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    2007

12.21

「エバーグリーン」豊島ミホ

エバーグリーンエバーグリーン
(2006/07)
豊島 ミホ

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自分が組んだのがワンマンバンドだとわかっていた。しかし、学祭まで一週間という日に突然バンドは解散してしまった。そこへ偶然現れた、見覚えはあるけれども、名前が出てこないクラスメイトの「シン君、通学路でうたってんのに、もったいないよ」という一言で、なんでもできるような気がした。その少女がアヤコだった。

シン君のことを好きだと気付くと同時に、この感情をシン君以外の誰にも打ち明けないことを決めていた。飛べない自分と違って、何かをしてくれる人だと思っていた。そんなアヤコが勇気を出して声をかけたのが、シン君のバンドが壊れてすぐのことだった。それから時々話すようになるが、アヤコは自分の描くマンガが恥ずかしくて見せることができなかった。

そして中学卒業式の帰り道。今はマンガを見せられないけど、十年経ったら見せられるかも、とアヤコは宣言。別々の高校に通うことになったシンとアヤコは、シンは超有名ミュージシャンになって、アヤコは漫画家になって、十年後の今日、ここで再会することを約束して別れた。そして時が経って約束の十年まであと二ヶ月。二人は再会するまでそれぞれの日々を過ごし、やがて約束の場所へと向かう。

すごく良かった。いわゆる感動とは少し違って、琴線にビンビン触れるような感じかな。大人になるということは、「絶対になる」が「なりたい」になり、「できるならやってみたい」になっていく。そしていつかは「そんな事を思っていたな」となる。妥協というか、現実の壁にぶち当たって、夢を諦めてしまう。主人公の男性は、高校を卒業すると地元の会社に勤め始め、ほとんどがそうであるように、普通の大人になった。一方の女性は、夢をかなえてマンガ家になるも、彼がミュージシャンになることを疑わずに、ずっとシン君への思いを引きずったまま、大人になりきれずに過ごしてきた。

そんな二人が持つ、焦燥、不安、期待といった感情がすごく瑞々しかった。ネタバレになるからあまり書けないが、男性の足掻く姿や、女性の痛さが、豊島さんらしい若さの表現のしかたで、焦る姿に共感できたり、成長する姿にほっと安心したり。二人が約束のことをずっと覚えていて、過去のあの瞬間を大事にしている心、温かさ、というか、人のよさが滲みでてくるようで、都会人にはないような純朴さが微笑ましかった。

そして二人が特別にキレイな思い出と再会する場面はもったいないので語らない。あれは読んだ人だけの特権にしておきたい。読んだみなさん、そう思いませんか??

なんか、この作品を読んだら、久しぶりにブルーハーツの「トレイントレイン」が聞きたくなった。主人公の男性とモロに年代が被るんだよな~。同じ元バンドマンだし。それに、一度熱く語りすぎたので、書き直したし。二回も書いたので疲れたよ。ほんと、マジで。

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豊島ミホ
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comments

こんばんは!
アヤコにもシンにも共感しまくり、だからこそあのラストが爽やかですよね~。
ラストは読んだ人だけの特権!
そうそう!!

エビノート:2007/12/21(金) 22:47 | URL | [編集]

二人の対比の痛さがとてもいい感じでしたね。
今まで読んだ豊島さんの作品のなかで一番好きな作品です。

リベ:2007/12/21(金) 23:12 | URL | [編集]

エビノート さん、こんばんは。
成功したアヤコには無理ですが、シン君には共感しまくり。
ラストをばらすのはもったいないですよね。
あれは自分で読んで欲しいと、すごく思いました。

しんちゃん:2007/12/21(金) 23:40 | URL | [編集]

りべさん
確かに二人の対比は面白かったです。
でももう少しアヤコにも人生の苦労が欲しかった。
上手く行き過ぎるとやっかむのですよ。
同じく好きだけど、アヤコだけがリアルを感じませんでした。
それでもラストは震えましたけどね。
十点はあげるけど十二点までは…。欲張りすぎかな。

しんちゃん:2007/12/21(金) 23:49 | URL | [編集]

大好きな本です。
若さゆえのあせりやとまどい等、共感する部分が多くありました。
ずいぶん前に読んだのですが、今でも、再会のシーンが目に浮かびます。

花:2007/12/22(土) 15:42 | URL | [編集]

花さん
すごく良かったですね~。
自分にもこんな頃があったのでしょうか。
あったのでしょうねぇ。(遠い目)

しんちゃん:2007/12/22(土) 19:20 | URL | [編集]

しんちゃん、こんばんは。
本当に素敵な物語です。
しんちゃんのレビュー読んで又感動。
あの再会はたまらないです。

なな:2007/12/22(土) 21:09 | URL | [編集]

みなさんもおっしゃるとおり、いいお話ですよね。豊島さんは連作短編が得意なのかと思いきや、実は長編にこそ真価を発揮するひとだったのか…!と目から鱗が落ちる思いでした。
なんでか巷ではそんなにスポットをあびてない作品ですが、隠れた名作だと思います。

まみみ:2007/12/22(土) 22:51 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
めっちゃ素敵な作品でしたね。
文庫が出たら買って、もっかい震えたいです。
あの再会にドキドキしたーい!

しんちゃん:2007/12/22(土) 23:37 | URL | [編集]

まみみさん
言われて気付きましたが、豊島さんの長編はめずらしいすね。
隠れないで表に出て欲しい作品だと思いました。
一緒に盛り上げていきましょうよ!ブログの口コミで。

しんちゃん:2007/12/22(土) 23:43 | URL | [編集]

これは、ほんといいですよね!
ラストシーンは今でも風景まで頭に浮かんできます。
私もシンに共感しまくりでした。

june:2007/12/23(日) 17:54 | URL | [編集]

juneさん
大当たりの作品でしたね。
あの待ち合わせ場所に向かう緊張感がたまらん。
ドキドキとザワザワに震えました。

しんちゃん:2007/12/23(日) 19:31 | URL | [編集]

卒業式の二人は、もう切なくて切なくて。約束の10年後まで二人はどうなってしまうのか、気になってぐんぐん読みました。
いきなりシン君に彼女いて、アヤコは思い続けてて、え~、どうなるのよ、と。別れる気配ないし。(爆)
私は、多分アヤコになってたんですね。(笑)だから、アヤコがシン君を思い続けてるときは、再会してくっつくといいなと思ったし、伊地知と出会い、伊地知の方を向いたときも、アヤコがそれでいいなら、と素直に伊地知とのこと祝福できました。
あんなにピュアな気持ちで人を好きになった14歳!泣けた!

じゃじゃまま:2008/04/19(土) 23:47 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
おーおー、熱くなってますねー。わかる。すごくわかります。
こういうピュアな愛を読んだら、震えるぐらいに熱くなりますよね。
このふたりは再会して良かったですよね。ラストは涙なしには読めませんでした。

しんちゃん:2008/04/20(日) 12:45 | URL | [編集]

★ こんばんわ
随分前の記事へのコメントになり失礼します。読まれた時の感動は今も残ってますか。
中学生のピュアな恋の1章だけでも充分でした。

やまけん(肩の力を抜いて):2010/05/25(火) 23:09 | URL | [編集]

やまけんさん、こんばんは。
感動は残念ながら残っていません。
ですが、マイベスト作だったという記憶だけは残っています。

しんちゃん:2010/05/30(日) 22:29 | URL | [編集]

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