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    2007

11.01

「借金取りの王子」垣根涼介

借金取りの王子借金取りの王子
(2007/09)
垣根 涼介

商品詳細を見る

「美代ちゃん、じゃあ次のファイル、ちょうだい」「はーい」いつもの村上真介の呼びかけ。そして隣の川田美代子の、いつもの気の抜けた炭酸のような声音。「ありがと」「はーい」真介はネクタイを締め直し、美代子はティッシュボックスの位置をきちんと机の角に揃え、ふたたび手を引っ込める。クビキリ人である真介は、派遣社員の美代子をアシスタントに、リストラ対象者を面接し、自己退職を受け入れさせる。「君たちに明日はない」の続編です。

今回、真介が面接するのは、数字に追われることに疲れた、年に二億を捌く外商ウーマン。女性恐怖症で自分から出世コースを降りた、生命保険会社の元幹部候補社員。部下に好かれ尊敬されているが、消費者金融業には向かない優しさを持った店長。自分が接客した真介に面接されることになった、ホテルの客室係主任の女性。彼らの人間ドラマや様々な職場の裏側と共に、最後にもう一つのオマケがある。

それは真介の八歳年上の恋人、陽子は建材メーカーを辞職して、そのメーカーも会員である同業種協会「関東建材業協会」の事務局勤めへと仕事を転職した。一方、真介の勤める「日本ヒューマンリアクト(株)」は、人材派遣業が新規部門として設立。人材派遣部の統括チーフになった真介が、陽子の依頼により、陽子の気に入るスタッフを派遣することになる、というお話。

生保会社の男のお話はすごく印象深かったです。出世から外れリストラ対象者になった男。出世した同僚の表に出さない苦労。そして仕事は抜群に出来るが自由人であるシステムエンジニア。リストラ対象者になった男の出した結論には痺れました。
それと表題作の「借金取りの王子」での、宏明と池口の関係にはガツンとやられました。これはあえて内容には触れません。ご自分で読むことをお薦めします。身体も心もふるえる事は間違いないでしょう。

今回の真介には、前作の最後で使った方法を利用した、SSEという強力な武器がある。SSEとは職場測定アンケートで、対象者の同僚が対象者を評価したもので、その結果をズバッと突きつける。例えば、目標達成度、何点。協調性、何点。という具合に。そしてもっと恐ろしいのが、具体的なコメントが付いているところ。「ぼやきがあまりにも多い。それを聞くとやる気が萎える。外出中に携帯を鳴らしてもぜんぜん掴まらない。地下か何かにいるのか? それともサウナか? 寄ってくると口が臭い。フケもよく肩口に落ちている」こんな陰口を突きつけられたら、自分なら立ち直れないかも。怖っ!

つい面談者に肩入れしてしまったり、去り際にさりげなく優しさを見せる真介が渋かった。そんな真介をロクデナシと心の中で呼びながらも、幸せを噛み締める陽子。その彼女が最後に見せた心の揺れが気になりつつも、続編を期待してしまう。そしてやっぱり美代ちゃんが可愛かった。

前作「君たちに明日はない」を、遥かにパワーアップした人間ドラマが、楽しむことが出来ました。本書だけでも面白いが、真介と陽子をより楽しみたいなら、前作は読んだ方が良いだろう。なので前作と併せてお薦めします。面白かったー。

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垣根涼介
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comments

いったいしんちゃんは、
どうやってこんなおもしろそうな本を見つけてくるのでしょう?
すばらしーです( ̄▽ ̄)σ

いまさらですが、『つた喫茶』にリンクさせていただきました♪
事後報告でごめんなさい(T_T)

これからも、よろしくおねがいします♪
m(。-_-。)m

つたまる:2007/11/02(金) 01:58 | URL | [編集]

しんちゃん おはようございます。
おおっ。表題作、身体も心もふるえましたか(笑)
私は不覚にも、泣いてしました。
生保会社の男のお話のラストは良かったですよね。
会社で頑張って働いている人に読んでもらいたい作品かも。

naru:2007/11/02(金) 07:32 | URL | [編集]

つたまるさん、ただの乱読ですよ。
あたりもあればハズレもある。それだけです。

リンク了解です。
こちらもさせてもらいますね。

今後ともよろしゅう。

しんちゃん:2007/11/02(金) 08:57 | URL | [編集]

naruさん、おはようっす。
そう、ふるふるしちゃいました。
生保の男は、あの一言が利いていましたね。
働く大人に毒はあるかもしれませんが、読んでもらいたいですね。
何かを感じるかも。

