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    2007

12.26

「どろ」山本甲士

どろ (小学館文庫)どろ (小学館文庫)
(2004/11)
山本 甲士

商品詳細を見る

近隣住人は選べない。市役所勤務の岩室孝行とペット葬儀社で働く手原和範は、大阪南部の新興住宅街に居を構える隣人同士。しかし、庭からはみ出た雑草、犬をつなぐ鎖の音をきっかけに、小さな誤解が生まれ、お互いに嫌悪感をおぼえる。そしてムカついた男は犬の糞を敷地に投げ入れ、やってくれたなと花壇を荒らし、負けるものかと名を騙って出前を注文、と嫌がらせ合戦が、職場や家族までも巻き込んで、止まることなくエスカレートしていく。お互いに引くに引けず、誹謗中傷嫌がらせは、やがて泥仕合に。彼らに結末はやってくるのか。

黒い。とにかく黒い。そしてこのシュールな黒さはすごすぎる。役所仕事のいいかげんな人間関係にイライラし、傲慢で身勝手な上司にウンザリし、妻が躁鬱ぎみ、もう一方の妻とは家庭内別居中、そして息子や娘が口をきいてくれずに、何を考えているかがサッパリわからない。

そんな彼らの楽しみは、いつしか隣人への嫌がらせになった。くそ、やられた。あいつにどんな仕返しをしてやろう。お互いに警察には言わない、いや自分の行為があるから言えない。やがて彼らの行為は、器物損壊罪、偽計業務妨害罪、住居侵入罪、脅迫罪、威力業務妨害罪、とどんどんヒートアップしてゆく。それと共に家庭が壊れ、仕事にも影響が及ぶ。

タイトルの「どろ」なんていう生易しいものではない。どろどろ、ぐちゃぐちゃ、相手への醜い悪意がむき出し。そこへさらなる不幸が降りかかって、ますます泥沼に突入していく。これだけダメージを与えれば、いくらあいつでも諦めるだろう。お互いにそう思っているので、余計に始末が悪い。引き際なんてこれっぽっちも考えない。そんな二人に訪れる結末は、自分で読んで確かめてもらいたい。

初めて読んだ作家だけど、ほんとすごいね。読んでるうちに、次は何をするのだろう、と楽しみになってくる。黒好きにはたまんねえ一冊だった。

羽田圭介著「黒冷水」を思い出した。

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山本甲士
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comments

黒いですよね~。
でも、やられたらやり返す。
なんとなく分かります。
で、どんどんエスカレートしていってしまう心理も分かります。
でもここまではきっとやらないだろうけど・・・。
山本さんの作品はこういうダークなものもあれば
三丁目の夕日のノベライズ版のような、ほっとするようなものもあり、
読んでいて飽きないですよ。

す〜さん:2007/12/26(水) 20:51 | URL | [編集]

す〜さん
こういうのは大好きです。
恋愛のドロドロやイジメの陰険なのは大嫌い。
だけど、人の嫌らしい部分はなぜか好き。
「三丁目の夕日」のようなノスタルジーものも好き。
山本さんに嵌まるかも。

しんちゃん:2007/12/26(水) 22:17 | URL | [編集]

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どろ   ~山本 甲士~


人生転落劇場! ちょっとした誤解から嫌がらせがどんどんエスカレート。 犬の糞を玄関先に投げ込む、 偽の出前を注文する、 花壇の花を引きちぎる、 花壇に除草剤をばら撒く、 なんてうちはまだかわいい?

2007/12/26(水) 20:49 | My Favorite Books

『どろ』山本甲士


どろ (小学館文庫) 山本 甲士 2004/12/1文庫化 小学館 P.358 ¥650 ★★★★★ まともな社会人として日常を送っている奴らの中にも、実はおかしなのがいくらでもいる。これまで運が良かっただけで、その運が尽きて事件が起きるのか。それとも人間...

2008/01/07(月) 00:52 | ほんだらけ

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