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    2007

10.27

「この人と結婚するかも」中島たい子

この人と結婚するかもこの人と結婚するかも
(2007/09/05)
中島 たい子

商品詳細を見る

「この人と結婚するかも」
美大の学食の隅で、働いている美術館で、仕事帰りのスーパーで、「この人と結婚するかも」っていう節っちゃんの直感はいつもアタらない。これといって好みの男性像もなく、その上出会いもない。ただフトしたきっかけでときめくのだが、積極的にアピールする事もしないで、そのまま終わってしまう節ちゃん。そんな節ちゃんが通っている英話教室にケンという男が現れ、ものの見事に結婚するかも病に掛かり、期待と諦念の間で心が揺れる。

誰しもが一度や二度は思う、結婚するかも、というなんとなくの漠然とした直感。節ちゃんはいいと思うと同時に毎回感じてしまい、何もすることがないまま玉砕してしまう妙齢の女性。本人にしかわからないが、かなり疲れるだろう節ちゃんのあたふたぶりと妄想力がすごく可愛くておかしかったです。

小学生時代からの親友の春子ちゃんと千穂ちゃん、美術館のオーナーである漫画家の浅井みつる先生と、出てくる人物たちがみんな魅力的。そんな彼らとやり取りしながらも、ケンと微妙な距離が埋まらない節ちゃん。こういうダメ系の女性を描くのが中島たい子さんは上手い。そしてラスト一行のセリフに思わずニヤリとし、温かな気持ちになれたのだった。男ならこんな風に思われたいものだ。えへん。


「ケイタリング・ドライブ」
一人で二十四人分の料理作って、一人で荷物を運んで、一人で清里までライトバン運転して。できなくはない、とは言ったけど、真樹夫がどんどん勝手に決めてしまって、山荘を借り切ったパーティーで料理をすることになった料理研究家の野島サトル。真樹夫の妹、美絵ちゃんが可愛い子で、おれに気がある、と思ったのはつかの間の出来事で、美絵ちゃんは元カレとよりを戻してしまった。自分が勘違いしたことを彼女に知られてしまうのは、イタい。だから彼女の兄貴のパーティーのケイタリングも断らなかった。サトルは目的地へ向かいながら、妄想し、自問自答する。

たい子さん初の男性主人公が自分勝手な毒を延々と吐いているだけなのだが、これがとてつもなく面白い。噛めば噛むほど味が出るような作品で、主人公の無茶苦茶な語りを読んでいくと、ほとんどが寄り道なんだけど、彼の半生や、本当に大事にしなければならない物が見えてくる。そしてものすごく焼き魚が食べたくなる。ダメな男性に妙に共感してしまった作品でした。

これまで読んだ中島たい子さんの中で、一番好きな作品でした。すっごく良かったです。これは五点満点中、十点をあげたい。図書館で借りたが、この本は買うべきでした。後に買いましたとも。偶然見つけた、サイン本を。


中島たい子さんのサイン。

たい子

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中島たい子
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comments

しんちゃん こんばんは。
あらら。お薦めの文字が…(汗)
私の感想はめちゃ辛口ですが、TB貼ってみました。
ええのんかって感じですが…(苦笑)
私の中で『漢方小説』がすんごく良かったので
期待が大きかったからかもです。

naru:2007/10/27(土) 19:05 | URL | [編集]

こんばんは。しんちゃん。
私も、中島さんの作品の中では一番面白かったと思います。
ぶっ!と笑えるような文章が一ページには必ず一つあって、ツボにはまりました(笑)
この二編のどちらかといえば、やはり表題作のほうがよかったです。
この女心、わかるなぁ(笑)

ゆう:2007/10/27(土) 21:35 | URL | [編集]

まだ読んだことない作者の本だぁ★
おもしろそう~(* ̄∇ ̄*)

次回、図書館で探してみよーっと♪


追伸。
『ラッシュライフ』読み始めました★
じつは、あたし、
仙台で2年働いてました。
だから、なんか懐かしい!
(〃∇〃) てれっ☆

つたまる:2007/10/28(日) 02:11 | URL | [編集]

