2007年12月16日 (日) | 編集 |
![]() | 魔神館事件―夏と少女とサツリク風景 (2007/09) 椙本 孝思 商品詳細を見る |
高校が夏休みに入って間もないある日、亡き父を知る人物の屋敷が落成パーティをするから来て欲しいと誘われ、白鷹黒彦は父の代わりに信州奥地にある魔人館を訪れた。そこにはお互いが初対面の人物が集っていて、魔人館の主人が語るには、屋敷内にある十二星座像を基に十二人が集められ、彼らの星座がそろったことで、魔神館は完成するらしい、ということだ。
亡くなった父の代わりにやってきた、人馬宮の白鷹黒彦。兄の犬神についてきたすごく元気な少女、双児宮の犬神果菜。世界最高の知性を持つ、宝瓶宮の犬神清秀。医師をしている、天秤宮の姫草泰道。フランス料理の有名シェフ、天蝎宮の蒲生聖。コンピューター技師であり実業家、双魚宮の久佐川欄平。新進気鋭の女流画家、巨蟹宮の紅岩瑠美。館のメイドをしている、金牛宮の鶴原三鳥。同じくメイド、白羊宮の西木露子。魔神館の主人、処女宮の東作茂丸。魔神館の執事、磨羯宮の妻木悟。魔神館を建てた西洋建築家であり魔術師でもあった故人、獅子宮の香具士深良。
彼らが翌朝目覚めた時、すでに一人目の死者が彼らを待っていた。そして次々と殺されていく人物たち。香具士深良かけたという魔術の仕業なのか。それとも人為的な悪意なのか。人々は疑心暗鬼にあい、追い詰められてゆく。
外は台風で大荒れなので電話も通じない。道も遮断された山奥に孤立した館。いわゆる陸の孤島モノと呼ばれる作品だ。そこに最近流行のキャラ萌えの人物が登場というわけで、ある作家名が思い浮かぶのだが、自分は本書の方が違和感なく読め、あちらよりも面白かった。平凡な主人公の黒彦に、クロちゃん、とまとわり付く幼児系少女のハテナに、天才だが変人のお兄さん、と特定の読者層に喜ばれそうなキャラたち。彼らの言動が読者を飽きさせずに、それでいて連続する殺人事件も読ませていく。
ただ本書を本格ファンの方が読むと、トリックというかある仕掛けだけは、アンフェアだと怒られる方がいるだろう。犯人が誰かとか、殺害の方法だとか、密室の謎などを解いてやろうと考えていると、この作品はミステリではありませんでした、というような、人をバカにしたような解答が出てくるのだ。あれは好き嫌いがはっきりと別れると思う。
だから、ラノベ的なキャラ小説として読む分には面白いが、ミステリとして読むと怒りしか沸いてこないだろう。それゆえに、読み手を選ぶだろう作品だから、お薦めはしにくい。しかし、個人的にはベタな部分がすごく楽しめたと思う。よってキャラ系が好きな方ならイケルかも。
個人的には続編が出たら、ぜひ読みたい。
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