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    2007

11.12

「Run!Run!Run!」桂望実

RUN!RUN!RUN!RUN!RUN!RUN!
(2006/11)
桂 望実

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岡崎優は、幼い頃から陸上選手だった父の英才教育を受け、全国中学校駅伝競技走大会に三回出走し、自分の出した区間最高記録を走る度に塗り替え、全国高校駅伝競技走大会においても、三年連続区間最高記録を出した実績を抱え、目標のオリンピック金メダルの通過点として、S大学に入学した。

優が嫌いな言葉は、根性、気力、仲間。優がこの陸上部入ったのは練習するためだけ。傲慢で口のきき方をしらず、仲間と交流する気持ちはさらさらない。自分のために走るのだから、声援など無意味。応援を受けたから走るわけじゃない。君ならできるという言葉は必要ない。金メダルのために必要ないものは、いらない。岡崎優とはそういう選手だった。

ほんと嫌なヤツです。いくら走るのが速くても、絶対に友達になれない。こんな優に気軽に声をかけるのが、同級生の岩本。通称・岩ちゃん。邪険にされてもめげず(能天気?)に、声をかけ続けるすごくいいヤツ。

ここからネタバレしているかも。ご注意を。

そんな優だが、兄が突然ホームから転落して、電車に轢かれて死んでしまう。兄に異常なぐらい過保護だった母が壊れ、その母の口から兄と優の出生の秘密が語られる。遺伝子をいじって、母の欲しい頭のいい子供、顔のいい兄を産み、父の求めた長距離選手に向くように筋肉を増やした優をと。なんか記憶にあるなと思ったら、ガンダムの強化人間を思い出した。

母のいった一言で、メンタルなところからスランプになってしまう優だが、ここでもまた、自分の練習を止めてまで心配する岩ちゃん。さらに体調の悪い優の世話までやく。ほんと、なんていいヤツなんだろう。

やがて優は箱根駅伝の花の2区に選ばれるが、箱根ではDNA鑑定があると知り、これまでのキャリアを棒に振ってしまう恐れを抱き、優は出場辞退を決断する。そして監督コーチからは、補欠選手に選ばれた岩ちゃんのサポートを命じられる。そんな優の姿に、これまで不快感をあらわにしていたチームメイトが、優が変わったと勘違いをして、急にやさしくなったりする。こんな簡単に人が変わったと信じるなんて、S大陸上部の人たちは単純な人ばかり、とは思ったが。

岩ちゃんのサポートを口ではめんどくさいと言いながらも、優は岩ちゃんのダメな部分に、かつて父に付きっ切りで指導された幼い頃の自分を思い出す。そして、苦学生ゆえに睡眠時間を削ってバイトをしながらも、一生懸命走る岩ちゃんの姿に、優の何かが揺れだす。ここら辺から面白さがぐっと増し、箱根駅伝へ突入していく。

本書はスポーツをする姿に熱く感情移入する作品ではありません。未熟な考えのまま育ってきた若者の壁というか、一段上に登る姿を描いた作品だろう。たぶん比べられるだろう作品が二つほど思いつくが、それらとは別系統の「バッテリー」の方が近いのだと思う。

前半はさておき後半は面白く読めた。ただ残念なのは、DNAなんて出してこられても、馴染みがないのでイマイチ伝わって来ない。そこがこの作品の異色なところだ。

重い空気でストーリーは進行していくが、そんな空気を和らげるのが、岩ちゃんであり、コーチの一人である小松ボンであり、保健師のあさ美さんである。彼ら人物たちの配置の妙が、この作品の面白さを高める重要なファクターになっていた。

あえて作品名はあげませんが、こんな箱根駅伝があっても良いと思えた、一冊でした。

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桂望実
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comments

あたしも水泳部員。
個人種目のスポーツ系です。
しんちゃんも、競泳でしたよね。


あたしも中高時代、「仲間」というの、ちょっと苦手でした。
でも、今は、
その「仲間」が飲み友達です(* ̄∇ ̄*)


陸上系では、
話題になった「一瞬の風になれ」を図書館で借りたいのですが、いつも貸し出し中~( ̄□ ̄;)

つたまる:2007/11/13(火) 00:37 | URL | [編集]

こんにちは。
確かにスポーツ小説というのとはちょと違うかもしれませんね。
岩ちゃんが本当にいいキャラで、優が少しずつ変わっていくところもよかったです。

mint:2007/11/13(火) 11:29 | URL | [編集]

つたまるさん
選手時代はメドレーリレーをしていたので、いつも一緒。
高校時代はバンドに熱中していたので、いつも一緒。
家族よりも仲間といる時間の方が、おもいっきし長かったです。

「一瞬」は未だに予約人数がすごいみたいですね。
すっごく面白かったですよ。

しんちゃん:2007/11/13(火) 17:02 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
かなり異色の作品でしたね。
岩ちゃんは完全に主人公を食ってたねえ。
ダブルキャストでも良かったように思いました。

しんちゃん:2007/11/13(火) 17:06 | URL | [編集]

岩ちゃんは本当に人間できてるなぁ……と何回もしみじみ思いました。彼より10歳くらい年上(なはず)なのにわたしだったらきっと……!これ以上は言えません。えぇ。

まみみ:2007/11/13(火) 19:18 | URL | [編集]

岩ちゃんなど脇役の存在が癒しになってた作品でしたね~。
主人公やその家族だけだと、イライラしっぱなしだったような気がします(^_^;)
桂さんの作品で一番好きなのは『ボーイズ・ビー』です。
機会があれば、ぜひ!!

