売れない作家の甲町岳人は、喜多見駅前の本屋で買った、「海辺のカフカ」という物語に導かれるように行く当てのない旅に出た。そして電車に揺られ、かつて図書館に泊まって、雑著コーナーで見つけた、世界の森羅万象を紐解くトンデモ本を読み漁ったことなどを思いだしながら、読書中の「海辺のカフカ」に出てくる鰻重が食べたくなって浜松へ行き、讃岐うどんが食べたくなって四国を目指す。
勘違いから恋が始まったナズナとワタルは、読書好きのナズナの影響で、ワタルも読書が好きになり、読んだ本について語り合うのが二人の楽しみになる。そして二人は村上春樹のHPに寄せられたファンのコメントで、「海辺のカフカ」を読んで四国に行く人がいることを知り、本の主人公のように、高速バスに乗って高松まで讃岐うどんを食べに行く旅に出る。
そして同じ物語に導かれた二組は、高松のある讃岐うどん屋で偶然に巡り合い、旅は道連れと一緒に行動するようになる。そこでワタルが持つ「海辺のカフカ」を特集したタウン誌の中に、三ツ木美和の名前を見つけた甲町は、自分が作家になるきっかけになった、深夜の図書館で読んだ美羽水月という著者をダブらせ、三人は彼女を訪ねてみることにした。
村上春樹の「海辺のカフカ」をオマージュした作品らしいのだが、実は村上春樹を読んだことがない。だからどこまでネタバレしているのかも分からないし、主人公たちのように思い入れもない。しかし未読でも充分に楽しむことができた。作家先生の原点回顧するストーリーと、カップルの青春ロードノベルとの融合が上手く絡み合って、スマートな作品に仕上がっている。
特に高松や徳島に住んでいる方や縁がある方には喜ばれるだろう。その他にはユースケ・サンタマリア主演の映画「UDON」などが好きな方にはお薦め。それに本好きならナズナとワタルのようなカップルにはすごく憧れると思う。自分も二人の会話や何気ない部屋での場面に憧れたクチだ。カップルが同じ部屋に居て、男性が本を読む事に集中していても、そんな男性にかまって欲しいという不満を覚えずに優しく見守る女性。お互いに読書が好きという相手だからこそ、こんな風景が成り立つのだ。
こんな関係は恋人同士だけではなく、気の合う友達にも当てはまる。自分の部屋もしくは友達の部屋で一緒に居るのだが、二人は別々に漫画を読むだけでまったく会話をしない。しかし、何故かその時間というか空間が妙に居心地が良いのだ。お互いの気配というか一緒にいる安心感というか、なんともいえぬ安らぎが生まれるのだ。こんな関係が築けるのは極まれで、それが友達を親友と呼べる基準なのかは分からないが、中々築けるものではない。そんな環境を彼女で作ることができたワタルがすごく羨ましい。
そして物語を読むことで、世代を超えて人と人が繋がることができる。こういう本がもたらす縁ってなんか良い。今だったらブログやSNSがそう。唐突ですが、いつもお世話になっております。今後ともよろしくお願いします。
本書にはたくさんの作品名や作家名が出てきたが、芦原すなおさんとパーマンぐらいしか読んでいない。これを機会に、村上春樹にもチャレンジしたくなった。何故かベストセラーって読む気にならない天邪鬼をこの際に返上してみるか。だけど、その前に竹内真さんの他の作品を読まねばならぬ。なぜなら竹内真が好きだから。ぽっ。
竹内さんの「ハルキ大好き」さが滲み出しているようです。
あー、私も、また竹内さんの作品を読みたくなってしまいました。
この作品もほのぼのとして良かったですよね。
しかし、なんといっても自転車少年期が抜群にいいですよね。
カレーライフも、何度も手にとってみたもののあまりの厚さに躊躇していますが、今度借りてきます!
「カレーライフ」分厚いけどあっというまに読めますよ。
「じーさん武勇伝」
「粗忽拳銃」
「図書館の水脈」
「自転車少年記」
あかん、記憶がうすい。
また読み返しとうなってきました。
確かに「カレーライフ」は再読に勇気がいります。
つうか分厚すぎ。再読がしにくいつーの。
自分もいつかと思ってます。ほんといつになるのか。
自分なら霊場をまわりたい。
あれこれを本ブログでダメなら、SNSの方で教えて下さい。
興味深々です!
「粗忽拳銃」 はブログを始める前に読みました。
あとは、「じーさん」「オアシス」などの文庫だけ。
すでに積んでま〜す。
舞台になった土地の人には格別っすよね。
しかし、残念ながら「ハルキ大好き」は知りません。
あしからず。