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    2007

11.08

「スリースターズ」梨屋アリエ

スリースターズスリースターズ
(2007/09/12)
梨屋 アリエ

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弥生は、裕福な家庭に生まれながらも、リアルな人間にはうんざりで、葬式に忍び込んでは死体の顔をケータイで撮って、死体写真館というブログにアップし、リアルであったことがないメール友達と、無駄な時間を毎日過ごしていた。

愛弓は、恋がしたい、愛されたい、という男好きな少女だが、悪魔に変身した親友にエロ画像をネットに流され、両親が失踪したのでいつも食べ物に飢え、お金が欲しくておっちゃんに抱かれて、体を汚し続けていた。

水晶(きらら)は、真面目だけがとりえの優等生だが、フトしたことがきっかけで、他人を見下していると友達に決め付け疎外され、嫉妬深いクラスメイトの執拗な嫌がらせに苦しみ、母親には時間を分刻みで管理されていた。

そんな絶望した3人の少女は、ケータイを通じて出遭い、間違っている世界を壊そうと、星に誓ってスリースターズを結成し、テロを計画する。

今の子供たちが持っている、閉塞感、無力感、孤立感など、すごくリアルに描かれている。
冒頭から中盤までは痛い。ものすごく痛い。三人の少女も痛いが、その周りにいる人間すべてが痛い。楽しくすごしていた毎日が、一瞬でイジメに変わる瞬間。この居心地の悪さったらほんと不愉快。その後の陰険な行いもやだなあ。本を読んで、小説だとわかっていながらも、本気で腹を立てる方ならこの作品はダメだろう。だけど、この痛さが梨屋さんの特徴でもある。まさに真骨頂とでもいえる作品だ。

前半部分は少女たちの個別のストーリーが描かれている。人間関係が理解出来ずにはみ出してしまった少女。家庭環境の悪さから不味い方向に落ちてしまった少女。劣等感を持つ人に自然と不快感を与えてしまう少女。彼女たちは、チェーンメール、ブログのコメントで、死にたい、というキーワードで結びつく。そして実際に会って集団自殺を目論むが、幼稚な不手際で一時中断することになり、深い考えのないままテロをしようとする。

死にたいと言いながら、まったく緊迫感がない少女たち。将来の仕事について語ったり、パーティーを開いて無邪気にはしゃいだりと、個性の違う3人が一緒にいるなら充分乗り越えられるじゃん、という言葉を呑みつつ最後まで読んだ。

水と油のような愛弓と水晶の会話が面白かったです。愛弓の言っている落ちた理由もわかるし、それに対する、水晶の優等生らしい正論もわかる。だけど、正論通りに頑張れる人なんて、ほんと、一握りの人しかいないだろう。だからほとんどの人たちは、愛弓のように何もせずに楽な方へと容易に落ちていく。この二人は絶望組なんだけど、残る弥生はかなり考え方が違うし、持っている含みも違う。

二人の少女を手玉に取ろうとしていた少女が、結局は一番孤独だったのでしょう。それがラスト数ページで立場が入れ替わっていたのが面白かったです。いきなりプツンと途切れたような終わり方でしたが、彼女たちなら良い方向へ向えそうな期待感がある。二人の少女が彼女を救ってくれそうな予感が、ほのかに温かい余韻を与えてくれました。

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梨屋アリエ
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