しんちゃん:2007/11/02(金) 09:00 | URL | [編集]

こんばんは。はじめまして。
naruさんところから飛んできました♪

面白かったですね。
私も表題作のカップルには泣かさせられました。かっこええ…

主人公のカップルもますますいい感じになってきましたね。二人の人間観察の部分はニヤニヤしながら読んでしまいました。

それにしてもSSEは恐ろしい…(>_<)

ちきちき:2007/11/10(土) 21:44 | URL | [編集]

ちきちきさん、はじめまして。

表題作の二人にはぐっときましたね。
これだけで、あ~値打ちがあった、となりました。

そしてSSEを出されると、はい辞めます、と即答しそう。

しんちゃん:2007/11/11(日) 16:50 | URL | [編集]

こんばんは。
スマートに仕事をこなし、だけど優しい真介、素敵です。
陽子との関係も微笑ましかったです。
続編、ぜひぜひ書いてもらいたいものです。

なな:2007/11/11(日) 20:30 | URL | [編集]

ななさん、こんにちは。
女性読者は真介、男性読者は美代ちゃん
と好みキャラが別にいるのが良いですね。
続編はあるでしょ。出なかったら抗議してやる。

しんちゃん:2007/11/12(月) 09:16 | URL | [編集]

 ありますかねぇ。
 今回は前作の最後に出てきた謎の熟女の正体が明かされるかと思っていたのが裏切られたので、続編期待したいところですが。

higeru:2007/11/26(月) 20:54 | URL | [編集]

higeruさん、続編はあると思いたいです。
大筋以外は独立した短編集みたいですね。
少し期待していたのですが、前作に出ていた真介の同級生もでなかった。

しんちゃん:2007/11/27(火) 08:58 | URL | [編集]

こんにちは。
リストラがテーマの話なんだけど、楽しく読みました。
真介のキャラとリストラされる側の事情が描かれているのがよかったです。
表題作、ウルウルしながら読みました。
陽子の要望で真介が選んだ人材は?というエピソードもおもしろかったですね。
陽子との関係もこの先どうなるか気になるところです。


mint:2008/01/18(金) 11:13 | URL | [編集]

mintさん、こんにちは。
重いテーマのはずなのに面白いよね~。
泣けるよころ笑えるところと、読みどころがあっていいっすね。
これの続編も、アキの続編も、待ち遠しいです。

しんちゃん:2008/01/18(金) 19:53 | URL | [編集]

やっぱり「借金取りの王子」には泣かされましたね~。すごくよかったですもん、まさか二人のその後がそうだとは。
本当にいい女ですね~、王子の奥さんって。

じゃじゃまま:2008/02/08(金) 15:00 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
これは涙腺にくるよね~。
もうたまらんって感じで、鼻水じゅるじゅるでした。

しんちゃん:2008/02/08(金) 22:40 | URL | [編集]

ひとつひとつの業界の話が読み応えだありました。
それぞれに、自分なりの答えを出しているところがよかったです、

花:2008/11/25(火) 21:29 | URL | [編集]

花さん
それぞれの人物の物語にぐっとくるものがありますよね。
暗い内容だけど、みんなにも明日があるさといいたいです。

しんちゃん:2008/11/26(水) 19:47 | URL | [編集]

はじめまして。
最近、このHPを参考にして本を購読しています!
(この本&前作に関しては偶然(?)自分で購読したものですが・・・)

私も表題作を読んで泣いてしまいました。 しかも電車内で(恥ッ)
生保の男性の話も良かったですね。
オクテな自分や、いい加減な勤怠だけれどデキるかつての同僚を思い出し、かなーり感情移入しちゃったかも。

ところで、続編はあるんでしょうかねー?
最後の話は、このシリーズの”エピローグ”という印象を受けました。
でも、社長との関係に含みを持たせている感じも受けたし・・・ウ~ン・・・・

ドウ:2008/11/30(日) 22:15 | URL | [編集]

ドウさん、はじめまして。
>参考にして< ありがとうございます。
お気に入りが見つかるよう、今後も頑張りたいと思います。

表題作はきますよね。これはダントツかなと思いました。
それと生保の男性もしみじみとなりました。

続編希望なので、ラストは含みだと思いたいです。
ただいま執筆をお休み中なので、復帰を待ちたいですね。

しんちゃん:2008/12/01(月) 17:39 | URL | [編集]

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