こんばんは。
絶賛ですね。
…噛めば噛むほど味が出るような作品、なるほど。
表題作は楽しめました。

藍色:2007/10/28(日) 03:24 | URL | [編集]

naruさん、辛口OKです。
自分と重なる部分や、ちょっとした気になる言葉に
すごく共感してしまって、絶賛しました。
主人公たちの年代と環境が近いからでしょう。

しんちゃん:2007/10/28(日) 17:13 | URL | [編集]

ゆうさん、こんばんは。
ですよねえ、「漢方」より面白かったですよね。←すごく前のめり
たい子さんの言葉のセンスや表現力が絶品。
女性の妄想も男性の勘違いも、両方楽しめました。

しんちゃん:2007/10/28(日) 17:17 | URL | [編集]

つたまるさん、女性の目線が多い作家ですが注目してます。
感性というか波長がすごく自分と合うのです。
機会があればぜひ。

「ラッシュ」いいよね。

しんちゃん:2007/10/28(日) 17:20 | URL | [編集]

藍色さん、こんばんは。
大絶賛です。
ダメ男は初期の三浦しをんさんを思い出しました。
こういうマシンガン系も好きです。

しんちゃん:2007/10/28(日) 17:23 | URL | [編集]

これまでみたいに、漢方とか建築といった流行りを取り入れた要素が、極端に前に出てこなくなって、良くなったと思います。焼き魚じゃないけど、隠し味程度のいい塩加減になってきてますね。

たまねぎ:2007/10/28(日) 23:25 | URL | [編集]

たまねぎさん、人物たちがより豊かに描かれていましたね。
この年代の心の内を、たい子さんはよくわかってらっしゃる。
今後もたい子さんに期待しましょう。

しんちゃん:2007/10/29(月) 16:24 | URL | [編集]

身につまされるってほどじゃなく、気軽に読むことができたのは中島さんの作品に溢れるユーモアのおかげですかね。
うんうん、私もそうだなぁ~と思いながら楽しく読めました。
そして、食欲をそそられる一冊でもありましたね。
SAで食事するために、高速に乗っちゃおうか!と思っちゃいました。ガソリンが無駄になっちゃうので、却下しましたけど(^_^;)

エビノート:2007/11/03(土) 21:33 | URL | [編集]

おはようございます。
妄想ばかり先走る節ちゃん、かわいらしかったですね。
そして車を走らせながらあーでもない、こーでもないと
脳内妄想をダラダラと語るサトル。
二人とも最後には明るく終わってよかったです。
食べ物がすごく美味しそうでした。

なな:2007/11/04(日) 08:41 | URL | [編集]

エビノートさん
同年代の自分とシンクロしてしまって、うんうん、そうなんだよ、と独り言を呟きながら、楽しく読むことが出来ました。
ユーモアのセンスもすごく好きです。
SAの食べ物は食べたくなった(笑)

しんちゃん:2007/11/04(日) 08:46 | URL | [編集]

ななさん、おはようっす。
彼らのダメさに共感し、一歩踏み出すラストに自分も頑張ろうと思いました。
中島さんのある年代を描いた作品は大好きです。
今後もこういうのを描いて欲しいですね。

しんちゃん:2007/11/04(日) 08:54 | URL | [編集]

わたしも同じく「ケイタリング・ドライブ」がいいなって思いました。中島さんの作品はデビュー作以降ずっと読んでるんですが、最初の「漢方小説」以降があまりおもしろくないな~と思っていたので、今回当たりくじでうれしかったです^^
今後も男性視点のお話書いてもらいたいです!

まみみ:2007/11/08(木) 14:56 | URL | [編集]

まみみさん、「ケイタリング・ドライブ」いいよね。
確かに真ん中の二冊は落ちますね。
帰ってきた中島さんという事で、今後も楽しみです。

しんちゃん:2007/11/08(木) 17:31 | URL | [編集]

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