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    2007

10.30

「空を見上げる古い歌を口ずさむ」小路幸也

空を見上げる古い歌を口ずさむ (講談社文庫 (し80-1))空を見上げる古い歌を口ずさむ (講談社文庫 (し80-1))
(2007/05/15)
小路 幸也

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図書館で借りた「高く遠く空へ歌ううた」から、読み始めるところでした。読む前に気づいて良かった。そしてこの本を買っておいて良かった。

みんなの顔がのっぺらぼうに見える。息子の彰がそう言ったとき、父は彼のことを思い出した。かつてのっぺらぼうを視てしまう少年がいたことを。そして姿を消してしまった少年が、兄だったことを。20年前に兄は言った。いつか、お前の周りで、誰かがのっぺらぼうを見るようになったら呼んでほしい。母のもとに毎年届く年賀状を頼りに、20年ぶりに弟は兄と再会した。そして兄の口から、のっぺらぼうにまつわる驚くべき話を初めて聞かされる。

場面がかわって少年時代の兄、恭一の目線で語られる。

パルプの匂いが常に漂うパルプ町で生まれ育った、キョウイチが小学五年生の時、原因不明の高熱にうなされたあと、急にすべての人の顔がのっぺらぼうに見えるようになってしまった。そんな風に世界が見え出したその年の夏、キョウイチは六角交番のサンタさんの拳銃自殺を目撃する。そしてサンタさんの横に、顔の見えない白いシャツの男がいたことも。(のっぺらぼうに見えるから)さらにその夜に、親友のヤスッパが赤いノートと共に失踪した。その後、パルプ町では次々に馴染みのある住人たちが死ぬ。のっぺらぼうに見えることを周りの誰にも言えないキョウイチだが、友人であるアサミ、ケイブン、カビラ、シホらには打ち明け、少年たちはヤスッパの行方を捜す冒険に出た。

かなりファンタジー色が強いですが、何故のっぺらぼうに見えるのか、という疑問を、そのまま放置していたのが良かったです。これを理屈づけて説明されるとうざい。(勝手な好みです)それに稀人、解す者、違い者が、何故生まれてしまうのかも明かされていない。小路さん、ナイスです。不思議は不思議なままが一番。(勝手な好みです)

かつて少年だった大人が昔を語る、という手法も、ノスタルジックで味わいのある雰囲気を作っていました。少年たちが住むパルプ町が一つの大きなコミュニティで、少年たちにとってはその世界がすべて。パルプ町駅前交番ではなく六角交番といった、その地域ならではの呼び名で統一されていたのも良かったです。

この本が小路さんのデビュー作ですが、初めて人が死ぬ小路さんを読みました。だけど暗さというものがなく、力のない少年たちが精一杯走り続けている、といった印象が強かったです。それに、ヤスッパがいなくなっても、少年たちが大騒ぎをせずに、普段と変わりない生活を送っている。この少年たちの描写に、子供の本質をついているなあ、と妙に納得してしまった。

次は「高く遠く空へ歌ううた」を読みます。まったく別物語みたいですが、どういう風に繋がっているのか、読むのが楽しみです。やっぱ順番は大事ですからねえ。

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小路幸也
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comments

>不思議は不思議なままが一番

小路さんの絶妙なところですね。
確かにファンタジー色が強いけれど、結構頭の芯が冷たくなる怖さもありました。

ふらっと:2007/10/30(火) 17:12 | URL | [編集]

順番、大事ですよね……いろんな作品で間違えまくって読んでしまった苦汁を糧に、最近ではそんなことはなくなりました。シリーズならちゃんとシリーズらしくしろ!と言いたいですが、そんなのわたしだけでしょうね。
って話と全然違うコメントですみません。

まみみ:2007/10/30(火) 20:40 | URL | [編集]

そうだった。
私も「高く遠く空へ歌ううた」を読もうって思ってたのに
気がついたら1年半たってます。
シリーズ物は順番どおりがよいです。
そうそう、「クドリャフカの順番」お先にアップでした。
だって「私、新刊が気になります」なんですもの。

なな:2007/10/30(火) 21:18 | URL | [編集]

ふらっとさん、これを延々と説明されるとツライ。
その点、小路さんは突き放していたので良かったです。

しんちゃん:2007/10/31(水) 16:09 | URL | [編集]

まみみさん、これは全然表記されてないですよね。
1冊目は良いですが、2冊目には書いておくれ、と言いたい。
順を逆に読んでいたら、2冊目のラストが楽しめないところでした。
ほんっとにもう。

しんちゃん:2007/10/31(水) 16:14 | URL | [編集]

ななさん、シリーズ物は続けて読むのが一番ですね。
米澤さんもそうだけど、坂木さんも読めていない。
小路さんの新刊「HEARTBLUE」もチェックしなくては。
忙しいのだな、これが。

しんちゃん:2007/10/31(水) 16:20 | URL | [編集]

えー小路さんも新刊が出たんですか???
本当に忙しい。
垣根涼介さんのお薦め本も読まなきゃって思ってるのに。

なな:2007/10/31(水) 21:05 | URL | [編集]

ななさん
11/20「カレンダーボーイ」ポプラ社
11/30「HEARTBLUE」東京創元社
もうすぐ発売です。要チェック!

しんちゃん:2007/11/01(木) 11:05 | URL | [編集]

続編を読もうと思いつつ、すっかり忘れてました。
でも、うろ覚えになっていたこの本の内容も、
しんちゃんのレビューでどうにか思い出したので、
さっそく続編を借りてこようと思います♪

june:2007/11/01(木) 13:20 | URL | [編集]

juneさん、お役に立てたようで。
自分が忘れっぽいから、多めに内容を書いてます。
それでも忘れるんだから、困ったもんだ。

しんちゃん:2007/11/01(木) 16:53 | URL | [編集]

こんにちは。
人が死ぬのってこの作品だけなんですね~。私はこれが初小路さんだったし、デビュー作ってことだったので、他の作品もこんな感じなのかな、と思ってました。
この作品を読んで、他の作品をもっと読みたくなりました。まずは、この続編を読まねば。

すずな:2007/11/08(木) 14:19 | URL | [編集]

すずなさん、こんばんは。
小路さんの作風はかなり広いですよ。
どれも底辺に温かみがあるのが共通です。
小路さんはいいよー!

しんちゃん:2007/11/08(木) 17:28 | URL | [編集]

しんちゃん、こんばんは!
TBが重複してしまいました。
すみませんが、一つは削除してくださいね、すみません~。

小路さんの不思議系小説、初チャレンジしてみました♪
不思議は不思議なまま、説明されないんですね~。
私はもうちょっと知りたいと思ってしまうんですけど、
長々と説明されると飽きちゃうし・・・
と、ワガママな読者ですねぇ、私(笑)

エビノート:2008/01/06(日) 20:22 | URL | [編集]

エビノートさん、こんにちは。
それっ!飽きるしパニックになってしまうの。
だから、突き放してくれるのが一番好みです。
これもワガママですかね。

しんちゃん:2008/01/07(月) 12:48 | URL | [編集]

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空を見上げる古い歌を口ずさむposted with 簡単リンクくん at 2005.12. 3小路 幸也著講談社 (2003.4)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

2007/10/30(火) 20:42 | 今日何読んだ?どうだった??

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