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    2007

11.21

「初恋よ、さよならのキスをしよう」樋口有介

初恋よ、さよならのキスをしよう (創元推理文庫)初恋よ、さよならのキスをしよう (創元推理文庫)
(2006/09/20)
樋口 有介

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柚木草平は元警視庁の刑事だったが、ある事件をきっかけに退職し、現在は刑事事件専門のフリーライターとして生計を立てる一方、探偵としても活動している。妻の知子とは三年前から別居状態なので、一人暮らしというのも、「侘しくて、案外にいい」と気ままに過ごしている。妻の元に引き取られた娘の加奈子とは、月に一度顔を合わせる約束になっているが、その約束はほとんど守っていない。

前作「彼女はたぶん魔法を使う」で娘の加奈子と約束した、カモノハシを見にオーストラリアへ行く代わりに訪れたスキー場で、柚木は高校時代の初恋の人・実可子と二十年ぶりにばったりと再会する。かつての柚木は同級だったとはいえ親しく口をきくこともなく、男たちに囲まれている実可子を遠くから眺めるだけだった。彼女は以前と変わらない美貌のまま、高級雑貨店のオーナーをしていたが、それから一ヵ月後、柚木は実可子が何者かに殺害されたことと、彼女がスキー場から帰ってすぐに、「自分になにかあったら柚木さんに相談するように」と、柚木の名刺を娘の梨早に渡していたことを、彼女の姪の佳衣から聞かされた。彼女はそういうことが起こるかもしれないと、一ヶ月前から予測していたのか。柚木は佳衣の依頼を引き受け、かつて実可子と仲良しグループだった同級生たちと、久しぶりに再会することになった。

一言二言多いのではなく、三言四言と余計な口をきく柚木。彼が美女にうつつを抜かしながら活躍するシリーズ二冊目です。シリーズ物の感想は、前作と重複する部分が多いので難しい。いい女とのむふふな会話や、お年頃の娘とのやり取りなどは、前作のところで書いた。だから本書に限っての部分に触れていきたいと思う。

本書のヒロイン・佳衣は、大型のマシン(バイク)を乗り回す二十七歳の女性。大学でサンゴの研究をしている助手なのだが、前作のヒロインほど色気を感じなかった。まあ、個人的な好みですが。柚木との絡みも少なめで、あまり印象に残らなかったのが残念。

今回柚木が追いかけるのはかつて憧れだった同級生の死で、彼女と付き合いのあった同級生四人を疑って捜査していく。だから当然青春時代の思い出を振り返ったり、柚木の過去にも触れる。同級生たちは、大成功している者もいれば、身の程をわきまえて細々と暮らしている者がいる。そんな彼らのいつも中心にいたのが殺害された女性で、この二十年の間に彼らの生活に何があったのか、彼女に対してどういう思いで付き合ってきたのか、という、知っているがよく知らない人物の暗部を探っていく。それによって、表面しか知らなかった人物の裏の顔や、どろどろした内面が見せられていく。自分の中で美化した思い出を、自分の手で崩していくのはかなり怖いことだ。それらを表したのがタイトルの意味だろう。

本書は派手さはないが、自然な流れで読者を飽きさせることなく、最後まで読ませてくれる作品だ。そしてラストには、柚木と娘の加奈子とのとっておきのやり取りが待っている。出番の少ない加奈子ちゃんだが、とても爽やかな余韻を与えてくれる。娘が妻に似た仕草をするのって、父親はどんな思いで受け止めるのだろう。そんな事を思いながら楽しい読書が終わりました。


柚木シリーズ
「彼女はたぶん魔法を使う」
「初恋よ、さよならのキスをしよう」
「探偵は今夜も憂鬱」
「刺青白書」
「夢の終わりとそのつづき」
「誰もわたしを愛さない」
「不良少女」
「捨て猫という名前の猫」

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樋口有介
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comments

話がちょっとずれるんですが、恋人の警察キャリアの冴子さん、って漫画の「シティーハンター」と似てますよねっ。どっちが真似したんだろう…偶然か…?とかいろいろ想像して楽しんでます。
たぶんこのシリーズで一番変なのは「夢の終わりとそのつづき」だと思うんですが、しんちゃんの感想が楽しみです^^
結構おもしろいのになぜか友達はあまり読んでないんですよね~~

まみみ:2007/11/21(水) 19:10 | URL | [編集]

まみみさん、それ思いました。
同じ冴子で刑事だし、主人公のモテっぷりも共通してる。
それに美女ばっかり出てきたり。
これでもっこりしてたらそのまんまですよね。

「夢の終わりとそのつづき」
まだ先になりそうですが、絶対に読みます。
気長に待っててね。

しんちゃん:2007/11/22(木) 09:38 | URL | [編集]

しんちゃんさん

またまたTBありがとうございました。

それにしても秀逸なタイトルですね。
青春時代の甘酸っぱい感情がよみがえってくるようです。

話題になっている『夢の終わりとそのつづき』は、確かにとんでもない作品です。
読まずにパスしても、差し支えのない作品と言ったら、失礼かもしれませんが、あまりお勧めはできませんね。

touch3442:2007/11/24(土) 21:39 | URL | [編集]

touch3442さん、こんにちは。

タイトルは捻ってありますね。
作品を読むと上手い!と膝を叩きたくなります。

「夢の終わりとそのつづき」は問題作なのかな。
すでに買ってあるので、確かめてみよう。

しんちゃん:2007/11/25(日) 09:34 | URL | [編集]

「夢の終わりとそのづづき」私も読んでないから、
どんな問題作なのか??
確かめなきゃ!!
しんちゃんの方が早いかも!!

まる:2007/12/15(土) 17:11 | URL | [編集]

まるさん
先に行っちゃってください。
「刺青白書」を読んだら、シリーズ外を読んでみるつもり。
樋口さんの青春作品が気になってね

しんちゃん:2007/12/15(土) 19:32 | URL | [編集]

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○「初恋よ、さよならのキスをしよう」 樋口有介 創元推理文庫 700円 2006/9


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2007/11/22(木) 07:56 | 「本のことども」by聖月

樋口有介のことども


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2007/11/22(木) 07:56 | 「本のことども」by聖月

『初恋よ、さよならのキスをしよう』樋口有介著(創元推理文庫)


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初恋よ、さよならのキスをしよう


 元刑事で刑事専門のフリーライターである、柚木草平が、名探偵となって、事件を解決していくという「柚木草平」シリーズの一つ「初恋よ、さよならのキスをしよう」(樋口勇介:東京創元社)。  柚木は、娘を連れて訪れたスキー場で、20年ぶりに高校時代の同級...

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