エビノート:2007/11/13(火) 20:08 | URL | [編集]

まみみさん、岩ちゃんがいいヤツでしたね。
岩ちゃんがいなかったら、途中で放り投げてたかも。
ほんと、岩ちゃん様々な作品だっだよ。

しんちゃん:2007/11/14(水) 11:41 | URL | [編集]

エビノートさん、脇役がしっかりしてましたね。
彼らがいなければ、ただのテング作品で終わってましたね、たぶん。
「ボーイズ・ビー」文庫が出たので買いました。
お薦めを頂いたので、読むのが楽しみになりました。

しんちゃん:2007/11/14(水) 11:45 | URL | [編集]

こんにちわ^^
TBさせていただきました♪

岩ちゃんも小松コーチもいい人だったけど
私は優がけっこう好きでした(イヤなやつだけど)。
走りに対する姿勢は素晴らしいと思いますし・・。
なんとなくほっとけない弟を見る目・・・で読んでいたのかもしれません。
こういう子けっこう好きだったり(笑)。

じゅりん:2007/12/22(土) 12:47 | URL | [編集]

じゅりんさん、こんばんは。

優が好きってすごい!
世話焼きタイプなのでしょうか。
それとも母性本能なのかな。

男の自分は敬遠したいです。

しんちゃん:2007/12/22(土) 19:17 | URL | [編集]

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RUN!RUN!RUN!  桂 望実


RUN!RUN!RUN!桂 望実 318 ★★☆☆☆ 【RUN!RUN!RUN!】 桂 望実 著  新潮社 《Run? Run? Run?の感じがする》 内容(「MARC」データベースより)目標はオリンピックの金メダル。箱根駅伝は通過点。仲間なんか必要ないはずだった…。アスリートとし

2007/11/12(月) 18:12 | モンガの独り言 読書日記通信

「Run!Run!Run!」 桂望実


Run!Run!Run!posted with 簡単リンクくん at 2006.12.16桂 望実著文芸春秋 (2006.11)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

2007/11/12(月) 21:04 | 今日何読んだ?どうだった??

「Run! Run! Run!」桂望実


タイトル:Run! Run! Run!著者  :桂望実出版社 :文芸春秋読書期間:2007/03/05 - 2007/03/06お勧め度:★★★[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]標はオリンピックの金メダル。箱根駅伝は通過点。仲間なんか必要ないはずだった…。アスリートとして最高の資質を持つ主人公

2007/11/12(月) 22:59 | AOCHAN-Blog

RUN!RUN!RUN! 桂望実


写真は井上佐由紀。装丁は番洋樹。シューズ(カバー写真)提供は亜細亜大学陸上競技部。2003年「死日記」でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞デビュー。主な作品「県庁の星」「ボーイズ・ビー」「Lady,Go」

2007/11/13(火) 00:42 | 粋な提案

桂望実【RUN! RUN! RUN!】


中学生のときから駅伝大会で華々しい記録を打ち立ててきた岡崎優が、スポーツ推薦で大学に入学。いよいよ活躍の場を箱根駅伝へ移そうかというとき、優は人生を左右する重大な秘密を知る。 RUN!RUN!RUN!桂 望実 (2006/11

2007/11/13(火) 09:32 | ぱんどらの本箱

『RUN!RUN!RUN!』


今日読んだ本は、桂 望実さんの『RUN!RUN!RUN!』です。

2007/11/13(火) 11:21 | いつか どこかで

Run!Run!Run! 〔桂望実〕


RUN!RUN!RUN!桂 望実 文藝春秋 2006-11売り上げランキング : 26836おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools≪内容≫目標はオリンピックの金メダル。箱根駅伝は通過点。仲間なんか必要ないはずだった…。アスリートとして最高の資質を持つ主人公が知った事実....

2007/11/13(火) 20:04 | まったり読書日記

「RUN!RUN!RUN!」桂望実


RUN!RUN!RUN! この頃陸上だとかスポーツものがはやってますが、これも「風が強く吹いている」とか「一瞬の風になれ」とか、そういう熱い仲間との物語だと思ってたんです。読み始めてみると出てくるのは、大学1年生の傲慢で鼻もちならない天才ランナー。彼が仲間と関わ...

2007/12/19(水) 22:01 | 本のある生活

『Run!Run!Run!』 桂望実


JUGEMテーマ:読書 目標はオリンピックの金メダル。箱根駅伝は通過点。仲間なんか必要ないはずだった…。アスリートとして最高の資質を持つ主人公が知った事実とは? 箱根駅伝に懸ける仲間と走るうちに、閉じかけていた世界が開いていく。 なかなか良かったです!賛否

2007/12/22(土) 12:44 | *precious memories*

Run!Run!Run! (文春文庫)


夢はオリンピック、箱根駅伝は通過点。天才ランナーと呼ばれる岡崎優は子供の頃から練習を積み重ね、身体データを取り、走るための努力を積み重ねてきた。箱根駅伝“花の二区”を途中棄権してしまった父も、そんな優を応援し練習に熱心だった。優はスポーツ科学の進んだS...

2010/01/12(火) 15:07 | ◆小耳書房◆

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