくさえ思えました。
ミステリ枠というよりもエンターテインメント枠での映像化を期待したいです。

ふらっと:2008/02/18(月) 06:34 | URL | [編集]

ふらっとさん
これは楽しかったですよね。
すべてが派手でうきうきでした。
映像化はあるかも。

しんちゃん:2008/02/18(月) 12:21 | URL | [編集]

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