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    2007

10.23

「TSUNAMI」志賀泉

TSUNAMITSUNAMI
(2007/08)
志賀 泉

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一九九九年、沖縄。映画撮影のためにやって来た大学生の岸谷陽介は、ちょっと変わった少女と出会った。鷹津奈美。つなみと呼ばれる十五歳の少女は、東京から来た不登校児で、通うはずのフリースクールも登校拒否して、民宿に住み込みで働いていた。

岸谷は撮影の解散後、沖縄に残って四日間だけ一人旅をすることにする。そこへ、民宿から飛び出してきたつなみの強引さに負け、二人は一緒に旅に出ることになる。実はつなみの家庭には複雑な問題があり、それを聞いていた岸谷は、大人の勝手な都合に不快感を抱いていた。そして、つなみの亡き母の実家、曾祖父母の住む家を訪ねた末に、つなみを無事送り返して岸谷は東京へ戻った。

そして二〇〇五年、東京。自分を見失っていた岸谷は、偶然つなみと再会することになる。かつて沖縄で芭蕉布工房を見て、織り姫になりたいという夢を持ったつなみは、その夢を目指した人生を生きていた。

ここからネタバレありです。ご注意を。


文学色の強い文章。そして情緒的で、かなり独特な雰囲気で読ませていく作品です。十五歳のつなみは情緒不安定で、自分で自分の心をつかみそこねているような少女。その彼女が可愛がって世話をしていた豚を、殺してしまう場面がある。まだ冒頭だったので、いきなり度肝を抜かれたが、何故彼女がこうまでしてしまうに至ったかを、その後興味深く読む事が出来ました。その殺してしまった豚での豚肉パーティーは、正直に言うとブラックすぎてひいてしまった。かなりエグかったです。

東京で再会してからも、つなみは親の勝手に振り回され、ある事件の結果、岸谷の前から姿を消してしまう。この親は何を考えているんだ、と憤りながら読むが、主人公である岸谷も、なんだかなあという青年なのでどっこいどっこい。少し共感しにくい彼に、物足りなさを感じつつ読んでいくと、つなみもある場所であっさりと発見される。だけど、つなみは自分の思いをしっかりと持っている。
しかしここでもまた、つなみの思いに便乗して行動してしまう岸谷には、やっぱりなんだかなあと思ってしまった。彼の誰かに依存してしまう性格が好きになれなかったです。もうちょっと自分を持て!と言いたい。

ラストは岸谷が依存したままハッピーエンド。つなみの人生に乗っかったまま、満足している岸谷に、チッ、と舌打ちしながらも、普通に楽しめました。

著者である志賀さんが、「人が成長するということ、それは自分だけの力ではできない。自分を超えた力。たとえば自然風土とか、ひょっとすると死んだ人の心にも支えられて成し遂げられるものじゃないか」とメッセージを込めたと語っていました。しかし、岸谷にツッコミを入れながら読んでいたら、そんなメッセージがあったとは気づけなかったです。ちょっと残念。

ああ、読み方を間違えてしまった。やっちゃったよ、自分。

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