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    2007

11.13

「彼女はたぶん魔法を使う」樋口有介

彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)
(2006/07/22)
樋口 有介

商品詳細を見る

何故今まで読まなかったのか、悔やまれる作品だ。自分のバカ、バカ、おバカーー。

10歳の娘・加奈子と、マスコミなどで健啖家として有名な知子とは別居中の柚木草平は、一応刑事事件専門のフリーライターということになっているが、警視庁の特捜にいたときの元上司・吉島冴子から回ってくる事件の調査で食いつないでいる。今回冴子から持ち込まれたのは、女子大生の轢き逃げされた事件。さっそく依頼者である被害者の姉・島村香絵を訪ねた後に、被害者の友人たちに訊き込みを開始する。すると柚木の調査が進むうちに、話を聞いた被害者の同級生が殺害されてしまった。

事件自体はそんなにややこしいモノではない。出てくるキャラたちの味付けもしっかりしているし、ちょっとトレンディな雰囲気で、ストーリー展開もスマート。その中で光るのが、主人公である柚木が繰り広げる会話だ。それもいい女たちとのナンパちっくな軽妙な会話や、お年頃になってきた娘との会話など、粋なユーモアが絶妙で、読み始めてすぐに“好き!”となった。とにかく読んでいて心地良いのだ。ニヤニヤと笑みを浮かべたまま、次のページを捲るのが止められないつーの。

三十八歳の主人公が出会う女性は、いい女ばかり。うら若き近眼美人の夏原祐子は、近眼ゆえに顔を近づけ、じっと見つめながら主人公と会話をする。こんな会話をいい女としたーい。羨ましい限りなのだ。でも実際に顔を近づけて見つめられたら、モジモジしてしまうだろうな。小せえぞ、自分。

ここには三十路を超えた男性が持ってしまう夢がある。そして、女性との会話の進め方や、ナンパの極意?がてんこ盛り。これらを参考に、明日から薔薇色の生活をレッツ・エンジョイ、なんてとても出来やしないが、それらもろもろがスパイスになっていて、作品にラテン系の陽気さを与えている。

事件の結末はあっと驚くようなものでは無いが、人間の欲望を巧みに絡ませ、展開だけでなくこちらもスマートな仕上がりだ。それに、柚木曰くところのサービスが充実している。これまで登場した人物たちへの、その後の配慮も実に細やかで、読者が気になる部分が丁寧に描かれていて、大いに満足感を与えてくれた。それに最後のオチも、ざまあみろって感じで素晴らしかった。

十九年前に出版された作品だがこれがビックリ、新しいのだ。新刊として発売されても違和感を与えないであろう。ミステリであり、ハードボイルドが苦手な読者(自分も含む)にも読めて、なおかつ面白い。男性なら柚木に憧れ、女性なら柚木に惚れる。とにかく最高に面白い快作でした。

お薦め!

あまりの面白さに、慌てて文庫の既刊をコンプしてしまった。
今後ちびちびと読んでいきまーす。

柚木シリーズ
「彼女はたぶん魔法を使う」
「初恋よ、さよならのキスをしよう」
「探偵は今夜も憂鬱」
「刺青白書」
「夢の終わりとそのつづき」
「誰もわたしを愛さない」
「不良少女」
「捨て猫という名前の猫」

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樋口有介
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comments

柚木の持ち味の鼻につくほどのハードボイルドには
いささか疲れました(笑)けれど
「ラテン系の陽気さ」の素だと思えば
まさによく効くスパイスですね。

ふらっと:2007/11/13(火) 17:55 | URL | [編集]

「女性なら柚木に惚れる」というのに賛同はできかねるんですが、気になる人ではあると思います。まちがいなく。
なんだかんだ言いつつもシリーズ読んでますからねぇ…柚木あなどりがたし!って感じです(なんのこっちゃ)。

まみみ:2007/11/13(火) 19:01 | URL | [編集]

こんばんわ☆
私もこのシリーズ好きです♪
読後感もいいし、次に柚木が何を言うのかも楽しみだし…もちろん展開も気になるし。
とはいえ、シリーズ1作目を初めて読んだ時には柚木の喋りにちょっと痒くなったりしたんですが(笑)気がつけばはまってました(笑)
あっと驚くような大きな展開はないんだけど、しみじみと楽しいですよね♪

マメリ:2007/11/14(水) 01:54 | URL | [編集]

ふらっとさん、疲れました?
ハードじゃないハードボイルドが好みでした。
スパイスがふらっとさんには効きすぎたのかな。

しんちゃん:2007/11/14(水) 11:31 | URL | [編集]

