「コーンクリームスープ」川西蘭
2007年12月16日 (日) | 編集 |
コーンクリームスープ (ピュアフル文庫 か 2-1)コーンクリームスープ (ピュアフル文庫 か 2-1)
(2007/03)
川西 蘭

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妻の苦情が始まるとすぐに書斎に引っ込んでしまう大学教授の父親と、気晴らしに友達と共同で人材派遣会社を経営している虚栄心の強い母親。そんな家庭に育ち、両親にも打ち明けていないが、ひそかに音大への進学を希望している高校生のぼくこと、本山慎一。

勝手気ままな独身貴族のケン叔父さんは、当たり前のように遊びに来るが、彼の評判はわが家ではあまり良くない。パパの離婚でやってきた新しいママとパパは夫婦喧嘩が恒例行事。そしてケン叔父さんが連れてきて、世話を押しつけた猫の勘太郎。そんな家庭で毎日を過ごす中学生のわたしこと、星野奈津美。

そんな二人が、地下鉄のホームで慎一の勘違いがきっかけで出会い、やがて再会した二人は、ゆっくりと距離を縮めてゆく。

二人の少年少女の甘酸っぱい恋のお話だと思っていたら、まったく違ったようだ。慎一の両親は、夫婦関係が上手いかないことで言い争いをし、それゆえに慎一は家にいるのが居心地悪くて家出までする。奈津美の父は家庭を大事にせずに、それゆえに新しいママはやがて家を出る。その結果、奈津美は家で一人過ごす時間がほとんど。これらは大人の問題だから、子供たちは何もすることが出来ずに、ただ大人たちの身勝手を受け入れるしかない。

それに慎一の父と奈津美の母が会っていたり、その他にも誰それが古くからの知人だとか、目線は子供たちなのだが、大人のドロドロしたところばかりを見せられる。これが結構しんどいのだ。だから、本の背表紙を見て、慎一と奈津美のピュアな恋を期待していたから、肩透かしを食わされたような気持ちになった。

本書のほとんどが、どうしようもない嫌な大人たちの描写ばかりだ。だからそんなのを見せられてばかりで、突然ラストに甘いテイストを持ってこられても、唐突感がぬぐえずに違和感がありあり。なんかちぐはぐな展開で、本書は何がいいたいのかサッパリ分からなかった。終わり方も中途半端で、まとまりも悪くて、文章もどこか引っかかる部分があって、苦痛ではないが好きになれなかった。

というわけで、本来ならこのまま感想を書かずに封印するのだが、新刊の「セカンドウインド」をすでに買ってしまっているので、今後も読むことになる作家だ。だから、文句ばっかりは嫌だけど、今後の読書があるので、備忘録のつもりで書いてみた。このイライラを「セカンドウインド」で、ぜひ挽回して欲しい。

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