まみみさん、女性には柚木は不評なんですかね。
男性意見を代表する気はありませんが、いいなあ、羨ましい、という感じでした。
今後の柚木や加奈子ちゃんがすごく楽しみです。

しんちゃん:2007/11/14(水) 11:35 | URL | [編集]

マメリさん、こんにちは。
地味だけど面白いですね。
ストーリーよりも柚木から目が離せない。
そういう作品でしたね。

しんちゃん:2007/11/14(水) 11:38 | URL | [編集]

こんばんは。

TBありがとうございました。

ぼくも、この本がきっかけとなって、次々と樋口さんの作品を読んでいます。
ナンパちっくというか、今なら、セクハラだと糾弾されそうな会話ですね。
仕事とはいえ、これだけ美女が周りにいたら、毎日が楽しいでしょうね。

しんちゃんのおっしゃるように、随分昔の作品なのに、古さを感じない所に、作者の手腕を感じます。

ぼくからもTBさせていただきます。

touch3442:2007/11/17(土) 21:03 | URL | [編集]

touch3442さん、こんにちは。
男ならすごく羨ましい環境でしたね。
こんな毎日なら、鼻血ブーで貧血になりそうです。

古さを感じずに新鮮さを感じたのはビックリでした。

しんちゃん:2007/11/18(日) 09:11 | URL | [編集]

かなり嵌ったみたい??
良かったよー♪

草平さんの会話は、実際自分が言われたら、多分嬉しい。
だって誉められて嫌な気持ちになる女の人は、いないと思うもん。
でも、気持ち悪い(エロイ感じとか)言い方だったら「セクハラ」だけどね(笑)

このシリーズ結構、読んでいくと嵌るんだよね(^^)




まる:2007/11/19(月) 21:11 | URL | [編集]

まるさん、すっごく面白かったです。
読むきっかけをくれてありがとね!

草平の会話は紙一重ですよね。
これが脂ぎったでっぷりした中年だったら。ねえ。

まずはこのシリーズ読破を目指します。
まるさんと競争だー♪

しんちゃん:2007/11/20(火) 09:54 | URL | [編集]

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彼女はたぶん魔法を使う*樋口有介


☆☆☆・・彼女はたぶん魔法を使うある事件がきっかけで警察を辞め、警察が扱わないような事件を追って暮らしている俺こと 柚木草平が語る思惑が絡み合った物語。警察時代の...

2007/11/13(火) 17:56 | +++ こんな一冊 +++

「彼女はたぶん魔法を使う」 樋口有介


彼女はたぶん魔法を使うposted with 簡単リンクくん at 2006. 9. 5樋口 有介著東京創元社 (2006.7)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

2007/11/13(火) 18:59 | 今日何読んだ?どうだった??

『彼女はたぶん魔法を使う』 樋口 有介


彼女はたぶん魔法を使う樋口 有介主人公は元刑事でフリーライターをしている柚木草平38歳。妻子あり、けど別居中。そんな草平は、元上司で愛人でもある吉島冴子が回してくれる事件の調査などもする私立探偵をしています。今回の依頼人は、島村香絵。1ヶ月前に車にはねられ

2007/11/14(水) 01:43 | お菓子を片手に、日向で読書♪

◎◎「彼女はたぶん魔法を使う」 樋口有介 講談社文庫 530円 1990/4


 いやあ、期せずして傑作を読んでしまった。読書中が楽しくてしょうがなかった。初めての樋口有介作品、本書『彼女はたぶん魔法を使う』の内容も全然知らずに読み始めた評者だったのである。買ったのは確か4年くらい前で、文庫本を古書店で100円で買ったまま積読だったの

2007/11/14(水) 21:59 | 「本のことども」by聖月

樋口有介のことども


  ◎ 『ぼくと、ぼくらの夏』  ▲ 『風少女』  ◎ 『風の日にララバイ』◎◎ 『彼女はたぶん魔法を使う』 柚木草平シリーズ◎◎ 『夏の口紅』  ○ 『初恋よ、さよならのキスをしよう』 柚木草平シリーズ  ▲ 『楽園』  ○ 『11月そして12月』  ▲ 『

2007/11/14(水) 21:59 | 「本のことども」by聖月

『彼女はたぶん魔法を使う』樋口有介著(創元推理文庫)


彼女はたぶん魔法を使う 昔、『少年サンデー』に『おやこ刑事(でか)』という作品が連載されていた。愛読していた訳ではないが、この作品に登場する息子の方の刑事が、女性アレルギーだった。女性が近づくとジンマシンが出るなんて、お気の毒と思ったものだ。 さて、....

2007/11/17(土) 21:08 | 生きることにも心急き、感ずることも急がるる…

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